本文へジャンプ

「20代の自殺」プレマップ(PR動画)制作に込めた思い

2014年09月12日(金)

ハートネットTV、9月のキャンペーン「20代の自殺」。番組制作も大詰めですが、先日、実現不可能なスケジュールで制作した「プレマップ」(PR動画)が無事完成、放送の反響も沢山いただいています。ありがとうございます。

プレマップを作ることが決まったのが、梅雨明けから少したった7月の終わり。キャンペーンの放送は9/9(火)から。告知期間を考えると9/1(月)からはプレマップを放送したい、と考えると制作スケジュールは1カ月・・・。「自殺」というテーマを、そして「死にたい」と考えている方たちが、テレビやWEBを通じ私たちのメッセージに気づいてもらうにはどうすればよいのか・・・。何人かの知り合いに頼んだものの丁重にお断りいただき(テーマがテーマですしね)、さて本当に困った、というところで、2012年に「ハートネットTV」を立ち上げた際のプレマップを担当された“キーマン”に、半分説得・半分だめもとでアタック・・・・・・出来上がったのが、本編です。

 

ロケはお盆明けの真夏日。朝の6時に東京を出発した撮影隊は、2時間半ほどかけて、茨城県のとある海岸へ到着しました。遠くまで広がる砂浜には影一つなく、陽射しはすでに強くなっていて、少し歩くだけで汗が吹き出ます。熱中症の警報も出そうだということで、とにかく水分補給はまめにしなければ、そんなことを言いながら、撮影用の器材を運び、絵コンテを確認します。
 



ふつうなら2日以上かかるカット数の映像ですが、スケジュールの関係で1日で撮り切らなければなりません。ところが、足元は砂地ですから機材を運ぶのも、カメラの位置を変えるのも、いつも以上に時間がかかってしまいました。ラストカットを撮っている時には、もうほとんど日が落ちかけていて、あと1分遅ければ、もう撮れなかったかも知れません。
それでも「この映像をいいものにしよう、ちゃんと伝わるものにしよう」という出演者・スタッフのがんばりで、なんとか1日で撮影を終えることが出来ました。ちなみにスタッフは全員、たった1日で真っ黒に日焼けしてしまいました。


20140905_001.jpg

20140905_002.jpg



音楽は、映像を見ながら感じたこと、思ったことをその場で即興演奏してもらおうという方針で臨みました。すでにある楽曲の中から、いいものを探すという方法もありますが、あまりにも「いい感じ」になってしまうと、この映像が目指している気持ちから、離れてしまうだろうという判断です。フエニカさんと試行錯誤しながら、決して後ろ向きではなく、でも、だからといって前を向いて進んでいくのでもない、その場にとどまりながら、迷い悩むことを優しく包む音楽が出来たのではないかなと思っています。

20140905_003.jpg


企画・脚本をご担当された浅生鴨さんに、“今回の感想”をうかがいました。


「『死にたい』と言えたなら」

「20代の自殺」について考えるキャンペーン用の動画をつくりたい。NHKの方からそんなご相談を受けて、僕に出来ることがあるのだろうかと悩みながら会議に参加した。

当事者に取材をしているディレクターたちの話、番組を通じて世の中にメッセージを発信していきたいというプロデューサーの想い、そして、番組に寄せられた膨大な数のメールやメッセージ。会議が進むにつれて、僕の手帳のページには単語と絵がどんどん増えていく。やがて僕の手が止まった。自分で書いた言葉の中から「どうして僕は死なないのだろう」という文字が浮かび上がってくる。そして、その横に大きな文字で「?」。

そう。僕にはわからない。それだけが僕に言えることなんだ。

正解のないことがらは、いつだって僕たちを不安にさせる。何者かになりたいともがきながら、けっしてそうはなれないことを知ってしまった時の、あの感覚。独りぽっちで、どこにも逃げようのない暗く長い道を見つめながら、選ばなかったほうの道を歩く自分の姿を思う時の、あの感覚。

だから僕たちは死にたいと思う。何も感じないまま生きているなら、死にたいとは思わない。「死にたい」というのは「生きたい」ということ。心の中に強い感情があるということ。みんな優しくてまじめで、だからこそ、いろいろなことを感じて死にたいと思う。

どうすればいいのか。何が正しいのか。それは僕には分からない。僕たちは、なぜか生き、なぜか死ぬ。どちらがいいとは僕には言えない。正解なんてないのだから。あの感覚を知っていれば、死ぬことが悪いなんて言えない。生きていればいいことがあるとも限らない。僕だって、今、たまたま生きているだけだ。だから僕に出来ることは何もない。
だったら僕は、ただ、その気持ちを知っていることを伝えよう。あの感覚を知っていることを伝えよう。けっして何かの答えを出すのではなく、どうすればいいのかわからないまま、その場で立ち止まって悩み続けている、あの感覚を。

もしも「死にたい」というひとことを口にできれば、世界は、ほんの少しだけ変わってくれるかも知れない。もしも「死にたい」というひとことを耳にすれば、世界を、ほんの少しだけ変えたくなるかも知れない。誰かが誰かのことを想う気持ちは、まだ確実に世界に存在している。少なくとも僕はそう信じている。


Creative Director:松 宏彰

Director:北村 拓司

Director of Photography:尾道 幸治
Lighting Technician:藤井 貴浩
Music:フエニカ

Cast:小林 涼子, 大谷 英子, 平田 貴之, 永岡 卓也, 日置 かや
Stylist:宇都宮 春男
Hair & Make-up:大島 美保

Offline Operator:沖 崇信
Sound Designer:井筒 康仁

Colorist:平田 藍
EED Editor:山下 武郎
MAV Mixer:新村 亨

Production Manager:池田 飛鳥
Assistant Producer:矢吹 孝之
Producer:渡辺 雅史
Planner, Scriptwriter:浅生 鴨


