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春画×社会心理学

めくるめく男女の愛の営み…ちょっと恥ずかしくなってしまう描写も盛りだくさんの江戸時代の春画。でも当時は、男も女も、子どもまでもが見ていたんだとか。どんな気持ちで見ていたの!?

「江戸時代 老若男女みんなで春画!?」

  • ナレーション:増田明美さん
  • イラスト オタミラムズさん

「春画」。それは江戸時代に流行した、“性の交わり”を描いた浮世絵のこと。実はあの有名な喜多川歌麿や、葛飾北斎もよく描いていたんです。こうした春画を、上智大学の心理学科教授で社会心理学が専門の樋口匡貴さんに見てもらいました。樋口先生、いかがですか?

(樋口さん)
「やっぱりここで、撮影の人に囲まれてみるのってどうしたらいいんだろうって感じになりますね。恥ずかしいですね。僕は視線を春画にやっていますけど、つい周りを見たくなりますね。」

周りに人がいると、やっぱり恥ずかしいですよね。そう感じるのには理由があると言います。

(樋口さん)
「性みたいなものが目の前に置かれたときに、どういう顔をしてそれとつきあったら良いか分からない。“他の人から変な風に思われちゃうんじゃないか”。このどう振舞ったら良いか分からない、混乱する感じが恥ずかしいという感情だという風に考えることができます。」

そのため、恥ずかしいからこそ、エッチなものは、こっそり見なければならないと私たちは思い込んでいます。しかし…

(樋口さん) 「何を恥ずかしいと感じるかみたいなことは、やっぱり時代とか価値観とか、社会の在り方とかによって変わっていくと思う。」

では、春画が流行った江戸時代は、性をどのように捉えていたんでしょうか?春画をはじめとする江戸文化を研究する、京都精華大学人文学部の特別研究員・鈴木堅弘さんに聞いてみました。

(鈴木さん)
「(春画は)現代のポルノとはまた違って、秘すべきものと言うよりも、身近なものであったと思います。社会的にそうしたものを閉じ込めたり、排除したりというのではなくて、ごく当たり前のこととして、受け取られていました。」

江戸時代、春画は人々が貸本屋でこぞって借りる身近なものでした。男性だけでなく、女性、そして、子供までもが気軽に楽しんでいたんだそう。時に性をコミカルに描いたスタイルから、「笑い絵」とも呼ばれていました。例えば鈴木春信の「風流艶色真似ゑもん」は、小さくなった男が、夜な夜な他人の情事をのぞき見ては、セックスの奥義を極めんと旅する物語。そして、歌川国貞と為永春水による「春色初音之六女」は…性器と顔が入れ替わっている!?春画を江戸の人は、おおらかに楽しんでいたんですね。さらに大勢で楽しむ、春画すごろくもありました。遊郭にとまるコマでは「女房が迎えに来た、ふりだしに戻る。」などと書かれています。中には、親が嫁入り道具として渡すものもあったのだとか。春画は性教育のツールとしても使われていたんですね。

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