ハートネットメニューへ移動 メインコンテンツへ移動

新型コロナで 生活に困ったら<#新型コロナあなたの不安 vol1 障害者編>

記事公開日:2020年04月30日

障害者作業所の運営が新型コロナウイルスの影響で窮地に陥っている。仕事がなくなり、生活が追い込まれる障害者も少なくない。そんな時、助けとなる支援や制度は、どんなものがあるのか。障害がある人たちの作業所や関連する事業所が加盟する“きょうされん”の常務理事・赤松英知さんに伺いました。
(記事は取材した4月28日時点の情報に基づいています)

もし生活に困窮したら…

Q 生活が困窮した場合に、どのような制度が使えるのか教えてください。

画像(コロナで困窮する人に知ってほしい制度 特別定額給付金 10万円が給付される。申請が必要。5月以降開始/住居確保給付金 失業などで家賃が払えない人にお金が補助される/生活福祉資金貸付制度 障害者手帳がある人も対象になる貸し付け制度)

まず障害のあるなしに関係なく当てはまるものですが、住民票があれば給付される10万円の「特別定額給付金」や、収入がたたれてしまった人に家賃が支給される「住居確保給付金」があります。
また、電気・ガス・電話など公共料金の支払いが難しい時には、支払いを先延ばしすることができます。

また障害者が対象に含まれているものでは、以前からあるものですが、「生活福祉資金貸付制度」というものがあります。これは全国の社会福祉協議会がやっている低所得のご家庭への貸し付けで、皆さんの役に立つ制度だと思います。障害者手帳を持っている世帯も受けられます。
いま収入が断たれた人全てが対象となる「緊急小口資金」は、無利子で10万円以内の金額を借りることができますが、これ以外にも「生活福祉資金貸付制度」には、用途に応じて様々な支援があります。

政府は新型コロナウイルス感染症の拡大をうけて、特例的にこの緊急小口資金の受付窓口を社会福祉協議会だけではなく、全国のろうきん(労働金庫)にも広げることにしました。必要であれば、これらの窓口に相談してはどうでしょうか。
いまは色んなニーズがあると思います。貸し付け制度は新たな借金なので、そういう意味でハードルが高いのは事実ですが、どうしても返済できない場合は、返済の猶予や免除も相談できます。

また、生活保護という選択肢もあります。今回の事態をうけ、厚生労働省も緊急対応として、生活保護について「一時的に収入がなくなった場合」でも保護の受給を認める通知を出しています。

すでに生活保護を受けている方でも、例えば定額給付金の10万円や、学校が休校になったことを受けての給食費なども、収入認定しないという事務連絡が出ています。保護費から引かれるんじゃないかと不安がある方もいると思いますが、そうではないことを広く知って頂けたらと思います。

作業所の運営が立ちゆかない…

画像(作業所の写真)

作業所の風景「きょうされん加盟事業所より」

Q 「作業所の運営が立ちゆかない」という声があがっています。何か利用できる制度はありますか?

障害者作業所などでは、感染を防止するために休業するところも増えています。そうした事業所のために、報酬面での様々な要件緩和が厚生労働省からされています。そうした通知については、きょうされんのホームページで細かく解説つきで紹介しているので、見て頂ければと思います。(※この記事の末尾にリンクがあります)

例えば、厚労省は事務連絡で、「事業所が休業しても、自宅に電話などをして必要な支援を行ったと市町村がみなせば報酬算定していいよ」ということを言っています。ただこうした事務連絡が、市町村に浸透していなくて「休んでいるから報酬でないですよ」という対応をするところがあるんです。それを言われると事業者はシュンとなって帰らざるをえないんですけど、そこで「厚労省はこう言っています」ということを事業者が市町村に伝えて頂きたいです。厚労省は出すといっているので、是非市町村は認めてほしいと。

また、事業所が雇用を守るための「雇用調整助成金」も拡充されています。雇用保険の適用じゃないので、雇用調整助成金は受けられないですよねという相談があるんですけど、今回これもとっぱらわれています。

Q この「雇用調整助成金」は障害者作業所なども使える制度なのでしょうか。

支援員等の休業については雇用調整助成金を利用できますが、残念ながら、利用者の休業については多くの事業所は利用できません。

コロナの影響で仕事が減っていて、今でもそんなに多くない工賃が、支払い困難になってきています。雇用調整助成金も、就労継続支援A型の事業所は、雇用関係を利用者と結ぶので、利用者が休業した場合に利用できますが、それ以外のB型事業所や地域活動支援センターは、福祉サービスなので、雇用契約は結んでいない。工賃を補填する仕組みは全く公的に無い状態です。

B型事業所等に雇用調整助成金を適用しろとはいいませんが、やっぱりああいう仕組みを念頭において、利用者の工賃を補填するということは必要だと思います。コロナが起きなければ当然例年のように見込まれた収入があるわけで、そこのところを補っていかないと障害がある人の所得保障が厳しくなるし事業所の運営が厳しくなってしまいます。

障害がある人も支援者も「こころひとつに」

画像(作業所の写真)

作業所の風景「きょうされん加盟事業所より」

Q 現場で頑張っている支援者の皆さんに何かメッセージはありますか。

新型コロナウイルスというのは、利用者を守ろうとして支援者の感染リスクが増えてしまったり、逆に支援者が感染を恐れて支援しなければ、利用者が生活できなくなるなど、支援者と当事者の間で確執が起きてしまったり…。

事業者の中でも、職員が経営者に対して「支援をしなければと思うのですが感染が心配です」というような話をしたとか、すごく切実な話を聞くんですね。いま皆さんが障害のある人を守るために、つらい局面にあるのですが、それは誰かが悪いのではなくて、コロナウイルスが原因なのです。

経営者も支援者も、障害のある当事者も、ひとりひとりの命を守るために、とにかくみんな団結しましょう、まとまりましょう、ということを確認し合うことがまず第一歩かなと。その上で具体的にそれぞれの職場で何ができるか考えるということが大事なのかなと思っています。

あわせて読みたい

新着記事