[Eテレ・ハートネットTV]
 本放送:夜8時00分~8時29分
 再放送:翌週午後1時5分~1時34分
2014年9月9日(火)  第1回 生きる力を奪う 生い立ちのトラウマ
2014年9月10日(水) 第2回 追い打ちをかける“社会の壁”
2014年9月11日(木) 第3回 “自傷行為” 生きるために傷つけて・・・
2014年9月24日(水) 反響編

[総合テレビ]
2014年9月12日(金) ハートネットTV +  生きるためのテレビ
 24時10分~25時25分


「ハートネットTV」に寄せられた600件を超える「死にたい」、でも「生きたい」という声。
そんな皆さんが交流できる掲示版をオープンしました。
どうしたら生きやすい世の中になるのか、一緒に考えてみませんか?
特設サイト「自殺と向き合う」はこちらをクリック

コメント

今日は敦です。

私は思います。
自殺を美化していると…

命はかえってきません!
ですので、ゆとりを持った仕事に生活を。

投稿:敦 2014年09月24日(水曜日) 15時47分

TOTOの「アイルビーオーヴァーユー」、リチャードマークスの「ライトヒアウェイティング」、REOスピードワゴンの「キャントファイトディスフィーリング」を聴いて心がいやされ、失恋の傷も癒え、自殺を思いとどまることができました。精神薬は何十種類ものんできましたが、効き目のあったくすりはひとつもありません!これだけはしっかりみんなにつたえたいのです!

投稿:まさ 2014年09月24日(水曜日) 03時14分

死にたいっていうのは、私はもう死ぬ程いろんな人に言って来た。親を困らせて、友達を悲しませて、いろんな人に心配をかけまくって、なんとかかんとか生きてる。生きている意味とか生きている希望とかそういうのはほぼなくて、それを相談をすれば、毎日過ごしていくうちに自然と生きていることを感じて、やがて夢や希望も見つかる、って言われることが多かったし、まあそんなこと信じてないけど、なあなあに過ごしてきて、今。私は家庭環境に問題を抱えていたりとか、いじめ経験があったりとか、そういうのは全くないんです。ただただ自分に自信が無くて自分が大嫌い。だから、私の場合は、死にたいっていう気持ちを共有したり理解してもらっただけじゃ何も意味はないんだ。自分が変わらなきゃ、自分で自分を理想の自分になるために良い方向に向けなくちゃいけない。でも、それが出来ない。どうして良いかわからない。挙げ句の果てには、何を目指して何を変わろうとしているのかもわからない。「わからない」だらけで「死にたい」。今自分が何をすべきかわからないし、それがどんどんわからなくなっていくし、そのままもうすぐ21歳になって、気付いたら20代後半になって…そんな過ごし方が続いて行くんだろうなあ、なんて考えてたらもっともっと辛い。まだ推敲していないこの文章もきっと言いたいことが全く伝わらない駄文だと思う。でも、その駄文が、今のわたしの頭の中を物語っているのかな。それもわかりません。世の中はわからないことだらけで本当に本当に怖いです。自分さえわからないのだから。

投稿:さとはる 2014年09月15日(月曜日) 05時16分

今、死にたいと思っています
人間関係をうまく築けず、辛いです。
物事の優先順位がおかしい、人の話をきちんと理解できない、不器用、伝えるのが下手…どうしてこんな風になってしまったんだろう。元からか
変わらないといけないけど、変わりたくない。もう疲れた。

こんな私は救えない。それなら生まれてこなければよかった。
誰かに受け入れて欲しい、助けて欲しい。
生きていても死んでも迷惑なら私の居場所をどこに作ればいいのか分かりません。

投稿:あお 2014年09月13日(土曜日) 06時16分

みんな一人じゃないよ!って叫びたい気持ちで書き込んでます。デリケートな人達がたまたま出会った人に傷つけられたり、影響されて自分を見失っているんじゃないかと思いました。世の中そんなに悪い人ばかりじゃないよ!まだ出会ってないだけです。生きたくても生きられない人、生まれながらに病気で苦しんでいる人、世の中には色んな運命を背負った人がいます。テレビで見た人達は可能性にみちあふれている原石、もったいないです。会話も出来るし歩くこともできます。感謝の気持ちで良いこと探しをしていってほしいなぁと思いました。
私は五十代ですが今まで生きてきて嫌なこと、辛いことが8割ぐらいでしたが、些細な事に感謝するようになったら辛さが半減しました。幸福感は人それぞれ、ご飯が食べられるだけでも幸せだなぁと感じる今日この頃です。できることならば二十代にもどってやり直したい!心の持ち方次第で全く違った人生を過ごせたんじゃないかと思います。
幸せや充実感は人それぞれ~自分が決めたらいいんです☆
生き抜くポイントは感謝の気持ちと相手の立場に立つことと許すことだと思います。自分を許し相手を許す!
美味しい物を食べて、色んな所へ出掛けて下さいね♪
人生捨てたもんじゃないですよ。テレビで見た人達みんな生き抜いてくださいね(^^)d

投稿:うさこ 2014年09月13日(土曜日) 02時07分

あんまり、頑張らない事も、大事ですよね。鬱歴10年58歳

投稿:@maco 2014年09月13日(土曜日) 01時13分

自分も死にたいけど死ねないそんな自分が嫌いでした。
でもある恩師がそれを知り、俺のところに来いと電話をもらい
行ったところ柔道をやらされました!!
楽しかったろって先生に言われ
食事につれていってもらい
お前はお前でいろよ、お前は死ねないお前でいい
俺はお前のことを弟のように愛してる。
って言われ生きててよかったと実感しました。

投稿:陸 2014年09月13日(土曜日) 01時12分