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【チエノバ】近藤あゆみさん「まずは家族が元気を取り戻して」

2017年11月13日(月)

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 2017年11月2日放送
 WEB連動企画“チエノバ” “依存症”—家族はどうすればいい?


『ハートネットTV』2017年11月特集では、“依存症”について3夜連続でお伝えしました。
最終夜の「WEB連動企画”チエノバ“」では、家族の声を募集。悩みを抱える方々の声に耳を傾け、社会はどう向き合えばいいのか考えました。
放送後、番組にご出演いただいた国立精神・神経医療研究センターの近藤あゆみさんに、“依存症”の家族に必要な支援について、詳しくお話を伺いました。

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《近藤あゆみさんプロフィール》国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 診断治療開発研究室長。精神保健福祉士、保健学博士。依存症の家族支援が専門。

―― 番組に寄せられた家族の声には、自分自身を責め、悩んでいるものが多かったように思います。そうした方々に、どういった支援が必要なのでしょうか?

ご家族には、まず元気を取り戻してもらいたいと思います。依存症の回復には、時間がかかることがとても多いんです。何年間といったような長い時間がかかりますので、そこを家族が支えていこうと思ったら、まず家族自身の健康に目を向けて、エネルギーを補充し続けること、元気で居続けることが本人の回復を応援していく鍵にもなると思うので、ぜひそこは声を大にして言いたいです。罪悪感を覚えないで、「まず家族が元気になっていいんだよ」ということをお伝えしたいですね。

そのためには、やはり当事者家族同士が出会うことが一番の近道ではないかと思います。もちろん、私たち、援助者は、ご家族の生活を丁寧に点検したり、ご家族が元気になっていくために、どうすればいいのかを助言をしたり、相談にのったりはできるんですが、当事者家族同士には敵わないですね。やはり同じ経験を持つご家族同士が出会って、「ああ・・・こんな大変な思いをしていたのが自分たちだけじゃないんだ」ということが分かったり、「今まで自分を責めていたけれど、そんな必要はないんだ」と確認できていくことには敵わないと思っています。


―― 番組では、相談窓口として、精神保健福祉センターや保健所、専門の医療機関、リハビリ施設、家族会や自助グループ等をご紹介しました。家族が助けを求めるとき、どういったところにつながるのが一番良いのでしょうか?

そこが本当に難しくて、どこに行ったら一番いいって無いと思うんですね。その家族と本人にとって一番合う場所が本当にケースバイケースなので、どこでもいいと思うんです。ひとまず手当たり次第に行ってみて、そこがたまたま自分に合うなら、そこがその家族にとっての支援の場所だし、ダメだったらダメで、できるだけ沢山、自分に合う場所をあきらめないで見つかるまで探しにいく、その気持ちが大事だと思います。

相談する場所を掛け持ってもいいんです。むしろ掛け持った方がいいと思うんです。私は、相談できる場所が1つよりも複数持っている方がすごくいいと思います。例えば精神保健福祉センターの家族教室も利用する、それから家族会や自助グループにも入っている、身近な相談については保健所の保健士さんが相談に乗ってくれるとか、そういうふうにしないと依存症者を抱えた家族の生活って本当に大変なんですね。だから、私たち援助者としては、その家族を支えてくれるサポートネットワークをどう作っていくのかが大事だと思っています。



―― 改めて、近藤さんが“依存症”の家族のみなさんに一番伝えたいことはどんなことですか?

多くのご家族は「自分の子育てがまずかったんじゃないか」とか、「妻として至らなかったんじゃないか」とかといって、自分を責める気持ちをすごく持っておられると思うんですね。だから、「家族が悪くてなる病気じゃない」ということと、「家族は本人の回復の責任を負わなければならない存在ではない」ということを一番に伝えたいです。

そのうえで、これまで依存症は本人の病気だから、家族にできることってそんなに無いと考えられていることも多かったと思うんです。だけれども、実際には家族支援の考え方も近年変わってきていて、回復の責任は家族にはないけれども、家族がもしそうしたいと願ったならば、家族が本人の回復のためにできることが沢山あることも、ぜひお伝えしたいです。そのためには、ご家族が依存症という病気をよく理解したり、回復のためには何が必要かという事を学んだりした上で適切に関わるという事がとても重要になってくるんですね。この10年を見ていると、ようやく少し家族もそういった事を学べる機会とか相談できる窓口が増えてきているので、そういった場所をフルに活用していただいて、ぜひご家族にまず元気を取り戻してもらいたいと思います。



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