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ろうを生きる 難聴を生きる▽青春!全国高校生手話パフォーマンス甲子園2※字幕

    10月「全国高校生 手話パフォーマンス甲子園」が開催されました。手話による演劇、ダンス、歌などを披露し、手話の正確性や表現力を競い、日本一を決定します。番組では2チームに密着、ろう学校と聞こえる生徒が1つのチームとして挑んだ、東京の合同チーム。言葉の壁を乗り越え、一丸となるステージを目指します。もう1チームは2度の優勝経験がある強豪、奈良ろう学校の演劇部です。後編では本大会の模様を放送します。

    出演者ほか

    【語り】高山久美子

    番組ダイジェスト

    青春!全国高校生手話パフォーマンス甲子園2

    「46億年のはるか昔に誕生した地球。」

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    手話のセリフを特訓する高校生たち。彼らが目指す、年に一度の大舞台があります。今年(2018年)で5回目を迎えた、全国高校生 手話パフォーマンス甲子園です。

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    手話を使った演劇やダンス、歌など演目はさまざまです。手話の正確さと表現力を競い、日本一を決定します。今年は過去最多となる62チームがエントリー。予選を勝ち抜いた20チームが本大会に出場しました。
    番組では2週連続で、大会に挑む高校生の様子を放送しています。

    富士森高校 山本彩夏さん
    「山本彩夏です。」

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    聞こえる生徒、そしてろう学校の生徒がタッグを組んだ東京の合同チームです。挑戦するのは阿波踊り。両校の生徒が一丸となった舞台を目指します。練習を重ねるにつれ、言葉の壁を越え、仲良くなっていく生徒たち。しかし、主役の女の子が輪の中に入れず、孤立していました。

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    今回、彼女が新たな課題に直面します。

    立川ろう学校 教諭 柴崎昌弘さん
    「恥ずかしいのが残ってる。自分の殻を破んなきゃダメだよ。恥ずかしさが残ってたら、見てる人は感動しないからね。」

    昨年、優勝に輝いた奈良県立ろう学校。

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    持ち味は、見事な手話の表現力。優勝候補の筆頭です。

    「みんなと違うんだって思われたくない。」

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    しかし前編では、演技が制限時間に収まらないという問題が起こっていました。

    演劇部 顧問 綿井朋子先生
    「9分58秒。」

    坂本拓登くん(1年)
    「え!?」

    演劇部 顧問 綿井朋子先生
    「やばいなー。」

    果たして優勝の行方は…。
    いよいよ本大会。繰り広げられた高校生たちの熱い戦いを追います。

    聞こえる生徒と聞こえない生徒がタッグを組んだ東京の合同チームです。練習を重ねて3か月。手話で雑談するほど生徒たちの距離は縮まっていました。

    「『鳥』に『取る』で『鳥取』。」

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    その輪の中には、当初、聞こえる生徒とうまく話せず孤立していた染谷さんの姿もありました。もともと、踊りの腕前はチーム1。指導役も積極的にできるようになっていました。

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    主役としての自覚が、染谷さんを成長させたのです。

    立川ろう学校 染谷百音さん
    「主役を務めるのは初めてだけど、一生懸命頑張らなきゃと思ったので、一生懸命指導しました。」

    本番で重視される手話表現の特訓が続きます。染谷さんは今回、聞こえる人にも伝わりやすいよう、声を出しながら手話をしようと決めていました。

    「10年間踊ってるけど、まだまだだ。」

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    本番一週間前。ろう学校の先生や生徒たちを前にリハーサルに臨むことになりました。染谷さんは、熱中してきた踊りの楽しさを伝えたいと、懸命に練習を重ねてきました。

    立川ろう学校 教諭 柴崎昌弘さん
    「それでは、どうぞ。」

    大きく、ゆっくり、正確な手話。そして表情も加え、役の感情を伝えます。

    「インターネットで何か探してみる?」

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    次は、主役の染谷さんの出番です。声を出すと決めていましたが、出ませんでした。

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    なにより表情が硬く、練習の成果を出せていません。

    立川ろう学校 教諭 柴崎昌弘さん
    「あなたが自由にやればいい。自分が表現しやすい方法でやっていい。声出してもいいし出さなくてもいい。自分の殻を破んなきゃだめだよ。恥ずかしいとかさ、もう捨ててそれ。恥ずかしさが残ってたら、見てる人は感動しないからね。」

