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どうやって抜けだす? 当事者の体験談「そこは“フツーの人”のふりをしなくていい場所だった」

当事者の体験談「そこは“フツーの人”のふりをしなくていい場所だった」

みぎこ

私がNABA(摂食障害者の自助グループ)の存在を知ってから実際に入会するまでに10年以上かかりました。
機が熟するのにはそれぐらいの歳月が必要だったのだと思います。
「私は意志が弱くてだらしないから食べちゃうし、食べ過ぎたら気持ち悪いし太りたくないから吐いちゃうし、っていうだけで。こんな単なるダメ人間の私が摂食障害などと自称したらほんとの病気で苦しんでる人に失礼なんじゃないか」とずっと思ってましたし。(今でもちょっと思ってる)

入会して、泊りがけのワークショップというイベントがあったのでさっそく行ってみました。
しかし会場に近づくにつれてむくむくわきおこる警戒心。内心で「私はあなたたちとは違うんですからね、一緒にしないでちょうだい!」と摂食障害への偏見(=自分への偏見)を叫びながら会場に入ったことを思い出します。

プログラムが始まると、目の前に座っていた女性がすっと立ち上がって前に行き壇上で体験談を話し始めました。
聴いていてなぜか涙が出てきて止まりませんでした。
そこで語られる言葉がウソや建て前でなくホンモノの言葉だったからでしょうか。
それにひきかえ、私が今までいた家庭や世界はなんて上っ面のニセモノの言葉ばかりで溢れていたことか。
それにここでは自分の過食嘔吐癖(それは当時の私にとっては自分の醜さ・弱さを意味するものでした)を隠さなくていい。なんて気楽なんだ!

それから少しずつおずおずとNABAと関わりはじめました。
ミーティングで本当の正直な気持ちを聴くこと・聴いてもらうこと、同じ悩みを共感できる喜び。話すことを強制されないという安心感。
今まで体験してこなかったその快感に酔いしれて、いつしか過食嘔吐の発作がおこる必要性も薄れてゆき。
しかし症状がなくなったとかそんなことはどうでもいい。
仲間という存在と出会えて私の人生は大きく変わり、豊かに流れはじめました。世界への信頼感の取り戻しが一気に加速しました。
自分は普通じゃなくて最低の人間なんだ、人より劣った身分なんだと信じこんでいた孤独でまっくらな子ども時代の私に、「大丈夫、年とったら思いもよらないすばらしいことが待ってるからね」と言ってあげたい。

もちろん今でもときどき鬱になり死にたくなり仲間を恨み、ダークサイドに堕ちることはよくあるのですが、それもまたよし。
そしてこれを読んで「自助グループ?なんだか傷の舐めあいみたいでうさんくさくて嫌だね」とか「なんか怖い」とか思った方とは気が合いそうなのでぜひNABAにいらしてほしいなと個人的に思います。もちろんそうは思わなかった方も当然大歓迎で。

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