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男の下着×男性学

男はパンツに“しばられてきた”!? ふんどし、ブリーフ、トランクス…ほとんどの男が気にも留めてこなかった、男性下着の変遷から見える「男らしさの呪縛」とは。

「トランクスからボクサーブリーフへ そして男たちは…」

  • ナレーション:増田明美さん
  • アニメーション:冠木佐和子さん

男はみんなブリーフ。そんな時代に新たな大波としてやってきたのが、トランクス。1980年代、バブルに浮かれた時代。男たちに求められたのは、女性の目を引くことだったと男性学の研究者はいいます。

(千葉大学 社会科学研究院 特別研究員 西井開さん)
「(当時は)恋愛結婚の方が増えてくる時期。時代の移り変わりの中で、男性も選ばれる側になった。その時にトランクスは、色もあったり柄もあったりという風に、ファッション性を担保するものとしてあったのかもしれません。その反対に、白色一色のブリーフはダサいと。」

メディアはこぞって、異性の気を引くノウハウを特集。モテるためには、下着もオシャレに。ブリーフはいつの間にか“ダサい男”の象徴になっていきます。当時の雑誌の記事をみると…「白いブリーフって、いかにも童貞がお母さんから買ってもらったみたいでダサい」「サイズや大きさがハッキリわかるのって、つまらないわよね」。まるで強迫観念に駆られるように、ブリーフ男子たちは一斉にトランクスに、はき替えていきました。

2000年代になると、古来より一強だった男の下着に、ついに変化の兆しが。きっかけを作ったのは、ボクサーブリーフ。ブリーフのフィット感とデザイン性を併せ持つ下着です。21世紀、個性の時代。男たちは、はきたい下着を自ら選びとり、時にチラ見せしながら自分を表現するようになっていきました。2008年に行われた「男性の心理と下着に関する意識調査」では、「自分で下着を選ぶ」と答えた男性が58%。実は91年の別の調査では、たった10%だったのです。2022年の調査による最新の勢力図は、ボクサーブリーフが46%、トランクスが26%、ブリーフが14%。根強いブリーフ派も、いるんですね。

そして今や、男の下着は革命期。大手下着メーカーが、この夏目玉として売り出すのは、「ふんどし」風の下着。そしていま売れ筋なのが、男性向けのレース下着。発売後わずか10日で、完売しました。このレース下着を愛用しているという男性によると…

(会社員の20代男性)
「すそが他のパンツと違って折り返して縫っていないので、パンツに凹凸が響いてこない」 「人の目を気にして選ぶというよりは、自分を表現するというか、形作るものの一つというか、自分がいいと思ったものを選べる状況になってきているから選んだ」

(千葉大学 社会科学研究院 特別研究員 西井開さん)
「男性下着の変遷は、これがあるべき男性下着だ、みたいな形で提示されて、ずっとそれが維持されて、そのせいで男性たちの欲望とか快適さみたいなものが、ちょっと押し込められてきた歴史でもあるのかなと思っています。男性下着がいま、色んなものが出てきているということが、解放までは言わないですけど、正しさの檻みたいなものから、少し逃れるようなタームに入ってきているのかなという風に感じます。」

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