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みんなのQ&A

更新日時:2023年1月17日

場面緘黙Q&A 原因は親の育て方でしょうか?

Q 親の育て方や家庭環境による影響は?

子どもが場面緘黙なのは、育て方が間違っていたからでしょうか?周りからは、子どもに対して「過保護」なのではと言われています。

A 「家庭環境のせい」と考えるのは誤解。子どもの支援は家庭と学校が協力することが大切です

場面緘黙を「家庭環境のせい」と単純に結びつけて考えるのは誤解です。過去には「虐待」や「トラウマ」に関連付けられてきましたが、研究ではほとんどの子どもに関連がないことがわかり、海外メディアでも啓発が盛んにおこなわれています。

学校の先生は「親の過保護のせい」と考えがちです。しかし、子どもが人前で話せなければ、親が心配になるのは当たり前です。過保護だと批判されることを恐れて、必要な支援まで控えないようにしましょう。先生は、子どものできている行動に注目し、親に伝えてあげてください。親と先生が協力して取り組むことで、子どもに必要な支援が始められます。

場面緘黙の子どもは、不安になりやすい繊細な気質をもつことが多いですが、親も同様の気質をもつことが多いです。親は、子どもの不安と親の不安を区別しましょう。子どもの不安を取り去るのではなく、「不安を持ちながら行動する力」をつけます。不安に対処する力を子ども自身がつけるのを助けます。子どもの不安が高まらないように先回りしたり、子どもの話す機会を奪うことがないようにします。

場面緘黙の治療は、家庭の会話を家庭外の会話へと広げていくことが基本なため、家庭での会話を増やすことも大切です。例えば、家庭では、子どもが発話するまで5秒程度待つことを心がけましょう。子どもが話せたときは、子どもの言葉をそのまま繰り返し、すぐに褒めてあげるとよいです。(先生も、子どもの行動や発話を5秒程度待つ対応がよいでしょう。ただし、先生が大げさに褒めると、かえって子どもは話せなくなることもあるため、自然な反応がよい場合もあります)

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