第26回全国盲ろう者大会、岩手県で開催される
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放送日:2017年8月27日
出演:高橋 信行さん(全国盲ろう者団体連絡協議会 会長)
大河内 直之さん(バリアフリー映画研究会 理事長)
聞き手:宇野 和博
高山 久美子
- 高山
- 最初に、全国盲ろう者大会の話題です。今月18日からの3日間、岩手県花巻市で、第26回全国盲ろう者大会が開かれ、盲ろう者206人と、通訳介助などの支援者505人のあわせて711人が参加しました。「全国の盲ろう者の生の声を聞く分科会」では、来年4月から新しく始まる、盲ろう者のための同行援護についての説明や様々な意見が交わされました。当事者で作る、全国盲ろう者団体連絡協議会・会長の高橋信行(のぶゆき)さんのお話です。
高橋さんインタビュー
- 高橋
- 盲ろう者に対する通訳ガイドヘルプですが、地域によって、かなりばらつきがあってですね、
手厚いサービスを受けられる地域もありますけども、そうでないという地域もあると。
そして、全体の量としても不足しているという、そういう問題点がありました。
そこで、来年度から、盲ろう者向けの「同行援護」が始められることになりました。
「同行援護」になると、受けられる時間数もずっと多く確保できますし、地域格差もかなり少なくなると思われます。正しく、盲ろう者向け同行援護のことを理解して、それを活用して、生活を豊かにしてくれるといいなと思います。
(インタビューここまで)
- 高山
- また、盲ろう者の日常を描いたドキュメンタリー映画「もうろうをいきる」が、
一般公開に先立って上映されました。
映画の制作にたずさわった、バリアフリー映画研究会理事長で全盲の
大河内直之(おおこうち・なおゆき)さんに伺いました。
大河内さんインタビュー
- 大河内
- 盲ろう者の日常を記録するということが大きな目的です。離島で暮らしていたり、被災地で暮らしていたり、普段はあまり注目されない盲ろう者の日常をぜひ皆さんに見ていただきたい、そして、盲ろう者という存在を知っていただきたいという意図が、この映画で一番伝えたかったことだと思います。
盲ろう者って、非常に大変だって思っていらっしゃる方も多いと思いますけど、もちろんたいへんなんですけど、でも、たいへんだからこそ充実したコミュニケーションがあったりとか、すごいいきいきと地域で生きていたりするということがよく伝わってくると思うので、ぜひ盲ろう者の言葉に耳を傾けていただきたいなと思います。
(インタビューここまで)
- 高山
- この映画は、UDCast方式で、西原孝至(にしはら・たかし)監督による音声解説と、日本語字幕も付いています。しかし、盲ろう者が見るには、やはり通訳は必要になります。そこで、今回は、90分の映画をあえて、前半と後半の2回にわけて上映し、じっくりと鑑賞することができました。感想を伺いました。
映画をみた盲ろう者の感想
- 男性A
- いろんな盲ろう者をとってるからいいと思う。一人暮らしになってもね、いろいろ工夫しながら料理やってるとかね。盲ろう者のことをアピールするのにいい映画やと思う。
- 女性
- とてもよかったと。私は全盲難聴なんです。盲ろう者一人で生きてる、生活していらっしゃるそういう場面もね、いろんなところの人を紹介してもらえるといいなと思っております。
- 男性B
- みんないろいろ工夫をして、まわりの人とかかわって、前向きでしたよね。そういうところをもっと皆さんに見て欲しいし、こんなふうにえがいてほしいよなって思いました。
(インタビューここまで)
- 高山
- ご覧になって、共感された方が多かったようです。
宇野さんもご覧になったそうですが、いかがでしたか。
- 宇野
- 私も知っている盲ろう当事者や関係者もたくさん出ていますが、本当に盲ろう者の普段の生活がよく分かる、素朴なほのぼのとした映画だと思いました。
- 高山
- そうですね。盲ろう者福祉の原点が何かを伝える、それを考えさせてくれる、しみじみとした映画だなと感じました。多くの方にご覧いただきたいですね。
映画「もうろうをいきる」は、昨日26日から、東京・東中野で公開され、
今後、渋谷、神奈川、愛知、大阪、沖縄でも上映される予定です。