「ふれあい」の喫茶店にいらっしゃい
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【音楽】
- 遠田
- カフェ・タッチをオープンしてもうすぐ2年。口コミで少しずつ広がり、今では50人ほどが集うようになりました。およそ2カ月に1度、夜の営業と昼の営業を交互に行っています。触手話や指点字で笑い合う盲ろう当事者はもちろん、視覚や聴覚に障害がある人、このカフェがきっかけで、手話や通訳介助について学び始めたという人まで実に様々です。
【カフェの中】
- 客1
- 初めて今日ここにきたのですけど、みなさん和やかでいきいきされてますね。こんなに楽しそうに話をしている、指を使ってはるんだけど、かなりびっくりです。
- 客2
- まだ私はあまり手話を知らないので、盲ろうの人とあいさつをしてても、ちょっとわからないけども、親切に、間違ってたら直してくれるし、簡単な会話だったら、もう、むこうが理解してくれる。
- 客3
- 本当にこちらが伝えたいなという意思があったら、相手に伝わるんだなっていうのもわかったし、最初は参加するのにドキドキしてたけど、最後まで本当、楽しく、終わることができて。
- 遠田
- (来ていた子どもに対して)何年生ですか?
- 子ども
- 小学校5年生です。
- 遠田
- そうですか。お母さんとお嬢さんですよね? どういうきっかけで今日はこちらにいらしたんですか?
- 母親
- メールいただいて今日も来ました。
- 遠田
- あの、実際に来てみてどうですかね?
- 子ども
- 盲ろうの人がいっぱいいてびっくりした。
- 母親
- 盲ろうの人がいっぱいいてびっくりしたって。みんな楽しそうにおしゃべりしてるね……。
- 遠田
- お嬢さんは耳が難聴ですか?
- 母親
- はい、そうです。
- 遠田
- 普段は盲ろうの方と接する機会っていうのは?
- 母親
- ないです。手話はできるけど、見えない人とのかかわりっていうのがなくて、でもなんか、ここにきたら、見えなくても聞こえなくてもみんな楽しそうにお友達と会ったりしているっていうのを見れて、また今回も行くっていうから。
- 遠田
- お子さんのほうから行くって?
- 母親
- はい。行く?って言ったら、うん行きたいって言って。
- 遠田
- カレーは美味しいかな?
- 子ども
- うん。
- 遠田
- じゃあ楽しんでね。ありがとう。
- 子ども
- ありがとう!
- 遠田
- いま白杖を持っていらっしゃいましたけど、目の見え方っていうのは?
- 客4
- もうほとんど見えないですね。緑内障ですね。
- 遠田
- じゃあ、中途ですか?
- 客4
- そうなんです。まだ1年半ぐらいですね、見えなくなって。あの、活気がある感じやなっていうのがわかりますね。
- 遠田
- 音で?
- 客4
- はい、そうですそうです。とても居心地もよかったし、話もしやすかったです。自分自身でできることもしないといけないとは思うんですけど、みんな、助けてもらいながら生きていってもいいんだなっていうことがわかったっていうことが、すごく収穫でした。
【カフェの中 終わり】