あと、ちょうどその時、自分も妊婦だったのかな。そういう時期でもあったので、自分のパワーが存分に曲作りに出せるかも不安だったんです。すごいエモーショナルになるので、曲を作る時って。涙が出るほどの曲や歌詞、メロディができたりしないと、自分でいいなと思えないんですよね。頼まれた時に、「いいですよ」って言いたいけど…、やっぱりそんな簡単じゃないということを言った時は、みなさん、がっかりした顔をして…、申し訳ないけど、でもしょうがないなと思ってたんです。


―― 一度、断られたにも関わらず、曲を作って下さったのには、何か理由があるんですか。

断った時から時間が経って、また曲を作りはじめた時に、あの時のことがずっと頭に残っていたんですよね。
それで、「私作るよ」って、ヒロに言ったんです。でも、ヒロは「無理しなくていいよ」っていってくれたんですが、「無理じゃなくて本当に作りたい」と思ったんです。

様々な人の出会いだったり、いろんなことが合わさって、自分が影響を受けたり、感情を動かされた時、曲ってすごく出やすくて。＜ブレイクスルー＞に出ていてもそうだし、周りの友だちや難病を抱えている人の家族、ヒロのALSのCM（※）、いろんな人がすごい思いで頑張って伝えたいことがいっぱいあるんだなと思って、私の気持ちが動かされた感じです。


――　「IT’S GONNA BE ALRIGHT」を聞いて下さった方々にどのようなことが伝わればいいなと思いますか。

自分のことだと思って聴いて欲しいと思います。
本当に、どうしようもなく辛い時があると思うんです。でも、辛いことばかり考えているともっと辛くなるから。その人たちの人生が少しでも、明るく、楽しく、美しく、最高な人生だと思えるような、そんな日々が、そう思える時が、絶対に来るからということを感じてもらえればいいなと思います。


※ヒロ・・・藤田正裕さん。全身の筋肉が衰える難病ALSを患いながら、次々と新しいプロジェクトを手がけている広告のプランナー。AIさんとは昔から親交がある。

※ALSのCM・・・ヒロさんがALS撲滅を訴えるCMを企画。企業を超えて集まってくれた同世代の広告マンたちと共に世界ALSデー（6月21日）にメッセージを発信した。