第25回全国盲ろう者大会、ニュース内容
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- 高山
- 次に、全国盲ろう者大会の話題です。
今月19日からの4日間、福岡県北九州市で、第25回全国盲ろう者大会が開かれ、盲ろう者232人と支援者557人、運営を支えるボランティアを含めおよそ950人が参加しました。
一日目は開会式の他、盲ろう当事者による連絡協議会の発足10年を迎えての記念式典がありました。大会に来られなかった福島智さんからは、「身近な盲ろう者や、家に閉じこもっているまだ見ぬ盲ろう者のために、できることを何でもすることが大切です。そして、盲ろう者一人一人が人生をしっかり生き、やりたいことに挑戦して生活を充実させていきましょう」という、力強いメッセージが寄せられました。
2日目は6つの分科会がありました。参加者が一番多かったのは、全国の盲ろう者の生の声を聞く分科会です。司会を担当した、全国盲ろう者団体連絡協議会会長の、高橋信行さんに聞きました。
《会場でのインタビュー音声、ここから》
- 高橋
- 全国盲ろう者大会が、参加数がかなり増えてきていて、開催が難しくなっている現状です。そこで、どうすればこれからも開いていけるかということを、参加者の皆さんと一緒に考えるという分科会でした。参加費を値上げすればよいだとか、2年に一回にすればよいとか、通訳介助謝金をカットすればよいとか、主に財政的な問題を解決する方法について意見がでました。
- 高山
- やはりこの大会は毎年開いて欲しいというのがあるんでしょうか?
- 高橋
- 単に楽しみにしているというだけではなく、生きる希望になっているとか、新しい仲間作りの場であるとか、そういう意味合いを持っている大会ですね。とにかく、今のやり方では、ずっと続けることは無理なんですね。ですから、どこかをカットするとか、みんなが何かを我慢するとか、何らかの対策が必要なんですよ。で、いずれにしても、参加者がお客様として参加している以上、この問題は解決しないと思うので、まずはそこの意識改革が必要だと、わたしは感じているんですね。自分たちの大会だから、自分たちで頑張って維持できるようにしていこうと、協会に「おんぶにだっこ」ではもうダメなんだよということを、参加者にわかってもらいたかったんですね。まぁ、一歩は進めたかなと思います。
《インタビュー音声ここまで》
- 高山
- 大会では、通訳介助者派遣事業についても取り上げられました。派遣時間や利用条件など、地域によって格差があり、他にも様々な問題がある中、視覚障害者のための「同行援護」制度を盲ろう者も使えるよう、平成30年度からの実施を目指して制度の見直しが行われていることが、事務局から説明されました。また、厚労省の担当者からは、同行援護の従業者になるには最低20時間の研修が必要だが、通訳介助者の研修を受講済みの人はそのまま同行援護の従業者になれるよう検討していることが説明されました。盲ろう者の社会参加の機会が増えるよう、1日も早い実現が期待されます。