本文へジャンプ

【出演者感想】片山智栄さん「認知症という病気を見る以上に、その人を見ることが大切」

2013年07月03日(水)

 7月3日放送(10日再放送)
シリーズ認知症 “わたし”から始まる
第3回 検証・オレンジプラン―在宅支援の最前線―
にご出演の片山智栄さんに収録の感想を聞きました。

 

20130703_katayama.jpg

――収録の感想を聞かせてください。

看護師として患者さんに接するという立場でなら、日常的に認知症の方とたくさんお会いしていますが、今回のように、コメンテーターとして来ていらっしゃる当事者の方とお話するのは初めてだったので、とても楽しく刺激的で勉強になりました。

 

 

 

 

 

 

――池田英材さん(2年前、アルツハイマー型認知症と診断。現在、町田市内のデイサービスに通いながら、地域の有償ボランティアに参加するなど積極的に
地域で活動中)と話をして、特に印象に残った言葉などはありましたか。


まず“友”をすごく大事にされているということ、
そうした人たちとの強い絆があり、
その支援があるからこそ自分も楽しくいられると
何度もおっしゃっていたことですね。
ただ安心できればいいというのではなく、
そこにある信頼感が大事なんだというコメントも印象的でした。

 

――支援する側も手を出し過ぎない、本人にできることは
なるべく任せることが大切、というお話もありましたね。


介護福祉士の立場からしたら、たとえば認知症の当事者が
包丁を使って怪我でもしたら自分が責任を取らなければいけないと、
つい手を出したくなってしまう気持ちもわかるのですが、
でもその方ができるとおっしゃっているのであれば、
できるだけその通りにやらせてあげてみて欲しい。
「自分でやってみよう」という主体性が大事なんです。
もちろんそのためには、その人が実際にどこまでできるかということを、
周りで支える我々がきちんと把握をしている必要がありますが、
それを踏まえたうえで、できるだけその方の残存能力(※)を活かし、
促していくことが大事だと思います。

※ 障害があったとしても、残されたほかの機能を使って発揮できる能力。

 

――どのような方に今回の番組を見てほしいと思いますか。

私は看護師として、同じ医療職の方にぜひ番組を見てもらいたいですね。
わざわざ足を運んで認知症の方の家庭に行くことの意義、
そして、「その人らしくあり続ける」ために、
私たちの立場からは何ができるかを考える視点。
そうしたことを肌で感じてほしいですから。
ともすれば私たち医療関係者は認知症という病気ばかりを見がちですが、
もっと生活を、その人自身を見ることを
心がけていかなければいけないなと思います。

 

《片山智栄さんプロフィール》
桜新町アーバンクリニック看護師。

コメント

今後、認知症対策のオレンジプラン施策が有効に運用されるためには、訪問看護師がキーマンと
なることが予想されるが、現状の訪問看護師は、適正、能力、意欲よりも勤務形態で選択している傾向があり、具体的には、独身時代で高い所得を得たい時には、夜勤のある病院看護を選択し、
共働き子育てをする場合には、所得が低くても、土日が休みで、夜勤の無い訪問看護を選択しており、看護師個人のライフプランとしては、妥当な選択であるのかもしれませんが、利用者の立場に立てば、理想的には医師が居ない場合でも適切な判断を要求され、病院看護よりも広範な知識や高い専門性を要求される訪問看護師が適正な能力、意欲がないにもかかわらず増員され、被害を受けると事態が想定される。訪問看護師が何かがあれば、困難でもただ病院に行きなさいでは困るのである。オランダのように寄り添いクオリティ・オブ・ライフを高めることを支援できる人材が、訪問看護に携わるための何らかの施策が必要と思われる。

投稿:母要介護5 父要介護1  2013年07月10日(水曜日) 00時20分