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ゆううつな夏休み #8月31日の夜が来るまえに。

記事公開日:2022年08月31日

夏休み中はモヤモヤした気持ちになりがちです。番組には「学校にいきたくない」「家族とうまくいかない」「生きるのがつらい」などといった、10代のみなさんの声が寄せられています。人知れず抱える悩みやゆううつを、安心して吐露できる「居場所」をめざし、今回は、ジャングルポケットの斉藤慎二さんと、モチベーショナルスピーカーのひかりんちょさんが、10代のみなさんの声に耳を傾けます。

みんなが抱える夏のゆううつ

2022年の夏休み、10代が抱えるモヤモヤした気持ちを番組で募集したところ、多くの声が集まりました。学生時代にいじめを受けていた経験を公表して反響を呼んだジャングルポケットの斉藤慎二さんと、10代から大きな支持を得ているひかりんちょさんが、寄せられた声を紹介しながら語り合います。

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斉藤慎二さんとひかりんちょさん

今年から学校を変えました。
でも学校に行けず夏休みに入ってしまい、受験生なのに先生とも話せずに未来が不安で見えないです。
どうしたらいいのかな。
(こはちゃんさん)

斉藤:学校を変えて緊張して、ちゃんとうまく友だちができるかなとか、いろいろ考えちゃう。そこでさらに夏休みに入ってきたら…

ひかりんちょ:行くタイミングって大事。

斉藤:そうだよね。一歩踏み出す勇気が大事になってくる。今はなかなか大変な時期だね。

大学入学に伴って地元から離れ、新たにバイトやサークルを始めたのですが、なかなか馴染むことができず、行くのがゆううつになることもあります。
(れもんさん)

画像(斉藤慎二さん)

斉藤:馴染むまでに時間がかかる人もいれば、すぐに馴染んじゃう人もいるじゃない。人はそれぞれだからね。

ひかりんちょ:私は毎年、学校のクラス変わるときはすごく不安になってました。

斉藤:そう思う人のほうが実際は多いと思うんだけどね。みんな抱えてることは一緒だと思う。

たとえばバスや電車の乗り方、たとえば友達との話し方、ケーキの食べ方、外の歩き方。
これから先の人生の決め方。
何ひとつとして人並みにできなくて、いつも何かを間違えてしまう。
みんなはどうして、生きることを受け入れられるんだろう。
何がそんなに楽しいんだろう。
夏が苦手。苦手な分、楽しみな予定をいくつも作って、一つ消化するたびにどうしてか心も体もくたびれている。
楽しみなことを楽しみにする時間だけは、生きてるらしく前に進める。
楽しみなことが全部終わったら、どうなってしまうんだろう。
(シマさん・18歳)

時々ふと集中が切れて我に返ると、誰のために受験を頑張っているのだろうと自分自身に問いかけている。
周りの人が合格したら喜んでくれるから?
自分自身のことよりも、周りのことばかり考えている。
もう、感情がよく分からなくなってくる。本当はもっと自由に生きたいな。
(ヤドカリさん・高校3年生)

画像(ひかりんちょさん)

ひかりんちょ:もっと自分に正直になりたいっていうか、何のために生きてるのか分からないとかっていうのも、すべてが自分の考えというか…。

斉藤:そうだよね。どういうふうに生きていけばいいのか、自分の存在価値って何なんだろうと考えちゃう。周りみたいにうまくできない、みんなと同じようにできないことが、自分の中でマイナスなんじゃないかなとか。1人だけおいていかれてるんじゃないかみたいな感じになっちゃうのかな。

ひかりんちょ:それを全部まとめた上で、「自由に生きたいな」っていう声が多いってことですね。

「相談しておけばよかった」という後悔

過去のいじめが、今でも恐怖として残っているという声が届きました。

私は、中学1年生のとき、部活で暴言などのいじめに遭いました。
今でも、学校で授業を受けているときや、家で勉強をしているときに、そのときのことを思い出して、怖くなったり、つらくなったりしてしまいます。
またいじめられるんじゃないかと思う恐怖で、どうすればいいか分からなくなったとき、消えたくなったり、死にたくなったりしてしまいます。
(花になりたいさん・高校2年生)

メッセージを寄せてくれた“花になりたい”さんに、斉藤さんが電話で話を聞きます。

画像(電話をする斉藤さん)

ひかりんちょ:“花になりたい”さんは今、夏休みだと思うんですけど、今はどんな気持ちですか?

