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虐待した親たちが通う塾!?

2013年03月19日(火)

土曜日の午後、虐待してしまった父親たちが集まる会に参加しました。
どんなに怖い人たちが集まっているんだろうと思ったら・・・

 

こんにちは、担当ディレクター1号です。
子どもの虐待について考えるためには、
虐待してしまう親の気持ちを知らなくちゃいけないんじゃないか。
先日、子どもに手をあげてしまった父親たちが、
児童相談所の勧めでやってくるというグループカウンセリングに参加しました。

その名も 「男親塾」

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 「男親塾」 虐待してしまった父親たちが輪になって語る

                                               

 

虐待してしまった父親たちが自分たちのことを語り、
同じ体験をした人たちと共有する中で、
自分の行動を振り返り立ち直っていこうという集まり。
臨床社会学の専門家である大学の先生が主催しています。
 

どれだけ怖い人たちが集まっているんだろう・・・
恐る恐る参加したんですが、予想以上に普通というか、
一生懸命お子さんを育てようとしているお父さんたちで正直驚きました。
 

男らしい子に育てたい、手のかかる子をしっかりさせたい、
わが子にかける情熱が結果的に間違った形で暴力として現れてしまう・・・
 

父子家庭で、高齢の親と手のかかる子どもを一生懸命面倒見て
究極のストレス状態にあるお父さん。

自分自身が親から厳しいしつけを受けて育ち、
それが一番いい育て方だと思っていたお父さん。

精神疾患の妻を必死に支えながら、
妻に代わって子育てに奮闘するお父さん。
虐待はいろんな問題を抱えた末の結果でもありました。


印象的だったのは、長く参加しているベテラン!?のお父さんが
新しく参加したお父さんに言葉をかける姿。
経験の裏付けのある実感のこもったアドバイスは、
様々な理由から虐待にいたったお父さんたちにとって
新たな気づきとなっているようでした。


この日、7年間男親塾に参加して、今日で卒業するという男性がいました。
その方が最後に話した言葉がとても印象に残っています。

「私は、自分の子はこうした方がいい、
 この道に進めばいいと強く思っていたし、
 そのやり方も自分には見えるのでそれを無理に教えようとしていた。

でも、子どもが自分で考えた道を行かせればよかったんですね。
その道を私は大していいと思わないんだけども、
自分で考えたならそれでいいと。

でもそう思えるまでにものすごく時間がかかった。
そう思えたのは、ここに参加してきた人たちのおかげです。」


ぼく自身も子どもを相手にしていて思い通りにならずイライラしたり、
こうなってほしいのに・・・とつい期待をかけてる自分に気づいたりします。

そんな子育ての不安と深刻な虐待の問題は違う、
という考えもあるかもしれません。

でもそれはやっぱり地続きなのかもしれない・・・
男親塾に参加してそう感じました。


5/6(月)夜8時放送
シリーズ 子どもの虐待 どう救うのか?
第1回 深刻化する虐待 児童相談所はいま

 

コメント

私は既に孫もいる60歳のおばあちゃんですが、小学生の頃近所のおじさんから性的虐待を受けたことがあります。それがトラウマとなり大人になってからも、男性不信で悩んだり自己否定に落ちたり、男性と性的関係にしかなれなかったりとかそれにより死ぬほど辛い堕胎を繰り返してしまったりとかありました。いえ、こんなおばあさんになっても傷は完全には癒されてはいないと感じることさえあります。しかしこの経験を何かで生かしたいという思いが常にありました。しかし若い頃はなかなかこの体験を口にすることはできませんでした。今だから言えることもあります。私が今知りたい事、もしくは番組に期待する事は「性的虐待」をする男性の心理を取材していただきたいと切に思っています。

投稿:ひろおかん 2016年01月05日(火曜日) 00時46分