生命操作 -復刻版-

ケーススタディ30例

12 「たくさんは産めない」

1997年11月、アメリカ・アイオワ州で七つ子が誕生した。ボビー・マコイとケニー・マコイ夫妻は一人目の子どもを排卵誘発剤を使って出産していたので、二人目が欲しいと思ったときも同じ排卵誘発剤を使った。
ところが、妊娠途中で七つ子であることがわかった。担当医は減数手術をおこなうこともできると夫妻に説明した。しかし、共にクリスチャンだった二人はそれを拒んだ。そして帝王切開で、7人が全員無事に生まれた。

多胎妊娠になる原因は、排卵誘発剤の使用と体外受精である。
日本では、長野県の産婦人科医、根津八紘医師が減数手術をおこなっていることを公表している。
根津医師は、70年代後半から不妊症の女性に対して排卵誘発剤を使っていたところ、1982年、一人の女性が4胎妊娠となった。根津医師のすすめによりそのまま妊娠を継続した結果、生まれた4人のうち一人が脳性小児麻痺となった。この出産が契機となり、根津医師は減数手術を始めることにした。 根津医師がおこなっている減数手術は、妊婦の腹部に針を差し込み、胎児に塩化カリウムを注入して死亡させるという方法である。根津医師は1997年までに280 件の減数手術をおこなった。
今では、体外受精の際、子宮に戻す受精卵の数を特別な場合を除き、原則1個に制限するようになってきている。しかし、根津医師がこれまでおこなった280 例のうち、半数は、排卵誘発剤だけが原因で多胎妊娠になっていた。このことから、体外受精で子宮に戻す受精卵の数を制限しても、排卵誘発剤を使っている限りは多胎妊娠はなくならないだろうと根津医師は考えている。
根津医師は、多胎妊娠は不妊治療の結果起こることであり、医師が責任を持って母子を助けなければならない、そのときに、全ての胎児を中絶するよりは、一人でも命を救うために減数手術をおこなうべきだと考えている。

あなたは減数手術についてどう思いますか。

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