花になりたい(以下、花):今は学校に行けないぶん、友だちと遊ぶ時間もあるけど、会えない期間が多いので寂しさもあります。でも、学校に行ったらまた友だちの意見とかに合わせて、自分の意見がまた言えなくなってしまったりすると考えると、学校に行くのもつらいと思ったり・・・。そういうモヤモヤがありますね。

斉藤:いじめについて今も思い出すと送ってくれたんですけど、どんなふうに思い出すのかな。

花:勉強しているときに突然、言われた言葉とかを思い出します。学校で、教室の後ろのほうとかでコソコソ話してる人がいると、そのときのことを思い出して怖くなったりします。

斉藤:でも、今は高校生活を楽しく過ごしてるのかな。

花:はい。いい人がいっぱいいるので、楽しく過ごしてるんですけど、(いじめを)思い出したりすると、一緒に仲良くしてくれる人さえも怖くなって、誰とも話せない感じになるときもあります。

斉藤:過去のことを思い出しちゃうから、普通に友達と接しても、いつか裏切られてしまうんじゃないかとか、そういった不安とかも募ってくるのかな。

花:そうですね。

ひかりんちょ:そう思っちゃう自分もだんだん嫌になっちゃうよね。

画像(ひかりんちょさん)

斉藤:誰かに相談したりしてる?

花:夏休み中に遊ぶ機会があって、この子にならっていう子に、いじめのことを話してみたら、「話してくれてありがとう」って言ってくれたので、ちょっとずつ信じていけるようになってます。

斉藤:そうか、そういう人が1人でもいたら全然違うもんね。両親とかに相談したのかな。

花:いじめられ始めたときに、愚痴みたいな感じでポロって言って、そうしたら母がちょっと泣いてしまって。それからはあまり言ったりしないようにしてます。

斉藤:お母さんを悲しませないためにも、自分で解決することがいちばんいい考えだと思っちゃったのかな。

花:そうですね。

斉藤:でもお母さんはそのとき何か言わなかった?「なんでもっと早く相談してくれなかったの」とか。

花:「学校に言おうか」って言われたんですけど、大ごとにしたくなくて。そこからはもう心配かけないように「大丈夫」って…。

ここで、“花になりたい”さんから、斉藤さんに質問がありました。

花:斉藤さんは以前いじめを受けていたと思うんですけど、今はどういうふうに、いじめを受け止めてますか?

画像(斉藤慎二さん)

斉藤:僕はいま好きな仕事をできていて、仲間にも恵まれていて、普通に充実した時間を過ごしているけれど、過去にそういったこと(いじめ)があったってことは、今でも思い出すことはあるんですよ。それは自分のなかでは、この先もずっと付きまとうものと思ってるし、解決なんてできないのかなって思ってる。でも、そのなかでも生き続けなきゃいけない。
僕は母親に相談しなかったんですよ。それが母親のためだと思ってたけど、それは間違いだと思う。(“花になりたい”さんの)お母さんが泣いて悲しんだってことは、本当に大事だと思ってくれてるから涙を流したわけでね。親に迷惑をかけていると思わないほうが僕はいいのかなと思います。僕は、相談しなかったことがいちばん良くなかった、選択を間違えたなって思ったから。多分、親は言ってくれただけでも嬉しかったと僕は思うけどね。

