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人生ワクワクしていますか?

2012年10月02日(火)

パラリンピックの企画を担当してきた番組ディレクターです。


「ハートネットTV」で半年にわたって放送してきたロンドンパラリンピック。
そのラストを飾る番組をご紹介します。
今回取り上げるのは、車いす陸上で3つの銀メダルを勝ち取った、伊藤智也さん。

今大会の日本陸上チームのメダルは4個。
そのうち3個は伊藤さんが獲得し、
まさにエースの名にふさわしい活躍を示しました。

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<大会に臨む伊藤選手(中央)・チームメイトの田中選手(左)・上与那原選手(右)>


「男、伊藤智也は絶好調です!」


大敗、メダル獲得に関わらず、レース直後に必ず口にしたその力強い言葉。
痛快なセリフに思わず現場にいた報道陣は爆笑してしまいました。

大会後には、某検索サイトで「伊藤智也」と打つと、
次のワードは「絶好調」と出てくるくらいの話題ぶり。

その言葉は何故そんなにも人の心を掴んだのでしょうか・・・


大会直前、伊藤さんの病気(多発性硬化症)は急激に悪化していました。
片手の感覚は消え、とても出場できるような状況ではありませんでした。
後ろ向きな言葉は決して口にしないものの、
明らかにいらだちと不安がその姿にはありました。


初日のレースは病気の影響で大失敗。
さらに期待された他の日本人選手も次々に失速、チームの雰囲気は
日に日に暗くなります。
メダル最有力候補と言われていた男へのプレッシャーは相当なものでした。


それでも翌日のレース前、
トレーニング場の脇で伊藤さんは私に意外な言葉を語りかけます。


「生きているってこんなにもワクワクするんだ。
人生って楽しいよね。」


この極限のプレッシャー下で飛び出した言葉に、私は頭を金槌でうちつけられた
気分でした。
それは、かつては病気で死の淵に立たされ、今も苛酷なトレーニングで
自分を追い込んできた伊藤さんならではの言葉でした。
人間ってここまで強くなれるものなのかと、驚かされたこの気持ちは
一生忘れないと思います。


番組では、「絶好調」の言葉の裏に込められた伊藤さんの熱い思いをご紹介します。
「人生ってワクワクの連続だ」そう思えるようなトップアスリートのドラマを
ぜひご覧下さい!