ソチパラリンピックブログ「山田's eye」 ⑨選手たちが残したもの ~パラリンピックエピローグ~
2014年03月24日(月)
- 投稿者:アナウンサー
- カテゴリ:ソチ パラリンピック 2014
- コメント(2)
パラリンピックが終わりました。現地で開会式の実況を終え、帰国してからは大会後半のハイライト番組キャスターを務めました。私の中では、“あまロス”ならぬ“パラロス”。正直、寂しい・・・。
選手たちがこの4年に1度という大舞台で残したものは、とてつもなく大きな価値があると感じています。
私たちは、順位でその選手の頑張りを評価してしまいがちです。
でも、フィニッシュを目指して果敢に攻める姿。そしてフィニッシュ後、「力を尽くしてやりきった」という選手の表情。それを見ると順位は二の次。自然と感情がこみ上げ、よくやった!という思いになります。さらに、自身に向けて「もっと頑張れることがあるのでは」と、我を振り返る気持ちにもなります。
胸が熱くなる思いは、選手の家族やチームのスタッフ、それに選手に縁のある皆さんも同じではないでしょうか。
フィニッシュ付近の観客席では、選手を支えてきた家族や応援団が、祈るように見守っていました。
フィニッシュ後、とめどなく涙を流す、選手のお母さんの姿もありました。
子どもがスポーツと出会って生きる力をもらい、この舞台までたどり着いた道のりを思い出されたのでしょう。
一方で、選手たちからは「これまでお世話になった方たちを喜ばせたい」というコメントをよく聞きました。
私たちにも、自分にとっての大舞台に臨むとき、不思議と、これまで支えてきてくれた人に感謝するということがあると思います。
ここまで来られたのは、自分の努力だけではない、と。
選手たちに言いたい。
その感謝の気持ちは、メダル以上に、全力で競技に立ち向かう姿で伝わっている、と。
そして、その姿は、次の世代を生みます。
今回出場した日本選手の多くは、かつてパラリンピックで活躍する選手をテレビで見て、本格的に競技を志したそうです。
「感動」は「感情を動かす」だけでなく、「人生をも動かす」ことがあるのではないでしょうか。
次は、2018年、韓国の平昌(ピョンチャン)が舞台です。
今回、10代の4人が躍動しました。実は、前々回、8年前のトリノでも4人の10代がいました(開会式時点)。
狩野亮選手、鈴木猛史選手、太田渉子選手、三澤拓選手。
4人ともにそれぞれのクラスで前回、今回と、日本の中心選手でした。
若い世代の活躍は、チームに大きな刺激を与えます。
4年後、個性あふれるチームジャパンに出会えるのを楽しみに。
また最高の笑顔に出会えるのを楽しみに。
過去放送
(1)目指せ!“ぶっちぎりの速さ” ―アルペンスキー 狩野亮―
(2)攻めてつかめ!まだ見ぬ“金” ―アルペンスキー 鈴木猛史―
(3)究極の走りへ!最強ロシアに挑む ―ノルディックスキー 久保恒造―
(4)ただひたむきに 前へ ―ノルディックスキー 出来島桃子―
コメント
メッセージありがとうございました!うれしいです。
パラリンピックブログの最初にも書きましたが、選手の皆さんの戦う姿は本当に美しかった。その感動との出会いを、早くも心待ちにしています。
一方で、今回、視覚に障害のあるクラスや2つの団体競技で日本選手は出場できませんでした。選手やチームの育成はもちろん、強化費用や練習場所の確保などのバックアップ体制も必要です。
夏の大会はもう2年後。私たちの関心も途切れることが無いようにしていきましょう。
投稿:山田賢治 2014年03月31日(月曜日) 16時33分
山田さん、お疲れ様でした。パラリンピックを楽しんだのは初めてでした。録画もして何度も見て、泣いたり、笑ったり、感動しました。選手のみなさんの一生懸命な姿に心も打たれました。本当に感動をありがとうございました。報道関係が余りにも少ないのが残念でした。
投稿:西口清満 2014年03月26日(水曜日) 04時53分