花:ありがとうございます。

斉藤:いえいえ。勇気をだして電話してくれて、ありがとうございます。

「ネガティブな部分も自分の一部」

寄せられた声のなかには、進学や就職を控えて将来が怖いと語る声も届いています。

進路とか将来とか、今の自分の現実とか、そういうものに向き合うのが怖くて、挑戦したいこととかやりたいことがあっても、その一歩が踏み出せないままだらだらとして、めんどくさくなってしまって。
できないと思うと、シャッターがガッと下りて、それがまたできない、できないって思ってるうちに、どんどん下がってきて、視野がどんどん狭くなっていくような感覚があって、この先どうやって、自分はいろんなことを選択して決めていけばいいのかなとモヤモヤしてますね。
(蛍光さん・高校3年生)

画像(ひかりんちょさん)

ひかりんちょ:私は中学2年から学校に行ってなくて、高校に上がるタイミングとか、高校を卒業したときも、このあとどうしたらいいんだろうみたいな感じはありました。私もあんまり夢とかなかったので、難しいなっていう感じでしたね。

斉藤:夢や、やりたいことが明確にある人のほうが少ないと思うんだけどね。でも、そういうものがないと生きてる意味がないとか、どうやって生きていけばいいのか分からないとか思っちゃう。それがすべてではないけど、やりたい(ことがある)っていう人を見てると、自分は何なんだろうって改めて考えてしまうのかもしれないよね。

ひかりんちょ:先生から「何かやりたいことはないのか」と進路のときに聞かれたら、もっと気にしちゃう。

斉藤:自分で考えないようにしていても、周りから言われたときに、もう一度考えなきゃいけないんだってなっちゃうもんね。

生まれてから今まで夢を持ったことがなくて、私のいいところはここっていうのが、自分ではなんか言えなくて。自分に自信がないので。
未来に将来に対してもなんか自信は持てなくて。
でも(自分を)好きですか嫌いですかって言われると、好きではないけど嫌いとは言えなくて。
あと何十年も生きなきゃいけないのに二十年目入らないうちに嫌いってことにしちゃったら、なんかやりきれないというか。だから嫌いってことにはしてないけど、でも別に好きになる要素はあまりない、っていう感じがします。
(マスクメロンさん・19歳)

ひかりんちょ:私は10代のファンの子が多くて、『自分のことがどうしても好きになれません』とか、『ひかりんちょはすごい。自分に自信を持ってて、羨ましいです』みたいなコメントをよくいただくんですけど、私自身はそんなことはない。100%自分のこと好きって言える人って少ないんじゃないかな。

画像(斉藤慎二さん)

斉藤:そうかもね。でも、その子たちにとっては、ひかりんちょさんは好きなことやっててかっこいいなと思ってる。目標というわけじゃないけど、こういうふうになりたいって思ってくれてるんだろうね。

ひかりんちょ:ネガティブな部分も自分の一部として好きでいてあげようって、私は伝えてる感じなんです。

斉藤:それだけでもその子たちにとっては全然違うと思うよ。

自分を認める言葉たち

ほかにも多くのメッセージが寄せられています。

昔何もかも嫌だったけど死ねなくて生きてた。
そしたら案外悪くない人生
頑張らなくていいよ。何もしなくていい
息だけしてれば完璧
(ゆぴさん)

ひかりんちょ:「生きてるだけで偉い」って、今の子たち割と使うんですけど、本当にその通りだなって思いますけどね。

斉藤:理由は何でもいいんだよね。

今日を生き抜いた自分は偉いぞ。今までつらい中頑張ってきたんだから、自分で自分を褒めるくらい良いよね。
(うみさん)

ひかりんちょ:たくさん褒めてください。

画像(斉藤慎二さん)

斉藤:そうだよ。自分で自分のことを褒めてあげたら、自分のこと好きになれる。自分を認めてあげないと、先に進めないしね。こういったプラスの考えって、僕らも勇気をもらえる。

気持ちを分かち合うこと

最後に、10代のメッセージを受け止めてきた2人が思いを語ります。

打ち明けるまではモヤモヤするんだけど、言うとちょっと心が軽くなる気がするな。わたしはなかなかできなかったけど。
(ぞろめさん)

