うつサポート情報室 いきいきした心をとりもどすために
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体験談

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体験談 >> NO7
07

「一緒に死ぬしかない!」母親の無理解に苦しんだ日々…
伝えたいのは、うつ病になった人にしか分からない
繊細さと優しさ

  20代 女性

 私は以前2回、重度のうつ病になったことがあります。自分で自分の気持ちがコントロールできず、選択は死以外には考えられずにいました。

 私が辛かったのは、母親に理解されなかったことです。母は私のことを心配するあまり、事実を受け入れることができず、私の元気が出ないと狂ったように怒り出すようになりました。母の口癖はいつも、がんばれ!やればできる!自信をつけろ!と言う事でした。普段はそのような助言を受ければ、悔しさでがんばったものでしたが、うつ病となると全く逆効果です。母は事実を受け入れることで、私が病気だと認めることになると考え、一切合財、うつ病についての勉強をしようとはしませんでした。

 母を病院にも連れて行き、病気を理解させようと医師と話してもらいましたが、医師と喧嘩になり、「私がずっと育ててきた娘だ。ちょっと見ただけの医者に何が分かる?うつ病なんて気のせいだ」と、頑固として自分の意思を曲げず、最終的には母の方がまいってしまい、2人で心中を考えました。母はそれが一番いい選択肢と考えたようです。その時、母が放った言葉は、「あんたが周りを暗くする。相手の人生を狂わせる。あんたと結婚する人は不幸になる。こっちがどうにかなりそう。人に迷惑をかけるような人間は大嫌い。一緒に死ぬしかないわ」という言葉でした。今でも胸に突き刺さっています。底のない落ち込み、理解力が乏しくなっていた私は、心中しか解決策はないのかと思いながらも、誰かに助けを求めていました。

 そんな時、嫁いだ姉が私を救ってくれました。「そのままでいい」と言ってくれたのです。うつについて熱心に勉強し、病院の先生とも協力的に話をしてくれました。そのおかげで私は薬も決められたものを飲み続けました。3ヶ月くらいして症状が回復し、今では元気です。

 私のうつの原因は、環境の変化と人間関係にあります。もともと悩みやすい性格ですが、辛いと思った状況におかれても我慢することに、病気を発症させる原因があると、病気を乗り越えて分かってきました。今は、元気な時にも、無理をしていないかどうか考えるようにしています。うつは怖い病気です。普段できていたことができない。トイレに行くのも、外へ出るのも、食べることさえ怖くなる。何もしていなくても、全てが怖い。悪夢が襲ってくる。2回もなったのだからこれからもなると思って、慎重に生きています。

 今、うつ病で苦しんでいる人に伝えたいのは、うつ病には、なった人にしか分からない繊細さと優しさがあり、元気になった時は、こころがクッションのようにやわらかくなるということです。うつ病の時は何を言っても理解しがたいと思います。元気になるには時間がかかります。薬を飲んで先生と話をする。死にたい思いを吐き出す。苦しい思いを吐き出す。それでいいんです。

 私は今、福祉施設で働いています。精神疾患の方と触れ合っています。自分が、うつ病になったおかげで、患者さんとは同じ目線で話すことができます。患者さんが暴れても叫んでも、支離滅裂でも平気です。私も一緒ですから。何もできなくていいんです。世界中にたくさんの病気の人がいます。何もできない人がいます。それでも平気と思える優しさが、うつ病で苦しんでいる人だけが持つことができる特権です。

 どうか、自殺だけはしないように。死ぬ選択だけは避けてください。死にたいと叫ぶことは許されるのですから。私は控えめで、心がピュアなうつ病の方が大好きです。

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