【収録記】スタート"新"セーフティーネット ~だいJOBな社会へ~
2015年03月29日(日)
- 投稿者:web担当
- カテゴリ:スタート“新”セーフティーネット
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ハートネットTV、WEBライターIです。
「生活困窮者自立支援法」。
4月1日からスタートする、新しいセーフティーネットです。
私は、「生活困窮者」というと、=(イコール)生活保護が必要な人、とすぐに連想してしまいましたが、実際はそんなに単純ではありません。番組で取材した男性も、自身の病気→母親の病気→介護離職→母親の死→母親の年金収入がなくなる…というように、いくつもの問題が順番に起こり、徐々に追い詰められていきます。
非正規雇用の労働者が増え、子どもの貧困が増えているなど、社会全体として苦しくなってきている日本の現状では、将来的に、「“健康”で“仕事”と“住まい”が確保出来ている」という環境を保持し続けるのは、より大変になると思います。これが一つでも失われたら不安でたまりませんし、あっという間に生活も困窮するかもしれません。
しかし、実際にVTRに出ている方や、また自分のこととして想像してみても、その段階ですぐに「生活保護」とは思いつかないものなのかもしれません。とにかくどうにかしたいと考え、自力で生活を取り戻そうと努力をし、困って迷っている間に、事態はより深刻化し、どうにもならなくなり「生活保護」に行き着く…。
スタジオに出演した後藤千恵 解説委員が、「生活保護制度は、入りにくく出にくい制度」とおっしゃっていましたが、 限界まで耐えると、そのあとの復活も大変になると思いますし、確かにその通りかもしれないと想像しました。
第1回の放送で紹介する川崎市の「だいJOBセンター」は、生活困窮者自立支援法のモデル事業として、ワンストップ支援を行っています。
担当者は、相談に訪れた人に対して「うちでは管轄外なので、対応できません。」と追い返すことはない、と断言しています。「年収○○円以下」などの条件を設定せず、対象者を明確にしないとのこと。制度の狭間に落ちてしまう人を作らないためです。なんて頼りになるのでしょう!
「生活が困窮する」とは、大変に不安で辛い状況です。
スタジオゲストの金子貴俊さんもおっしゃっていましたが、「一人きりでは中々立ち上がれない」。「だいJOBセンター」の支援員の方のように、支えてくれる人の存在が、安心感を与え、困難を乗り越えるパワーの源になると思います。
私は今回の収録に参加して、新セーフティーネットについて初めて知りました。…それにしても、新しい法律や仕組みが、知らない間に出来たり始まったりするものだ、と思います。私自身、世の中の“お客さん”ではなく社会の一部であるべきなのに、受け身で生きていることかと、恥ずかしいような気になりました。
第2回の放送では、ある“生き方”を――社会の中で、お金や税金でサービスを買う“お客さん”ではなく、「人を知り、町を知り」能動的に地域社会の一部となって生活する“豊かな”生き方を教わった気がします。そうして生きていけば、なにかひとつ失っても、即「困窮」に結び付かないかもしれません。自分で地域というセーフティーネットを築いているのですから。
スタジオでも話題になっていましたが、“地域づくり”は今後の日本社会のキーワードになると思います。これは、子育てをする上でも大切な価値観だと感じました。「受験を突破して、学校を出て、企業に就職してお給料をもらい、納税する対価として、社会的サービスを受ける“お客さん”として社会に存在できる」という価値観だけでは危険だということです。
子どもたちのために、出来るだけ幸せな未来を作りたい。
少しくらいの困難があっても、みんなでつながり支え合うから大丈夫。
新セーフティーネットは、そんな“丈夫”な社会を実現するための、第一歩なのかも知れません。
私たちに出来ることは何でしょうか?4月2日(木)は生放送で専門家と議論を重ねます。当日はTwitterでご意見を募集します。是非参加してください。
◆2015年4月特集「スタート“新”セーフティーネット」
本放送:夜8時00分~8時29分
再放送:午後1時5分~1時34分
2015年3月31日(火) 第1回 生活困窮者をどう救う?
2015年4月1日(水) 第2回 声を上げられない困窮者たち
2015年4月2日(木) 第3回 私たちにできる 地域づくり(生放送)
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