2022年02月15日 (火)中村奨成選手~外野のレギュラーを狙う5年目の決意~
中村奨成選手
「もうプロ5年目。
(鈴木)誠也さんがいなくなってポジションが空くのはわかっていたし、
ことしは1軍に定着できるチャンスが巡ってきているので、
そのチャンスをものにしたい」
ことしのキャンプで、広島の中村奨成選手は
本来のキャッチャーではなく、外野でノックを受けるシーンが多く見られる。
大リーグ移籍を目指す鈴木誠也選手が抜けた
外野のレギュラーを取りたいと決意しているのだ。
夏の甲子園で1大会の最多ホームラン記録を塗り替え、
広島の広陵高校からドラフト1位で入団した中村選手。
4年目の昨シーズンは、
プロ初を含む2本のホームランを打つなど成長の兆しを見せた。
しかし、會澤翼選手など先輩キャッチャーの壁を越えられず、
39試合の出場にとどまった。
それでも自己最多の試合に出場し、
試合に出る楽しさを改めて感じたという中村選手に
心境の変化が生まれた。
中村奨成選手
「本当に悩むんですよ。
ずっと小さい頃からキャッチャーをやってきて、
もちろん正捕手の座をとって、
レギュラーで活躍したいという思いもありますけど、
この世界は試合に出てなんぼだと思っているし、
やっぱり試合に出たいなって思いが強くなったので、
こうして外野に本格的に挑戦しています」
中村選手はこのキャンプでは毎日、
全体練習後に外野の守備練習に励んでいる。
指導する河田雄祐コーチは「まだまだ素人」と言いながらも、
「1軍の試合に出してもいいというレベルにする」と鍛え上げている。
その河田コーチが指摘する中村選手の課題が、
打球を捕るときの体の向きだ。
中村選手は体の横でボールを捕る癖があり、
捕り損ねる可能性がある。
他のバッターが打撃練習をしているときには
外野の守備位置について、
打球を正面から捕る経験を積んでいる。
河田雄祐コーチ
「ボールを捕るときは正対しないとダメです。
下手なんだから足をつかって正面に回って捕れと伝えている。
まだまだだけど、去年の秋よりはよくなっていますね」
中村奨成選手
「周りから見て安心して見ていられるボールの捕り方。
こいつなら、ちゃんととってくれるだろうという捕り方を意識しています」
もう1つの課題が送球だ。
中村選手は捕球したあとにしっかりボールを握れず、
送球が定まらないことがある。
正確な送球をするためには、
ステップする前にボールを握るよう繰り返し練習している。
室内練習場では、河田コーチの
「捕ったら握るんだ。絶対、縫い目には指をかけろ」
という大きな声が響き渡っていた。
中村奨成選手
「外野手は長い距離を投げないといけない。
強い球を投げるためには、
まずは握りからちゃんとしないと投げられないので、
そういったところを教えてもらっています」
課題の守備を磨く一方、得意の打撃でもアピールを忘れない。
キャンプでは、体に近い場所でボールをとらえ、
強い打球を飛ばすことを意識している。
2月8日に行われた初めてのシート打撃ではチームただ1人の3安打。
詰まったと思った当たりでも長打につなげる力強さを身につけて、
首脳陣が見つめる前で成長した姿をみせた。
正念場ととらえる5年目。
ドラフト1位の逸材がその才能を開花させるのか、注目が集まっている。
中村奨成選手
「成長しないとレギュラーという話にもならないとも思うので、
去年の打率もホームランも打点も盗塁も全部超えたいなと思います。
ほかの人ではできないような経験をさせてもらっているので、
すごく楽しいです。ことしは本当の勝負だと思いますし、
レギュラーをしっかり取れるように、
まずはこのキャンプでレベルアップできるように頑張りたいと思います」
投稿者:☆更新スタッフ | 投稿時間:15:30