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【出演者インタビュー】山本深雪さん「精神障害者でも相談できるような人間関係が地域に少なすぎるのでは」

2015年06月01日(月)

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6月3日放送
シリーズ 戦後70年
第4回 精神障害者の戦後 ―病院か地域か―
ご出演された山本深雪さんにメッセージをいただきました。


《山本深雪さんプロフィール》
NPO法人大阪精神医療人権センター副代表


――今回番組へご出演されて、どのようなことを伝えたいという思いがありましたか。

精神科の治療を受けながら地域で暮らしている人があなたの地域にもいて、隣で暮らしているんですよということですね。


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――精神障害者の戦後70年の歴史を振り返って、いかがでしたか。

精神障害のあるひとりの人間が危ない事件を起こしたかもしれません。でも、その人がどうしてそこに至ってしまったかというと、恐らく周りとあまり会話ができていなかったからだろうなと思うんですよね。相談できる関係というのが地域に少なすぎるのではないか、そう振り返えらずに、「病院に閉じ込めておけばいい」という関係を築いてきたことは、すごくもったいないと思います。そうやってこれまでも多くの人を閉鎖された中に閉じ込めてきてしまっているので……。

――精神障害の病状は環境によって変わっていくことができるということでしょうか。

少しでも話をすることができれば、いろいろな病状が和らぐと思います。私の場合は、友達が「ちょっと最近疲れているんじゃない?」とか、「少し思い込みが強すぎない?」というふうに感じたことを素直に言葉で表現してくれたので、行き詰まらずに我に返ることができました。そういう友達がいなかったら、きっと私は小さな世界に閉じこもって、より苦しんでいたかもしれないし、病状も悪くなっていたかもしれません。そして、ご両親もお子さんの様子がいつもと違う気がしたら、見守ることも大切ですけど、ちょっとした声掛けもしてほしいなと思います。「なんかいつもと違うけど、眠れている?」とか、普通の一言があるだけでありがたいと思いますね。

――当事者の方にはどのようなことを伝えたいですか。

病状には波がありますから、いいときもあればしんどいときもある。でも、しんどい時というのはすっと通過していくものなので、2週間くらい様子を見ようというくらいの腹の太さで向き合っていただければいいのかなと思います。そして、やっぱりいい時の表情を思い出していただくことが大事です。あなたがしんどくなった時も大丈夫だよ、あきらめなくてもいいよとお伝えしたいですね。

――そういう精神医療にしていくことが大切ということでしょうか。

そうですね。精神障害者と世間の関係をそんなふうに変えていきたいなと思います。これまでは他人事と思ってしまっていたから、どこかに閉じ込めておいたほうがいいという対応をしてきたわけですよね。でも、自分のこととか、家族の中の身近な問題だと思うと、それでいいとは思えないはず。みんながそういう意識を持って考えてほしいですね。

