生命操作 -復刻版-

ケーススタディ30例

04 「凍結受精卵、いつまで保存?」

1998年2月、アメリカ・ロサンゼルス近郊の病院で7年半凍結保存されていた受精卵から男の子が誕生した。ビリーというニックネームが付けられたその子どもの両親は54歳の男性と44歳の女性で、二人は1990年に、同じ病院で体外受精をおこない、男の子を出産していた。夫妻は、余った卵は廃棄処分になっていると思っていたが、97年に保存されている事実を知り、出産を決めたのだった。

1998年に調べた時点で、ニューヨーク、南カリフォルニア、ヒューストンと、アメリカのあちこちの医療センターは、多い所で数千個の凍結受精卵を抱えている。多くのセンターが200 から300 ドルの年間維持費を両親に請求している。シカゴ・ケント法学校の、ローリー・アンドリュース教授によれば、アメリカ全土で年間1万個ずつの受精卵が蓄積され、その数は少なくとも合計5万個に達している。
いくつかのセンターでは、これらの凍結受精卵をどう扱うか、カップルに決めさせようとしている。センタ-から尋ねられた彼らのうち、ほとんどの人は、受精卵を保存しておくか、さもなければ他の不妊症の人びとに提供したいと答えた。しかし、凍結受精卵を欲しいという希望者は、非常に少ない。

イギリスでは、1991年施行の法律によって原則的に5年間保存された凍結受精卵は、処分することになっていた。
この法律に従って、1996年、イギリス各地のクリニックに冷凍保存されていた受精卵のうち、3000個以上の受精卵が解凍され、焼却された。
同じ年、この法は改正され、保存期間は5年から10年に変更された。

日本では・・

日本産科婦人科学会では、受精卵の保存は「生殖年齢を超えない」としており、凍結受精卵の保存期間を定めることはしていない。

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