【出演】菓子教室講師…伊藤ホサナ,長谷川翔平,【語り】高山久美子
もうすぐクリスマス!
今年は手作りケーキに挑戦してみませんか?
ということで、手話でクッキング!
調理のポイントを、手話でわかりやすくお伝えします。
「『象』の手話を使います。」
ケーキづくりに「象」の手話?
あ!せっかく焼いたスポンジを!
「びっくりしましたよ、急に落とすから。」
実はこれ全部、大事なコツなんですよ。
「いい感じ。上手ですね。」
「よかった!頑張ったぞ!」
「スタート!」
ろうの芸人 デフW 長谷川翔平さん
「どうも!ろうの芸人・デフWの長谷川翔平です!きょうはクリスマスにピッタリの、スイーツレシピを紹介します。教えてくれるのは、お菓子教室の講師をしている伊藤ホサナさんです。」
菓子教室講師 伊藤ホサナさん
「よろしくお願いします。お菓子作りはやったことはありますか?」
長谷川翔平さん
「お菓子作りの経験はないです。食事を作ることはありますが、鍋に火をかけているときに、ほかのことに気を取られて吹きこぼしちゃうことも多いです。」
伊藤ホサナさん
「わかります!」
長谷川翔平さん
「きょう、ホサナさんに教えていただくのは、ほうれんそうのショートケーキですよね?」
ご紹介するのは、いちごと生クリームのケーキ!
スポンジにほうれんそうを練り込んで、見た目も鮮やかに仕上げます。
長谷川翔平さん
「スポンジの緑といちごが赤くて、クリスマスらしいケーキですね。」
長谷川翔平さん
「ケーキの土台、スポンジ作りです。材料は3つです。卵3コ、きび糖90グラム、薄力粉、きび糖と同じく90グラムです。」
伊藤ホサナさん
「まず卵を割り入れます。卵ときび糖をボウルに入れたら、なじむまで混ぜましょう。」
ここでホサナさんが取り出したのは、お湯の入ったボウル。
【ホサナのワンポイント】
伊藤ホサナさん
「ここでポイントがあります。『卵は熱いお風呂が大好き』なんです。」
長谷川翔平さん
「待ってください!卵は熱いお風呂が好きなんですか?熱いと、かたまっちゃうんじゃないですか?」
伊藤ホサナさん
「大丈夫なんですよ。卵には「お風呂」!つまり湯煎しながら混ぜるんです。卵は冷たいままだと、うまく泡立ちません。温めることで卵がやわらかくなって、しっかりと泡立つようになります。」
伊藤ホサナさん
「白っぽくふんわりするまで、泡立てていきましょう。生地をたらしてみて、少し跡が残るくらいが目安です。」
伊藤ホサナさん
「次に薄力粉を加えます。事前にふるっておき、全体にまんべんなく入れましょう。」
伊藤ホサナさん
「次はヘラでかき混ぜます。」
【ホサナのワンポイント】
この混ぜ方に、意外なポイントがあるんです。
伊藤ホサナさん
「混ぜ方は、“『象』の手話”がありますね。その動きと同じようにかき混ぜます。」
長谷川翔平さん
「なるほど~、こういう動きですね。」
伊藤ホサナさん
「ヘラを立ててボウルの底まで入れたら『象』の手話の動きで手首を返し、すくい上げるように混ぜていきます。」
長谷川翔平さん
「僕だったらこぼしちゃいますよ。」
伊藤ホサナさん
「象のイメージでやれば大丈夫ですよ。次に、ほうれんそうペーストを生地に入れていきます。」
なんとも鮮やかな緑色!生地に練り込むことで、ケーキがぐっと華やかになるんです。
伊藤ホサナさん
「材料は、ほうれんそう50g。菜種油25gです。」
伊藤ホサナさん
「ゆでたほうれんそうは、冷まして水けを絞り、切ってボウルに入れて、菜種油を加えます。ハンドブレンダーで、ペースト状になるまでつぶしたら出来上がり。生地作りの前に用意しておきましょう。」
伊藤ホサナさん
「これも先ほどと同じように『象』の手話で、かき混ぜていきます。」
長谷川翔平さん
「少しずつ緑色に変わってきましたね。」
伊藤ホサナさん
「目で見て楽しむのも大切ですね。生地をオーブン用の紙をしいた、ケーキ型に流し入れます。」
伊藤ホサナさん
「次に…。」
長谷川翔平さん
「待って下さい!?落とすんですか?」
【ホサナのワンポイント】
そう。これも大事なポイントです。
伊藤ホサナさん
「落とさないまま焼くと、生地の中に泡が入ってしまいます。温度が高くなると泡が大きくなり、スポンジに大きな気泡が入ってしまうんです。だから気泡をつぶします。」
長谷川翔平さん
