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【チエノバ12月】「#8月31日の夜に。」ディレクター「"目に見えないつながり"によって、私たちは救われることがある」

2017年12月07日(木)

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この夏、「#8月31日の夜に。」を担当した番組ディレクターの後藤です。
チエノバ「座間事件とSNS」をご覧下さった皆さん、いかがでしたでしょうか。

ハートネットTVでは、11年前から運営を始めたポータルサイト「自殺と向き合う」をプラットフォームに、何人ものスタッフがバトンをつなぎながら、「死にたい」「生きるのがつらい」という人たちの気持ちを聴かせていただき、番組を放送してきました。
「#8月31日の夜に。」は、そんな歳月を経て、今までメッセージを下さった10代の皆さんの声に耳を傾け、夏休み最後の夜を一緒に過ごそうと、総勢89名のスタッフで、ハッシュタグ「#8月31日の夜に」と連動した生放送とライブストリーミングに取り組みました。
番組ではお伝えすることができなかったのですが、夏にお話を聴かせてくれた10代の皆さんが、取材の際、口々に言っていた印象的な言葉がありました。



「自分の死にたい気持ちは無くならないけれど、
どこかに同じ気持ちの人がいるなら、
その人にはどうか、生きていてほしい」



自分自身がどんなに追い込まれ、苦しみの中で日々もがいていても、皆必ず、こう言うのです。その口調は、全身から絞り出す、切実な祈りのようでした。皆の他者を思いやる感情は、私なんかが想像した何倍もつよく、そしてどこまでもやさしいものでした。
自分を認めることはいつだって難しい。でも、他者への思いやりが連なり合えば、必ず全員のもとに戻ってくるのではないかー。それはまるで、夜空の星が連なって描く星座のようだと思いました。曇って見えない日も、星は必ず空にあり続けます。
そんな「目に見えないつながり」によって、私たちは救われることがあります。SNSやネット上のつながりも、同じではないでしょうか。家族でも友達でも、先生でも上司でもない。自分の日常とはちょっとちがう世界にいるけれど、今、この瞬間、どこかで確かに生きている“誰か”に出会うからこそ、お互いにやさしくなれたり、気持ちを共有できたりするものだと、私は信じています。
ハートネットTVはこれまでも、そしてこれからも、誰かと誰かの気持ちをつなぐプラットフォームであり続けたいと思っています。ポータルサイト「自殺と向き合う」へのメッセージ、ハッシュタグ「#8月31日の夜に」へのツイート、いつでも皆さんの声をお待ちしています。

スタッフ一丸となって、また少しずつ、来年の夏に向かい始めています。

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後藤怜亜( #8月31日の夜に。担当ディレクター)

 

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▼関連番組
 ハートネットTV WEB連動企画"チエノバ"「座間事件とSNS」
 2017年12月7日(木)夜8時生放送[再放送:14日(木)昼1時5分]

【特設サイト】自殺と向き合う / #8月31日の夜に。
相談窓口はこちらからご覧いただけます。【お役立ち情報】自殺