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みんなのQ&A

更新日時:2023年9月7日

学習障害Q&A 学習障害とはどんな障害ですか?

Q 学習障害とはどんな障害ですか?

最近、テレビなどで「学習障害」という言葉をよく耳にしますが、小学生の子どもが特定の教科が苦手なため学習障害ではないかと心配です。どのような障害なのでしょうか? 知的障害や発達障害と関係があるのか気になります。

専門家による回答

竹田 契一 学習障害とは知的な発達に遅れはないが、読む、書く、計算、話す、聞くなど特定の能力の習得や使用に著しい困難がある状態をいいます。

医学上の定義では、学習障害は発達障害の一つに分類され、「限局性学習症・限局性学習障害」(SLD)とも呼ばれています。LD(学習障害)と呼ばれることもあり、全般的な知的発達の遅れをしめす知的障害とは別のものです。

実は「学習障害」はさほど珍しい障害ではありません。どれくらいの割合でいると思いますか?
割合を示す明確なデータはないのですが、有力な手がかりがあります。
2022年に文部科学省が発表した調査(※)によると、公立小・中学校の通常学級において「知的発達に遅れはないものの学習面で著しい困難を示す」とされた児童生徒の割合は6.5%と推定されています。

この6.5%という数字は、「学習に著しい困難を抱えている児童・生徒」の割合であって、「学習障害のある子ども」の割合ではないことに注意が必要です。しかし、6.5%のうちの少なくない数が、学習障害と呼べる状態なのではないかと考えられています。つまり35人のクラスに2人ぐらいいても不思議ではなく、珍しい障害ではない、といえそうです。

※文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」 (令和4年12月13日)より

「学習障害」は、苦手としている分野によって、読むことに困難があるタイプ、書くことに困難があるタイプ、数の理解や計算などに困難があるタイプがあります。それが単独で出る場合よりも、併せ持って出る場合の方が多いです。

たとえば、読むことと書くこと両方に困難を抱えるタイプも多く、その場合は「発達性読み書き障害」と呼びます。また、他の発達障害の特性である「不注意」や「ワーキングメモリ(※)の弱さ」などを併せ持っていることもあります。

「学習障害かどうか」だけではなく、子どもがどこにつまずいているかを知ることが子どもを理解する上で大切です。

※ワーキングメモリ:脳の前頭前野の重要な働きのひとつで、必要な情報を一時的に記憶し、処理をする脳の機能
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