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ピョンチャンへ新たなスタート! ~アルペンスキー世界選手権報告(後編)~

2015年03月11日(水)

ピョンチャンへ新たなスタート! ~アルペンスキー世界選手権報告(前編)~はこちらをクリック

ちょうど1年前はソチパラリンピック開催中。あれから1年。すでに戦いは始まっています!
IPCアルペンスキー世界選手権(カナダ・パノラマ)は、現地10日が最終日を迎えました。2018年のピョンチャンパラリンピックに向けて、大事な大会です。
ソチでは、金3、銀1、銅1と活躍を見せた日本アルペンスキー陣。今大会最終日、「回転」で、日本勢が金、銀のワンツーフィニッシュ!やってくれました!
(情報・選手へのインタビュー:日本障害者スキー連盟より)


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優勝した鈴木猛史選手(右)、2位の森井大輝選手(左)。笑顔がまぶしい!
(写真(ブログ内全写真)=堀切 功/日本障害者スキー連盟)

 


現地7日は「スーパーコンビ」(「スーパーG」、「回転」を1本ずつ滑り2本の合計タイムで競う)。残念ながら日本勢はメダルに届きませんでした。

【競技結果(スーパーコンビ)】
《女子座位》
4位 村岡桃佳

《男子立位》
7位 三澤 拓 +5.56秒
2本目途中棄権 小池岳太

《男子座位》
4位 森井大輝 +2.60秒
6位 鈴木猛史 +4.08秒
8位 夏目堅司 +6.93秒
途中棄権 狩野 亮 +1.33秒



翌8日の「大回転」では、男子座位(座って滑るクラス)の森井大輝選手と女子座位の村岡桃佳選手が銅メダル獲得!

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森井選手の攻めの滑り

森井大輝選手
「この世界選手権を通して、世界のレベルがすごく上がっていることを実感しています。用具に関しても滑りの技術に関しても、僕たちが優位だということはもはやないと痛感しました。ただ僕たちにも、勝つためにやれることがまだまだあります。用具やスキー技術などの部分で、ピョンチャンパラリンピックを見据えて、やらなければいけないことが明確に見えてきたのは、この大会の大きな収穫だと思っています」
 

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村岡選手は今大会、2つめのメダル

村岡桃佳選手
「1本目は、コースの雪がすごく硬く、自分にとっては苦手な条件で、それが露呈してしまったタイム差になってしまいました。でも2本目は、セットも雪のコンディションも自分の好きな感じになり、思い切って攻める滑りができたのでよかったと思います。ただ、3位という結果に満足しているわけではないので、これからもっと上をめざして頑張っていきたいと思います」


【競技結果(大回転)】
《女子座位》
3位 村岡桃佳 +8.64秒

《男子立位》
10位 小池岳太 +7.08秒
11位 三澤 拓 +8.25秒
13位 東海将彦 +9.91秒

《男子座位》
3位 森井大輝 +1.22秒
11位 狩野 亮 +9.45秒
1本目途中棄権 鈴木猛史
1本目途中棄権 夏目堅司



そして、最終日(現地10日)は「回転」。超ハードな雪質と長い急斜面とを併せ持つ非常に難度の高いコースで、わずかなミスが命とりになる、厳しいレースでした。

1本目から、途中棄権者が続出。そんな中で、女子座位の村岡桃佳選手は難しい急斜面を乗り切って4位。また男子座位では、今大会ですでに2つのメダルを獲得している森井大輝選手が2位につけます。そして圧巻だったのが、ソチパラリンピックでのこの種目の金メダリスト、鈴木猛史選手。他の選手が苦しむ急斜面を、ただひとり攻撃的に滑りきり、堂々のトップに立ちました。
2本目も鈴木選手は失敗を恐れずに実力を出し切り、金メダルを獲得。森井選手も2位を守り、日本チームのワンツーフィニッシュを完成させました。


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卓越したバランス感覚の鈴木選手。ソチ回転“金”の面目躍如!今大会、日本チーム唯一の金メダルでした。鈴木選手は、2014/15障害者アルペンスキーワールドカップの総合優勝にも輝いています。

鈴木猛史選手
「今日のレースは、コースが氷に近いコンディションで、朝からすごく緊張していました。スタッフの方が一所懸命にスキー板を仕上げてくれたおかけで、なんとか自分の滑りができたと感じています。2本目は、2位以下とのタイム差に余裕があったことはわかっていましたが、守りの滑りをしてしまうと、自分の悪いクセでどんどん順位を落としてしまうことが過去にもあったので、攻める気持ちだけは忘れずにいこうと決めてスタートを切りました」


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森井選手、今大会3つ目のメダルだが、金メダルには届かず。

森井大輝選手
「すごく硬いバーンの状況の中で、こうやって日本チームが1位2位をとれたことで、自分たちの技術はまだまだ世界に通用するということを確認できました。今回の大会で成績があまり振るわなかったこともあって、自分たちの技術はひょっとしたら世界から遅れているのではないかという不安もあったのですが、今日のレースでそれを払拭できて、とても良い終わり方ができたと思っています。でも、僕たちはまだまだもっと速くなれると思うので、そのために必要なことをこれから徹底的に追求していきたいと思います」


森井選手のコメントは、いつも日本チームへの愛にあふれています。森井選手はこれまでワールドカップのシーズン総合優勝に輝いたことがありますが、過去4回出場しているパラリンピックではまだ金メダルを獲得したことがありません。「パラで金」の自身の夢もありながら、同時に、他の選手と高め合いながらチームとしてどう戦うかを常に考えています。アルペンスキーは個人競技でありながら「チームJAPAN」であることを、この大会でもあらためて感じました。


【競技結果(回転)】
《女子座位》
4位 村岡桃佳 +18.25秒

《男子立位》
10位 小池岳太 +18.08秒
1本目途中棄権 三澤 拓
1本目失格 東海将彦

《男子座位》
1位 鈴木猛史(駿河台大学)
2位 森井大輝(トヨタ自動車) +5.74秒
1本目途中棄権 狩野 亮
2本目途中棄権 夏目堅



【今大会の獲得メダル】
<滑降>
 銀メダル:村岡桃佳
 銅メダル:森井大輝
<大回転>
 銅メダル:村岡桃佳
 銅メダル:森井大輝
<回転>
 金メダル:鈴木猛史
 銀メダル:森井大輝

日本は、金1、銀2、銅3という結果でした。これからも応援していきます!

コメント

山田さん、選手のみなさん、お疲れ様でした。何事も無く大会が終了して安心しました。みなさんのご活躍に胸が熱くなります。これからもお怪我のない様に数々の大会を目指して頑張って下さい。ご活躍をお祈りしております。

投稿:清満 2015年03月15日(日曜日) 08時13分