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【出演者インタビュー】中島潤さん「カミングアウトする人も、カミングアウトされた人も、一人で悩まなくていい社会に」

2016年10月13日(木)

10月6日放送(10月13日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”「LGBTとアウティング」
にご出演の中島潤さんにメッセージをいただきました。

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《中島潤さんプロフィール》
トランスジェンダー
会社員のかたわら、全国で“多様な生と性”に関する講演・研修などを行う

 

――番組には、たくさんのカキコミやTwitterでのご意見が寄せられました。特に印象に残ったものはありますか。

放送では時間が足りなくて読み上げられなかったのですが、Twitterで寄せられた声の中で、印象に残ったものが2つありました。
ひとつは、「高校でセクシャルマイノリティに関する授業が全くない。聞いていると間違った偏見しかないから、少しでいいから扱って欲しいな。」というもの。もうひとつは、「私の高校ではLGBTの講演があった。人の数だけ性の数があるんだな、って思ったし、身近に結構そういう友達いることにも気付いたな」というものです。
教育の場や、社会の「日常」の場面の中で、LGBTのことや性の多様性について伝えることの重要性を、改めて実感しました。多様な人が共に生きていて、見た目では分からなくても、LGBTの人も自分の身近にいるんだ、と思って過ごせるような情報発信をしていくことは、私たち大人の責任だと思います。


――
「アウティング」によって傷ついてしまう人をなくすためには、どんなことが必要だと思いますか。

アウティングが起こってしまう背景のひとつに、正しい情報が十分に届けられていないことがあると思います。
今回の放送の中で、「カミングアウトされた人も悩むのでは」という話題が出ましたが、正しい情報を持ってない状態で、急にカミングアウトされたら、戸惑いや不安を感じるのも不思議ではありません。その戸惑いをどうしたら良いか分からなくて、思わず他の誰かに言ってしまうといったことや、カミングアウトされた側が誰にも相談できずに悩みを抱え込んでしまうといったことも、実際に起きているのではないかと想像します。
「アウティングはいけないこと」という認識が広がることも大切だと思いますが、「なぜ、アウティングが起きてしまうのか」ということにも目を向けていきたいです。
「カミングアウトする人も、カミングアウトされた人も、一人で悩まなくていい社会」にしていくために、今回のような番組を通して、正しい情報がより多くの人に届いてほしいと思います。
今、まさに悩んでいる人もいると思うので、番組HPに載っている相談窓口に連絡をしてみる、団体に繋がってみる、書籍を読んでみるなど、それぞれに合うかたちで情報を手に入れ、相談できる先を見つけてほしいです。

――番組やこのブログをご覧になる方には、どのようなことを伝えたいですか。

今回の放送をきっかけに、「アウティングが恐怖ではなくなる社会にするために、個人は何ができるか」という視点から、このテーマを「自分事」として考える人の輪が広がっていってほしいなと思います。
今回のテーマは「アウティング」でしたが、セクシュアリティに限らず、自分のことは、自分のタイミングで、自分の言葉で伝えたい、と考えるのは、自然なことではないかと感じました。私自身も、周りの人と、お互いがどうしてほしいのか、どうしてほしくないのか、丁寧に語り合える関係性を築いていきたいと思います。

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