生命操作 -復刻版-

ケーススタディ30例

01 「求む!ノーベル賞受賞者の精子」

精子バンクの登場で、精子はより高い付加価値をつけて売買される商品となった。

精子の売買が最も盛んにおこなわれているアメリカには、およそ150 の精子バンクがあるといわれている。バンクに登録された精子提供者のリストには、提供者本人の身長・体重・肌や眼、髪の色といった身体的特徴から、人種・血液型・宗教・学歴・職業・趣味などがドナー番号と一緒に載っている。精子を買う人がバンクに支払う値段は、授精1回分が100 ~200 ドル位である。
かつて、カリフォルニア州に、「ノ-ベル・バンク」の異名を持つ精子バンクがあった。提供者のほとんどが科学者で、いずれも知能指数130 以上の男性たちだった。このバンクの精子の値段は3000ドル。バンク設立以後、16年間で223 人の子どもが誕生した。
ロサンゼルス郊外に住むアフトン・ブレイクさんは、独身のままで子どもを産む決心をし、このノーベル・バンクを利用した。アフトンさんが選んだ精子提供者の知能指数は非常に高く、1982年に生まれた子どものドロン君の知能指数は180~200 だった。ドロン君は2歳半でコンピューターを組み立て、6歳で「ハムレット」を読んだ。母親のアフトンさんは、「私の相手(ドナー)は科学者で、スポーツ万能に加え、クラシック音楽に精通していました。私の好みにぴったりで、実際に会うことなく私は恋に落ちたようでした。そして40歳で妊娠し、このすばらしい子どもを産みました」と語っている。ドロン君も自分の才能を楽しみ、それを将来に役立てたいと考えている。

今や精子バンクは、不妊症のカップルのためだけのものではない。アフトンさんのような独身女性や、レズビアンのカップルも精子を買って子どもを産んでいる。
アメリカの生命倫理研究機関「ヘイステイ ング・センター」のジェ-ムス・ネルソン博士は、「自分の望み通りの子どもが産めるとなると、逆に、思いどおりでない子どもはいらないという風潮が出てくるでしょう。子どもはまるで商品のように扱われ、親が勝手に子どもの質を選ぶという危険性をおびてくるでしょう」と語っている。

精子の商品化に、何らかの歯止めは必要でしょうか。
「精子を選ぶのは結婚相手を選ぶようなもの」という意見をあなたはどう思いますか。

今は・・

「ノーベルバンク」は1999年に閉鎖されたが、米国にはまだ数多くの精子バンクが存在し、出身大学や職業、特殊な才能や身長、容姿などで選択されることが多くなっている。

日本では・・

ビジネスとして存在しているとは言いがたいが、ネット上には精子提供のサイトが複数存在している。
クローズアップ現代「徹底追跡 精子提供サイト」2014年2月27日

卵子提供についても、議論が起きている。
クローズアップ現代「急増 卵子提供」2013年1月10日

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