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3つの"日本初"を成し遂げた天才アスリート

2012年05月22日(火)

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  番組ディレクターです。
  今回ご紹介するのは、日本を代表する車いす陸上選手、土田和歌子さん(37)です。
  この夏、6度目となるパラリンピックでは、車いすマラソンと5000mの2種目で金メダル獲得を目指しています。

 

  高校2年の時、友人とドライブ中に事故に遭い、車いす生活となった土田さん。
実は、リハビリの一環で始めた障害者スポーツで“日本初”となる功績を3つも残した天才アスリートなのです。

1つ目は、そりに座ったまま2本のスティックを使って氷の上を滑るアイススレッジスピードスケート。その競技で“日本人で最初”にパラリンピックに出場したのは土田選手です。4年後の長野パラリンピックでは、なんと!金メダルを獲得しています。

その後に転身した車いす陸上では、アテネパラリンピック5000mで金メダルを獲得。こうして夏と冬のパラリンピックで“日本初”金メダリストとなりました。

さらに2007年に出場したボストンマラソンで、“日本初”の優勝。

これだけ“日本初”という偉業を成し遂げながら、土田選手は“車いすマラソン”で世界の頂点に立ちたいという“夢”に向かって邁進し続けています。

 

  そんな土田選手のモチベーションの高さは、今回、番組ロケで同行した石垣島の合宿でもスタッフ一同、感じずにはいられませんでした。

東京から沖縄へ移ったばかりで気候の変化に体が慣れず、辛そうに練習に取り組んでいた土田選手。それでも、1日たりとも練習を休むことはありませんでした。体力の消耗を心配したコーチが練習の走行距離を短く設定しても、決してそれに甘えることなく、いつも通りの練習をこなしていました。

 

   特に印象に残ったのは、練習を終えたある晩、合宿先のリビングの片隅で、ほつれてしまった(車輪を回す)グローブを自分で縫い合わせている土田選手の姿です。
いつも人前で笑顔を絶やさない土田選手ですが、この時ばかりは、真剣な面持ちで、大事そうにひと針、ひと針、グローブに針を刺す姿に、土田選手の強(したたか)かさを垣間見た気がしました。

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