本文へジャンプ

【出演者感想】小島慶子さん「"わたしの認知症"と考える人が増えてくれたらいい」

2013年07月31日(水)

7月25日放送(8月1日再放送)
シリーズ 認知症
第5回 “わたし”から始まる町づくり
にご出演の小島慶子さんに感想を聞きました。

 

20130725_kojima.jpg

――今回は「シリーズ認知症」の締めくくりということで、番組に届いた声や、地域で支える取り組みを紹介しましたが、どのような感想を持ちましたか。

「“わたし”から」が今回のキーワードでもあるので、「自分が認知症になったらどうしよう」「私だったらどう介護をするだろうか」と番組に参加しながらずっと考えていました。わたしを形作るものは、家族や見慣れた風景、あるいはお気に入りの服や、好きな食べ物、そういうものだし、認知症によってそれらとの関係がすべて断ち切られてしまったら、それはつらいと思います。だからこそ、住み慣れた地域の中で声のかけ合いを心がけ、その人を支えてあげることや、その人が人生で大事にしているものを尊重しながら支援をするあり方が広まって欲しいし、自治体や国が連携して取り組んで欲しいと思いました。

 

――番組では地域で認知症の方を支える富士宮市のケースも紹介しましたが、
ああいう例はわずかで、実際にはまだまだつながれない、孤独な人が
多い現状です。


やっぱり集まってこられる場所、地域の人と一緒に集まれる場所というのを
普段から作っておくことは大切だと思います。
そこには認知症の方もいれば、それ以外の病気になられた方もいて。
そして「あれ、いつも来るあの人が今日はいないね」
「あの人、いつもとちょっと行動が違うね」ということがわかるような。
ひとりひとりバラバラになっている方々を、地域の中でつなげていく。
そういうことって、ひいては子どもの安全を守ることや
地域の防犯にもつながったり、いろいろなメリットがあると思うんです。

 

―― 一方で、今回のシリーズを放送する中で、視聴者の方からは
「『自宅での介護』ができないことに対して罪悪感を抱いてしまう」
という声も少なからずありました。


共働きでないと子どもが育てられない世帯が増えていたり、
育児と介護を同時に抱えてしまうなどいろいろな事情があると思います。
全ての人が自宅での介護を選ぶわけではありませんよね。
介護は家族がするべきだ、家庭ですべきだという
ひとつの価値観を押し付けても結局誰も幸せにならないと思います。
どんな状況の中でも誰も孤独にならないためには
どうしたらいいかと考えることが大事だし、
選択肢は多い方がいい。自分と違うやり方をする人を責めても不毛ですよね。

 

――今回の番組を見ながらどんなことを特に感じてもらいたいですか。

今まで介護を他人事だとか、認知症ってずっと先の話と思っていた方にも、
「そうじゃないかも」「私ってそこに含まれるの?」と
“一人称で”捉えてもらえたら。
認知症や介護を考えるきっかけになればいいですね。
それは不安を共有することかもしれないけれども、
でも不安を共有する人が増えることは、全員が当事者になることでもあるし、
いい知恵も出てくるかもしれない。
この番組をきっかけに、私の認知症、私の介護という視点で見てくれる方が
増えたら良いなと思います。

 

《小島慶子さんプロフィール》
タレント、エッセイスト。テレビなどへの出演だけでなく、
各誌でエッセイを執筆するなど、多彩な活躍を見せている。
近著に『失敗礼賛 不安と生きるコミュニケーション術』。
昨年、1年間に渡ってお伝えしたシリーズ企画
「カキコミ!深層リサーチ」に出演。

コメント

※コメントはありません