「焼く前にきちんと、中の空気をなくしてから焼くんですね。びっくりしましたよ急に落とすから。」
伊藤ホサナさん
「こちらを180℃に予熱したオーブンに入れて、30分焼きます。」
「スタートしました。」
焼き上がるまで、ちょっと一息いれましょう。
長谷川翔平さん
「クリスマスで人が集まったときに“ろう者あるある”ありますか?」
伊藤ホサナさん
「クリスマスに外食に行くと、テーブルの真ん中にきれいなお花や、ろうそくが飾られていますよね。対面で座ったとき、相手の顔(手話が)見えないんですよね。本当にきれいな飾り付けがしてあるのに、それをどかして話さなきゃいけないことが多いんです。」
長谷川翔平さん
「クリスマスだと、おしゃれなレストランに行ったとき、おしゃれなんだけど、ちょっと店内が暗くて(手話が見えなくて)しゃべりにくいので、とりあえず食べて外に出てからしゃべるということがありますね。」
伊藤ホサナさん
「なるほどね~。」
【30分後】
長谷川翔平さん
「すごいふくらんでる!」
伊藤ホサナさん
「いいですか?」
長谷川翔平さん
「また落とすんですか?」
伊藤ホサナさん
「落として空気を抜いて、気泡をつぶしておくんです。そうするとスポンジが、ふわっとしたままになります。」
長谷川翔平さん
「ふわふわにするためには、中の空気をつぶす必要があるんですね。」
伊藤ホサナさん
「このまま冷まします。」
そして、ホサナさんイチオシが、このキャラメルソース!味わいがワンランクアップするそうです。
伊藤ホサナさん
「材料は、グラニュー糖40g。水10ml。生クリーム50ml。」
伊藤ホサナさん
「グラニュー糖と水を鍋に入れ、中火にかけます。濃い茶色になってきたら、火を止めます。生クリームを加えて混ぜたら完成です。」
伊藤ホサナさん
「スポンジは3等分に切ります。」
伊藤ホサナさん
「キャラメルソースを塗ることで、香ばしさとコクが加わって奥深い味になりますよ。」
伊藤ホサナさん
「次にケーキに重要なクリームの作業です。」
長谷川翔平さん
「いよいよですね。」
伊藤ホサナさん
「きれいに作らないといけませんね。」
長谷川翔平さん
「そうですねかっこよくしないと。」
伊藤ホサナさん
「生クリーム600ml(脂肪分35~38%)を入れたボウルを、氷入りのボウルに重ねます。」
伊藤ホサナさん
「きび糖50gを加え、ミキサーで泡立てます。必ず冷やしながら泡立ててください。常温のままだと、クリームが分離してしまいますよ。」
伊藤ホサナさん
「最後は手で、クリームのかたさを確かめながら泡立てます。持ち上げてツノが立つくらいのかたさになったらOKです。」
長谷川翔平さん
「ボタッと、たれ落ちちゃったら、だめなんですね。たれなかったらOKということですか。なるほど。」
伊藤ホサナさん
「スポンジにクリームを平らにぬったら、半分に切った、いちごを対角線上に並べていきます。」
伊藤ホサナさん
「長谷川さん、やってみますか?」
長谷川翔平さん
「僕?できるかなあ?」
伊藤ホサナさん
「左手で押さえて右手で。ナイフをまっすぐにして。」
伊藤ホサナさん
「いい感じ、上手ですね。」
長谷川翔平さん
「よかった!頑張ったぞ。」
伊藤ホサナさん
「最後に私が仕上げをします。ナイフの先にクリームをのせて、全体が同じ厚みになるようにぬっていきます。仕上げに使うクリームは、少しやわらかめに泡立てておくと、きれいに仕上がりますよ。」
伊藤ホサナさん
「続いてクリームを絞って飾り付けます。」
【ホサナのワンポイント】
ラストは絞り方のポイントです。
伊藤ホサナさん
「手を上にあげるタイミングが大事です。絞り出したクリームが丸く盛り上がってきたところで…持ち上げる!盛り上がってきたら…持ち上げる!きれいな形に絞れますよ。」
伊藤ホサナさん
「最後にいちごと、クリスマスの飾りを並べたら、ほうれんそう入りクリスマスケーキ、完成です。」
では、お味見です!
長谷川翔平さん
「うまーい!」
長谷川翔平さん
「クリームが甘すぎなくて、ちょうどいいですね。クリームといちごとほうれんそうの味が、融合しているような感じ。生クリームの味のあとに、キャラメルソースの味が重なってきておいしい。これはうまい!」
伊藤ホサナさん
「みなさんクリスマスに、ぜひケーキを作ってみてください。」
長谷川翔平さん
「ぜひ作ってみてくださいね。」