ひとにはそれぞれ“ワケ”がある! 「日本一多様性を感じられる番組」を、風間俊介さん、兼近大樹さん、重盛さと美さんの3人と作り上げたのが、21人の“ワケあり”さん。これまで福祉番組に関わってくれた「ハートネットファミリー」のみなさんとオンラインでつながり、それぞれの“ワケ”や、身近な話題について、居酒屋もしくはファミレスにいる感じで(ディレクターの希望)おしゃべりしてみました。チャットらしく、話は自由に飛び回ります!
世の中の人は、どんなことで自分を「マイノリティー」だと感じているのでしょうか。
街を行き交う100人に自身の「ワケありポイント」を聞いてみました。まずは、日本一の歓楽街・新宿歌舞伎町です。オンライン・チャットでもさっそく反応が。
歌舞伎町にいたみなさんの声
続いて向かったのは巣鴨。ホッと一息つける街には、どのような“ワケ”があるのでしょうか?
巣鴨にいたみなさんの声
自分がマイノリティーだと答えた人の割合は歌舞伎町が60%、巣鴨が24%でした。
もちろん、スタジオの3人にも“ワケあり”ポイントが。
そもそも、めったに出会わない芸能人は・・・
「ぼくは『歌って踊らないジャニーズ』って言うと、一気にマイノリティー力が増すんですよね」(風間俊介さん)
「僕はたぶん、いま活躍している芸能人の中で一番ワケありだと思います。貧困と、あとは低学歴だとか、ほぼ小卒なんで。めちゃくちゃマイノリティーだと思います」(兼近大樹さん)
「打ち合わせでも何回も、マイノリティーとマジョリティーという言葉が出てきて、説明を10回ぐらいしてもらったんですけど、いまだに理解できてなくて。そこがマイノリティーかなって思ってます」(重盛さと美さん)
オンライン・チャットに参加しているファミリーのみなさんも自己紹介。
スタジオゲストもファミリーもマイノリティー自覚率高め!?
とすると、「マイノリティー」という意識に意味はあるのかな・・・?
番組に参加する21人の「ハートネットファミリー」
“ワケあり”な全員でのおしゃべり、最初のテーマは「よくある!ありがた迷惑な体験談」。さっそくチャットも盛り上がります。
チャットにすべて目を通しているのがスタジオにいる乙武洋匡さん。
そんな自称“ミスター ワケあり”が注目したのは、“飲み屋を練り歩く暴走車いす”こと落水洋介さんのチャット。ビデオ通話を繋ぎます。
「ぼくのパーソナルスペースに、30センチぐらいのとこに一瞬で近づいてきて、体をなでなでしながら、ぼくの心を全部知ってるんだよっていうていで、『あなたも生まれてきて大変だろうけど、意味あるんだよ』って言われちゃうと・・・。うぜえわ」(落水さん)
落水洋介さん
重盛さんも兼近さんも、落水さんの気持ちに同意。
そういう接し方をされても、落水さんは「ありがとうございます」と返すそう。
「その気持ちはありがたいんで。ただ、一瞬イラーッとするんですけど、意味をちょっと変えて 『行動できるあの人は、すげえな』と思って、で、次の日のプログにネタで書きます」(落水さん)
乙武さんが次に気になったチャットは、はるかさんの「次は男の人と付き合ってみたら?と言われる」。兼近さんからの「女性が恋愛対象と言うこと?」という質問に、はるかさんは「レズビアンです」と答えます。
はるかさん
次の注目チャットは、冒頭から兼近さんがアイコンをみて「ターミネーター!」と言っていた“よくしゃべる闇の太鼓打ち”こと片岡亮太さんの投稿。片岡さんは和太鼓奏者で、ビデオ通話画面の背景には楽器が並びますが、散らかっている部屋を隠すためだとか。
片岡さんは、「「全盲だと耳がいいんでしょうね」という悪気のないプレッシャー」というチャットを送ってくれました。
「別に全盲だから耳がいいわけではなく、それなりに努力をしているのですが、みたいな」(片岡さん)
ちなみにオンライン・チャットへの参加は、文字を読み上げるアプリを使いながら左耳でそれを聞き、右耳でスタジオトークを聞いて行っているそうです。そのスキルのすごさから、話題は片岡さんのかっこいいサングラスに移っていきます。和太鼓奏者のイメージには、実は自分の顔の相性が悪いという片岡さん・・・
片岡亮太さん
続いてのテーマは重盛さんセレクトで、「人にはマネできない私のモテテク」。
「ハートネットファミリー」のみなさんが教えてくれたとっておきのワザとは?
乙武さんが注目したのが、大川公佳さんの「口を読むために目をじっと見つめてドキドキさせることができます」というテクニック。
大川公佳さん
「耳が聞こえないろう者の場合、コミュニケーションを取るときに、口元を読んだり、表情を読み取ったりすることが多いんですね。そのため、じっと目を合わせて会話をします。なので、じっと見られている相手のほうがドキドキして視線をそらしちゃうことがあるんです」(大川さん)
大川さんがそもそもかわいい!と重盛さん。「それで目をつけられるんですよ。強い。ずるい(笑)」。
兼近さんは「でも、俺だったら、逆に見つめ返して好きにさせる自信あるんですけど」。大川さんがすかさず「ぜひ一緒に!私と合うかもしれませんね。目をじっと見合わせたら仲良くなれるはずです」と答えると、
「あ、これ、俺負けるわ。これは俺負ける、絶対」(兼近さん)
土屋光子さんの「ウィッグを明るく取ってアピール」も気になります!
土屋光子さん
土屋さんは、「はじめまして」を言うときにウィッグをすぽーんと外すそう。 重盛さんからは「男の子ウケはどうかわかんないけど、女子ウケめっちゃ高い」との意見が。
「自分で自分の髪の毛を抜いてしまう、抜毛症という症状を持っていて。人に言っても『えっ? 自分がやめればいいんじゃん』って言って終わりになっちゃう。なので、とても言いづらかったんですよ。私の場合は、治ったらいいなとは思うけど、ともに生きながら楽しんでいこうという方向にシフトしてしまったので、もうこのまんまでいいかなと思ってます」(土屋さん)
最後は風間さんから究極の質問。
「ひとつだけ願いがかなうのなら、なんてお願いしますか?」
多くのチャットの中から兼近さんが心を奪われたのは、下田昇兵さんの「みんなと同じスピードで話しがしたい」でした。
「なんかすごく、学校を思い出すというか。僕は学校の授業についていけなかったんですよ。じっとしていられない、多動症もあったので。僕の相手をしてるあいだって、(先生は)みんなの相手ができてない状態で・・・。それがめちゃくちゃきつかった。人と同じスピードで物事を理解できたらなっていうのは、当時すごく思ってました。ひとつだけ願いが叶うなら、小学校1年生くらいにもどって、しっかり授業を受けたかったかな」(兼近さん)
兼近さんは「あのとき勉強出来なくて、みんなと一緒に過ごせなかったから、今この場にいられるのかな」と振り返ってもいました。
最後は番組タイトルまで変わってしまいました?! オンライン・チャットで、誰もがフラットに意見を言い合える場「ワケありさんの森(#ワケ森)」、また近いうちにお会いしましょう。
※この記事はハートネットTV 2020年10月19日放送「ワケありさんの森」を基に作成しました。情報は放送時点でのものです。