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テキスト版

「ふれあい」の喫茶店にいらっしゃい

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(2019年7月21日(日))

出演:井上智文さん(NPO法人兵庫盲ろう者友の会理事長)
   平井裕子さん(同事務局長)
司会:遠田恵子
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遠田
視覚障害ナビラジオ、お変わりありませんか? みなさん。遠田恵子です。
今週のこの時間は、「『ふれあい』の喫茶店にいらっしゃい」と題してお送りします。目と耳に障害のある、盲ろうの人たちが運営に参加する喫茶店が神戸にあります。お店の名前はカフェ・タッチ。盲ろうの人たちがくつろげる場所として、また地域の人たちとの交流の場所として注目されています。どんな人たちが、どんな思いで、このお店にやってくるんでしょうか。取材しました。

カフェ・タッチは、神戸市中央区にあります。普段はひょうご盲ろう者支援センターの事務所として使われている場所が、2カ月に1度だけ喫茶店に変身します。私が訪ねたのは、7月7日、七夕の朝。長机とパイプいすを並べただけのシンプルな店内で、11時の開店に向けてサラダ作りや飲み物の準備などが行われていました。看板メニューであるカレーの良い香りが漂っています。

【カフェの中】

スタッフ
おはようございます。いつものようにサラダの準備をお願いいたします。
遠田
中心となる盲ろうのメンバーは、3人です。それぞれの仕事を、スタッフの支援を受けながら進めていきます。
スタッフ
福田さんの今日やる仕事の内容。レタス、サニーレタスを洗って、ちぎって…。
遠田
弱視で聴覚にも障害がある福田麻美(ふくだ・あさみ)さん。40人分のサラダを担当します。
スタッフ
うん。いつもと同じね。ではよろしく。
遠田
野菜を切ったり洗ったり、手際よく作業を進めていきます。
その隣にひときわ目立つ姿の男性がいました。真っ赤なサンバイザーに真っ赤なエプロンがトレードマークの井上智文(いのうえ・ともふみ)さん、63歳です。このカフェを運営するNPO法人、兵庫盲ろう者友の会の理事長でもあります。井上さんは生まれたときから耳が聞こえず、病のため10年ほど前から視力も低下。ところどころ視野が欠けて、周りがよく見えません。手で手話を触る「触手話」で、周りとの意思疎通を行っています。この日も、通訳介助員、森田和子(もりた・かずこ)さんのサポートを受けながら、メニュー表を貼ったり、店の看板を出したりという仕事に精を出していました。
スタッフ
大きなメニューが2枚。小さいほうが6枚。
井上
はい、井上わかりました、オーケー。部屋に貼るんだね、部屋に貼るのと…。
森田
さっき霜出さんが説明したビラ、ビラはここにあります。ここです。
井上
下がいいかな。
森田
お任せします。どうしますか?
遠田
今どこにポスターを貼ったらいいのか、いろいろ通訳の方に聞きながら、場所を探しています。真ん中にある壁のあたりにポスターを貼るようです。

【カフェの中 終わり】

遠田
このカフェ・タッチが生まれたのは、一昨年2017年の9月です。
きっかけは、井上さんたちの強い思いからだったといいます。井上さんのお話、通訳は中村千鶴子(なかむら・ちづこ)さんです。

【インタビュー】

井上
盲ろうになって、友の会の、その支援センターですね。ここが建つまでは、寂しい気持ちを持っていましたし、盲ろうに対して、世間の方々が、理解とか知識とかがまだない現状ですので、知っていただくということ、みなさんに広めていくということが、非常に大事な役割だと思ったんです。また、盲ろう者自身が集まれる場っていうのも必要でしたし、居場所があれば、盲ろう者自身も変われる、明るくなると思っていました。盲ろう者も、一般の方々、市民と同じように社会参加ができる、そのことを目標にして、われわれも努力していかなくてはいけないというふうに思ったので、このカフェ・タッチを作ったわけです。

【インタビュー終わり】

遠田
午前11時、カフェ・タッチ、オープンです。この日のお客さん第1号は、友人と一緒に芦屋からやってきたという年配の女性。この方ご自身も耳が聞こえず、右目が見えません。カフェがオープンするのを心待ちにしていて、開店前に到着してしまったといいます。スタッフの通訳でお話をうかがいました。

【インタビュー】

遠田
こんにちは。
女性客
こんにちは。
遠田
ずいぶん早くいらっしゃいましたけど。
女性客
ああちょっとね、時間ね、早く来てしまいました。
遠田
このカフェ・タッチの、面白いところってどんなところですか?
女性客
楽しいですよ。おしゃべりとか、食事をしながら、みんなと楽しめる、交流ができるっていうのが。ケーキを食べて、みんなとお話ができるので、自由にできますしね。

【インタビュー終わり】