    本番はさらに多くの観客がいます。大勢の前で自分らしい表現をする勇気が求められていました。

    去年(2017年)の優勝校、奈良ろう学校では、制限時間との戦いが続いていました。持ち時間の8分に演技が収まらないのです。

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    本番前、最後の通し稽古に挑みます。部長の中山海人くん。去年優勝を経験し、「手話」で人を感動させる、その可能性の大きさを強く感じました。

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    今年は後輩たちに、それを伝えるのが役目だと考えています。

    部長 中山海人くん(2年)
    「僕たち3人で優勝をとること。自分の演技がお客さんにちゃんと伝わるように演技を頑張りたい。」

    演技の迫力と制限時間の両立。大きな壁に3か月をかけて挑んできました。
    最後の通し稽古が終了。果たして時間は…。
    大きな手ごたえをつかみ、本大会に挑みます。

    10月7日、決戦の日がきました。審査のポイントは、手話の正確性と表現力です。大会は今年で5回目。年々参加チームが増え、レベルはどんどん上がってきています。
    出番を待つ東京の合同チーム。

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    主役の染谷さん「聞こえる人の前で尻込みしてしまう自分を変えたい」と挑んだ大舞台。何かをつかむことはできるのでしょうか?

    まずは文化祭のテーマを話し合う高校生たちのセリフです。

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    「私はみーんなと一緒にダンスがしたい。」

    「大阪の有名な高校のダンスがしたい。」

    手話と表情、普段の仲の良さが演技の中でも自然に出ています。そして染谷さんの出番です。

    「5歳から始めた。でも文化祭でやるの?」

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    声が出ました。

    「リズムは太鼓の音を体で感じている。踊りは見てまねて体に刻んでる。好きだから、楽しいから。」

    踊りを通して得られた喜び。主役として大勢の人に、それを伝えたいという熱い思い。精一杯、セリフに込めます。
    そして一番の見せ場、阿波踊りです。

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    最後は聞こえる生徒たちと一緒になって踊る楽しさを存分に披露しました。

    「阿波踊りって楽しい。見てくれる人みんなを元気にしたい。」

    そこにはもう恥ずかしがり屋の染谷さんはいませんでした。

    優勝候補、奈良県立ろう学校です。33年前、日航機墜落事故の犠牲となった、歌手、坂本九さんのストーリーを演じます。

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    手話の表現力に加え、全身を使った迫力の演技で、悲しみや葛藤を表現していきます。

    「どうしてだ。嘘だ。一緒に歌おうと思ってたのに。」

    「僕なんか生きてても意味がない。」

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    「生きよう。彼の夢を叶えるために。」

    最後は、坂本九さんの歌に合わせて手話歌を披露します。

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    しかし、音楽がならないという、まさかのトラブル。それでも3人は動じることなく、自分たちの言葉、手話に思いを込め、見事に歌いあげます。
    制限時間を超えることなく演じきりました。

    いよいよ審査結果の発表です。まずは特別賞から。

    「立川ろう学校と富士森高等学校、合同チームです。どうぞステージの中央へ。」

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    「おめでとうございます。」

    聞こえる生徒と聞こえない生徒の息の合った演技が高く評価されての受賞となりました。

    「いよいよ優勝チームの発表です。栄冠はどのチームに輝くのか。」

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    「沖縄の真和志高等学校です。おめでとうございます!」

    初優勝を勝ち取った、沖縄の真和志高校、手話部の13人です。戦争をテーマにしたダンスと演劇を披露しました。

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    「今の時代に生まれていたら、あの人と結婚できたかね。」

    「食べるものもなくて、ひもじくて、やっと生き残ったのに、余計つらかったさ。」

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    奈良ろう学校、自分たちの演技をやりきった満足感がありました。

    部長 中山海人くん(2年)
    「結果は結果だから、来年こそは優勝をとれるように頑張りたい気持ちが今あります。」

    合同チームはみんなで喜びをかみしめていました。

    富士森高校 吉永沙文花さん
    「(はじめは)不安だったんですけど、時がたつにつれてめちゃめちゃ仲良くなって、今では寂しいです。」

    年に一度の大舞台、手話パフォーマンス甲子園。手話に青春をかけた高校生たちの熱い日々は、また来年に続きます。

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