斉藤:やっぱり話せるかどうかだと思う。話したあとはすっきりして、話してよかったってなるんだけども、一歩踏み出すことはなかなか勇気がいる。そこが難しかったりするんだよね。

ひかりんちょ:でも、番組に(メッセージを)送ってくれている時点で…

斉藤:そうだね、行動してくれているから。自分は変わってきたんじゃないかなっていう、結果が出てるからね。送ってくれて、読ませていただいて、みんなの中でもすごいすっきりしたこともあると思うんですけどね。

画像(ひかりんちょさん)

ひかりんちょ:みんなとモヤモヤとか、いろいろ共有できてよかったなって思います。

斉藤:そうだね。ここに話すだけでも全然違うと思いますし。

ひかりんちょ:聞いているだけでもだいぶ心が楽になるというか。

画像(斉藤慎二さん)

斉藤:まずこの場で自分が思ってることを打ち明けて、答えがどうだとかではなくて、僕らもみんなと分かち合いたいと思いますし、何でも遠慮なく言ってもらいたいなと思います。まだまだこの夏のゆううつを分かち合いましょう。

P.S.気持ちを落ち着かせる方法~「オンラインキャンプ#8月31日の夜が来るまえに。」より~

画像(オンラインキャンプ イメージ画像)

生放送終了後は、夜11時半頃までオンラインフォーラム「オンラインキャンプ#8月31日の夜が来るまえに。」を開催。前北海さん(NPO法人フリースクール全国ネットワーク事務局長)も加わり、およそ250人の参加者とオンラインでつながって、10代のゆううつについて引き続き語り合いました。

10代のモヤモヤを分解するコーナーでは、この夏に番組へ寄せられた投稿で最も登場回数の多かったキーワード“自分”についての話題に。

何も起きない人生なんて無駄だし生きてる意味がよくわからなくなる。
唯一幸せになる方法はありのままを受け入れること。
私は自分で自分を認めたいんじゃなくて他人に認められたいんだよ。
(おたまじゃくしさん)

前北:ありのままを受け止めるって一番難しいよね。僕も不登校時代に「海君は海君のままでいいんだよ」と言われたことがあって、その時はいいわけないだろって思ったんですけども。3年後、5年後くらいにそれもありかなと思った。だから、ありのままを受け止めるのは今じゃないし、100%じゃなくてもいい。0か100かじゃないから。全部100%自分を好きになることはない。

斉藤:嫌な部分ってたくさん自分で知っているから。僕も芸人をやっていたら、みんなに認めてもらいたい、すごいなって思われたい。他人に認めてもらいたいって、誰もが思っていることなのかなと思う。

オンラインキャンプ中に参加者から届いたメッセージは500通以上。なかでも出演者への質問で多かったのは「つらいときにどうしているか教えて」というものでした。

画像(斉藤慎二さん ひかりんちょさん 前北海さん)

斉藤:僕の場合はドラマとかをずーっと見ているのが自分の中の唯一幸せな時間だったかな。あとは、泣くこともひとつのストレス発散かもしれないね。泣きたいときは泣いていいじゃん、それで落ち着くならたくさん泣こうよって思ってる。

ひかりんちょ:私は辛い食べ物とか、堅いせんべいとかビーフジャーキーとか刺激があるものを食べてます。こっちに集中がいくので紛らわせる。

前北:僕も堅いせんべい。これ食べると「ガリガリガリガリ」しか聞こえなくなる。そうすると余計な雑音が一切聞こえなくなって、自分の悩みもせんべいの音しかなくなる。あとは甘いの。シュークリームとか大福とか。

みなさんに合う、気持ちを落ち着ける方法を見つけてみてください。

番組は8月31日の夜にも、生放送を予定しています。さらにたくさんの、言葉と気持ちを分かち合いたいと思っています。

※この記事はハートネットTV 2022年8月17日放送「ゆううつな夏休み~#8月31日の夜が来るまえに。~」を基に作成しました。情報は放送時点でのものです。

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