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社会の不条理にまきこまれて

2015年03月16日(月)

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こんにちは。

今日は、勤務先での体験が「死にたい」という思いを強めることになってしまった、お二人の声をご紹介します。直接会って、お話をうかがうことができました。

ご両親から「働かなければ家から出て行け」と言われ、一方でバイト先からは「リスカするならやめろ。やめるのがいやなら見えないところを切れ」と迫られて、精神の安定を得ることができなくなってしまったCathy【キャシー】さん。
そして、
職場での過重労働とパワハラを原因として、生きる意味を見失ってしまった、つつみ★けいさんです。
お二人とも、社会にでてからの不条理を感じていました。


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いま、自傷は割方落ち着いているほうです。
私自身が『私を赦す』ときだけ、切ります。
ザクザクと切り始めたのは15の頃。
初めは左手首。そして腕。脚。
『死にたくて』切り始めたのに、傷口から流れる血は、ココロの毒が浄化/昇華される感覚で…簡単に云えば何も彼をもリセットする術になりました。

高校中退して直ぐに始めた飲食のバイト先では『傷』を理由に同期で入った同い年のコ2人とはあからさまに少ないシフトでした。知った切欠は彼女たちとのバイト終わり「ガッコもあるのに今週4日も入れられてキツイ~」との雑談からです。
疑問に思い「なぜ私のシフトは週1~2なんですか?」と、マネージャーに話の場を設けてもらうと
「あなた、絆創膏で隠してる傷、あるでしょ?衛生上よくないのは勿論なんだけれど…その傷を見てお客様が不快になるって判らない?これ以上腕を切るなら今すぐ辞めて。辞めたくないならここから上(肘から上=二の腕)なら切っていいから。」
そう、笑顔で云われました。いまで謂う、パワハラですね。

こんなオトナに負けたくない、ケド、辞めたら家にも何処にも居場所がない。生きられない。
10月から3月までの間でしたが、職場でのイジメにも遭いながらもバイトから帰宅して切って、切ってからバイトして、『ココロを誤魔化すため』切り続けながら働きました。生きるために。
余談ですが、初めて『OD』したのは15の12月です。


やはり序ノ口しか書けませんでした。
私の両腕を見て頂き、お話しできたら幸いです。
(Cathy【キャシー】さん/20代女性/埼玉県)


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私は、高校を卒業後にすぐ日本を代表する企業の一つで、世間にも名が通った大手家電メーカーに就職しました。二年目に転属して来た上司から、パワハラと取れる指導を受けていました。毎日、サービス残業を5時間ほどしていてましたが「求人票に書いてあった定刻17:00は、この部署には関係ない。この部署の定刻は、22:00だから。そこからが残業だからな。」と言われタイムカードを17:00に切り、それについては「新人で100%給料貰おうなんてバカな考えは捨てろ」と言われ続け、その内夜眠れなくなり、産業医経由でクリニックを受診し、うつ病と診断されました。

ところが上司は「うつ病なんて、弱いヤツがなるものだ、メンタルクリニックは特に診断もせずに話聞くだけなんだろ?そんなのだったら、その医者へ行く時間を仕事に当てろよ。」と言われ、苦しい時期を過ごしました。そこから四年後、労働基準監督署の監査が入り、ほどなくして、残業などの見直しが行われ正当な職場になってゆきましたが、うつ病と診断された気分の落ち込みだけはずっと今も残ってしましました。

そして、私はうつ病を克服した人を見たことがないし、うつ病は甘えかもしれないと考えた時、怪しい自己啓発セミナーに参加する様になってしまいました。それなりのお金を注ぎ込みましたが、結局のところ、体調に改善は見られずほどなくしてその自己啓発セミナーは解散して、ポッカリと心に穴が空いたようでした。少なくとも、そのセミナーに参加している間は、自分に価値があるかの様に錯覚出来ていたからです。そんな経験を経て今に至りますが、壮絶な人生で、どこまで行っても産まれることを望んでいなかったという考えに還ってゆくならば、せめて死の選択くらいはしたいと考える人がいても、その気持ちが分かるし、それは正しいことに感じます。死ぬ時には、本当に苦しい思いをしなければならないと思います。けれども、生きていて一生味わう苦しみに比べたら、軽いんじゃないでしょうか。人間関係が軽薄とも評される現代は、人間関係はまるで人気少年漫画の様で、他人の悩みも苦しみを見ないように付き合っています。そのシワ寄せが孤独感へと繋がっていると思う。
知人に、自殺を考える人は現実逃避から、ハワイへ旅行したいくらいのモチベーションと一緒だと言われましたが、それならば最期の一歩を踏み出すのは簡単だと思います。
(つつみ★けい/30代男性/静岡県)


これまでに寄せられた様々な声は、以下のホームページでご覧いただけます。
【特設サイト】自殺と向き合う


[Eテレ・ハートネットTV]
 本放送:夜8時00分~8時29分
 再放送:翌週午後1時5分~1時34分
2015年3月24日(水)  
生きるためのテレビ2 第1夜
2015年3月25日(木)  生きるためのテレビ2 第2夜