コメント

初めまして。一番苦しいのは患者さん本人なのは、分かりますが、周りもサポートがない!のを只今実感しており、ご連絡させて頂きます。私達が特殊なのかもしれませんが、私は海外在在、高校時代の友達が最近統合神経失調症であると知りました。過去20年近く、年に1-2回の手紙やりとりだったのが、数ヶ月前、メール交換してから、たわいのない彼女の日常が毎日送られてきます。数ヶ月前、お母様を亡くされ、一人暮らしになり寂しいのは分かるのですが、家族でもない私が何でここまで相手しなきゃいけないんだろうと思ってしまいます。病気は多分10年以上患っているようで、現在は障害者手帳給付、ヘルパーさん、訪看さんが週1、生活教室に通い、作業所も始めようとしているようです。勿論、彼女に良くなって欲しいですが、メールでも彼女の思ってる事と違う事を返信してしまうと、延々と説明文が返信されてきますし、短く一言で返しても、延々と日常が送られてきます。彼女は一人暮らしですし、実際に会ってるわけでもないので、無視したり、メール辞めてと伝えて病気が陰性になったりするのも怖いので言えずに悩んでいます。彼女の利用する訪看さんのサイトは見つけたのですが、電話、ファックスのみ。私は海外ですし、友人の事で、国際い電話料金かける気もせず。(時差もありますし)勿論、有料のサイトを利用してまで、相談する気もありませんが、毎日のメールのおかげでちょっとこちらの方が気づかれてしてしまいそうです。お姉さんと姪っ子はいますが、絶縁状態のようで。先日、彼女、居住地の区役所の方に問合せをし、担当部署に回すと連絡がありましたが、実際にはまだ担当の方とは話せてません(泣) 個人的希望としまして、もっとオープンに無料で相談できるサイトが増えたり、お役所や訪看施設もメールを受け付けてくれる事を願うばかりの海外在住日本人です。また、今はSNSやメールによる患者さんからの迷惑と言ったら失礼ですが、過剰メールなども課題として(対処法等)ご検討頂けたらと思います。長文にお付き合い頂き、有難うございます。

投稿:佐藤(み) 2017年07月18日(火曜日) 03時28分

双極性障害を患っていますが相談出来る相手がいません。
精神科の医者でさえこの病気を正しく診断してくれる事は
稀な状況なのです。

投稿:ミカン男 2016年01月16日(土曜日) 22時47分

私はうつ病で障がい者認定を受け、現在障がい者枠で働いております。
過去、ブラック企業に勤めていた頃に過労で倒れ、障がい者認定を受けました。

会社から特別な配慮も受けること無く健常者と肩を並べて仕事をしており、私生活においても妻子あるごく普通の家庭生活を送っております。

障がい者枠で入社した当初は「頑張れ」という言葉を掛けてはいけない、フルタイムで働けないなどの誤解もありましたが、一生懸命に働く事で誤解を解き、今では様々な仕事を任されるようになりました。

ただ、そこまで頑張っている「父の背中」を子供に見せられない事が辛いです。

また、いずれ子供が結婚する事になった時、父が精神障がい者という事で迷惑を掛けてはいけないという思いもあります。

精神障がい者の雇用は随分と進んでいるように感じます。

ただ、精神障がい者に対する偏見は、以前厳しい事が辛いです。

精神障がいは、健康な人であっても何らかの精神的負担が蓄積すれば発症する事がある、誰もが患う可能性がある身近な病であると世間の認知度が良い流れに変わっていく事を心から祈るばかりです。

投稿:こころざし 2015年08月25日(火曜日) 17時35分

戦前戦後の現実のというか事実を画像を通して大変なショックを覚えました。勿論どんな病気も重篤で危険な容態に急変した時や治療が必要な時があると思います。でも定常的に犯罪者然としての扱いや差別はありますね。家族に身体障がい者がおりますが精神障がいの場合は手帳の色が違っていました。(今は同じかもしれませんが)事務処理上便利なのかもしれませんが、総合病院の婦人科で産科と不妊治療の待合室が一緒なのをみてデリカシーの不足を感じた事もあります。

投稿:タマ 2015年06月11日(木曜日) 12時27分

私は統合失調症です。具合のわるい時は本当に何も出来ません。でも何かと支援者に相談が出来るので、助かっています。山本深雪さんがおっしゃる通り、地域で人とのつながりがあるので、救われています。若い頃は、それがなくて絶望していました。
精神障害があっても、病院つまり隔離ではなく、地域でほかの人たちと同じように当たり前の暮らしがしたいです。そのためにも、歴史を伝えてくださったこの番組に感謝しています。社会に温かいまなざしが広まることを望みます。
現状も厳しいです。引き続き報道してくださることを心より願っています。
深雪さん、いつも勇気をいただきます。ありがとうございます。これからもご活躍をお祈りしています。

投稿:智子 2015年06月04日(木曜日) 20時20分