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マスターベーション×言語学

マスターベーション、自慰、オナニー、セルフプレジャー・・・なぜこんなにたくさん呼び名があるの?辞書編さん者の飯間浩明さんと、その豊かな言葉の世界を辿ります!

「セルフプレジャーへの道」

  • ナレーション:高山みなみさん
  • アニメーション:冠木佐和子さん

年齢や性別にかかわらずマスターベーションをするのは自然なこと。一方で人前では話題にしづらいという人の心理が働いた結果、マスターベーションを表す言葉がたくさん生まれました。(詳しくはこちら)

日本語を長年見つめ続けてきた辞書編さん者の飯間浩明さん、マスターベーションを表す数々の言葉を眺めていて、あることに気が付きました。男性の行為を指す言葉はたくさんあるけれど…女性については少しだけ。
しかも、「せんずり」という男性の行為を表す言葉に、「ぼぼ」や「さね」という女性器の名称を付け加え、「ぼぼせんずり」「さねせんずり」と男性の行為を表す言葉を転用しただけというものも。

(飯間さん)「現代でも例えば、男性の場合は『弁護士』だけど女性だと『女弁護士』と呼ばれたり、医師の場合は男性のことは『お医者さん』だけれども、女性の場合は『女医さん』と呼ばれたりすることがあります。別に女とわざわざ言わなくても通じるけれども、女弁護士や女医と言って、特に女性ということを明示する言葉って結構あります。同じように『ぼぼせんずり』や『さねせんずり』には特に女性の自慰をいうというようなニュアンスがあって、それは珍しいことなんだっていうふうに考えられたのではないでしょうか。当時は女性が語るなんてはしたないという、そういう意識があって、結果的に女性のマスターベーションを表す隠語がそんなにできなかったんじゃないかと思います。」

そしてこの数年、女性向けファッション誌などを中心に新しい言葉が使われ始めています。それが「セルフプレジャー」です。
この数年、広がり始めている言葉ですが…

(飯間さん)「初めて聞きました。つまりプレジャーですよね。自分で楽しむということですから、何か影のない言葉で非常にいいですよね。辞書に載せる言葉を集めるために、いろんな女性誌を読んでいたつもりなんですけど、なんでこういう言葉を知らなかったかなというのは反省点ですね。女性誌は読むんだけれども、まあ性の特集まで読まなくていいだろうっていう、ちょっと辞書編さん者としては怠慢だったと、少し反省しております。」

実は世界では、マスターベーションについて性教育の中できちんと伝えようという動きが始まっています。ユネスコが編集した性教育のガイドラインには、思春期かそれより前からマスターベーションをするのは自然なことだということ、プライバシーが守られる場所で行われるべき行為であることなどを伝えるように記されています(『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』ユネスコ編)。

産婦人科医の宋美玄さんは「セルフプレジャー」という言葉は、マスターベーションへの抵抗感を下げるのに一役かっていると言います。

「卑わいな感じが全くなく表現できる言葉なので、患者さんでもセルフプレジャーっていう単語を使われる方も結構増えました。学校の性教育では、男子にマスターベーションの仕方を教える先生は結構いるようです。男子もマスターベーションの仕方を間違えると、強すぎるグリップのせいで膣内射精障害になることもあるので、非常に大事なことです。性教育の段階で、女子にも淡々と、『女性もこういうことをするのは普通ですよ』っていうことを話されるべきだと思います。自分の体をマネジメント、管理する意味で、性欲とか性感とかを自分で掘り下げていくっていうのは、後々の性機能障害のリスクを減らすと言ってもいいと思います。」

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