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【特集】性暴力はいま(5)みんなに“もっと”知ってほしいこと

記事公開日:2020年01月08日

伊藤詩織さんの判決でさらに注目が集まっている性暴力被害。ハートネットTVでは12月11日に「性暴力2 生放送 みんなに知ってほしいこと」と題して、性暴力に対して全国で上がり始めた声を、フラワーデモの現場から中継で伝えました。番組でも声を募集したところ、被害当事者を中心に100件以上の声がホームページに寄せられました。怒り、悲しみ、様々な気持ちが込められた「知ってほしいこと」。その一部を、ご紹介します。

「私も被害を受けていた…」 まだまだ埋もれている声

自身の被害について、本当に多くの方が声を寄せてくださいました。そこからは、年月がたっても消えることのない深い傷が浮かび上がります。

4歳の頃に同じ保育所の男子に性暴力を受け、親には言えていません。その経験は今の私に暗い影を落としています。幼児の頃の体験も一生を狂わせます。(ノーと言えない外国人さん)

小学二年の時に初めて性暴力を受けました。誰にも相談できず結婚しましたが相手に言えません。
そのような人は沢山いると思います。(さくらさん)

私は約4歳から小学2年生まで祖父から性的虐待を受けていた。
性的虐待を受けていたことと同じくらい、両親がそれを止めてくれなかったことが辛い。(うれいらさん)

47歳でまさか自分が知人に襲われるとは思えなかった。知人は私を犯しても、警察に訴えないと判断して腕力を使ったと思う。泣き寝入り、悔しい。(恐怖で大声も出せないさん)

4歳の時に「遊んであげる」と言われて、見知らぬ男性に畑で性暴力を受けました。今でも、裸の尻に冷たい土の触れた感覚が残っています。(げんさん)

画像(イメージ画像 うなだれる男の子)

平成30年に公表された国の調査(男女間における暴力に関する調査・内閣府)によると、無理やりに性交等された経験を持つ人は約20人に1人。女性に限ると約13人に1人にのぼります。
そのうち全く知らない人からの被害は1割にとどまり、配偶者・元配偶者や交際相手などが5割近く、職場や学校関係者が2割近くになります。兄弟や実親、養親、継父も1割近くあり、身近な人からの被害が大半です。

一方でその傷は、長い時間がたっても被害者の心をえぐり続けています。

人として大切であろう“性”の部分が性暴力によって揺るがされる時、同じく大切な“生”も揺さぶられることを、多くの人に知ってもらいたいです。(ゆきさん)

なぜ私だったのか。私の何が引き金だったのか。教えて欲しい加害者に。どんなに時間がたっても悲しみは血液の中に凍りついたように沈んでいます。(秋桜さん)

生きててもずっと気持ち悪い感じがするし、いつ死んでもいいと思ってしまう。18歳からこれから死ぬまで思い出しては病んでってなるなら早く死にたい(ごみさん)

画像(イメージ 部屋でひとり寂しくスマホを眺める女性)

少なくない“セカンドレイプ”

また、被害にあった後の周りの対応で、さらに傷ついた体験も多数寄せられています。

学内トイレでの盗撮被害。後日、学生係という立場の男性教諭に相談しに行った際、何が怖いの?と聞かれた。犯人が捕まれば終わりではない。(りんさん)

服装変えろ髪型変えろ気をつけろ外に出るなロリコン受けするからなあとか言わないで。加害者の立場に立ってものを言わないで。過食症再発して苦しい。(セカンドレイプ受け子さん)

警察から「相手のご家族のことも考えてあげて」と泣き寝入りを勧められた。家族の事を考えるのは加害者がするべきこと!被害者になすりつけないで!(ケシさん)

私は昔レイプされ、友達にその事を話したらまるで汚物でも見るような目で軽蔑されました。被害者を更に傷つけないで(ぽぽさん)

上記の国の調査では、被害を受けた女性の約6割、男性の約4割はどこにも相談していません。そこにはこうしたセカンドレイプや無理解を恐れる気持ちがあります。 周りの人たちに、被害を受けた人に寄り添ってほしいと訴える声も数多く寄せられました。

被害経験者です。周りの方へ。二次加害が何かを学び、加害をしないで下さい。
言葉に迷うのなら、目の前の人が大事なのなら、黙って寄り添って。(被害者は何も悪くないさん)

性暴力を受けた被害者に「でもあなたにも原因はあるのでは?」と責めないで。それは二次加害です。被害者を孤立に追い込まないで。(せいさん)

画像(フラワーデモ 12月の東京会場に集まる人たち)

被害に遭った私から、被害に遭ったあなたへ

“被害にあった方に伝えたい”。最後に、そんな声の数々をご紹介します。

あなたは悪くないよ。だから自分を責めないで。だれか信頼できる人に相談してほしい。きっと、1人は味方がいるよ。(sunaさん)

性暴力やあらゆる暴力や差別に遭ったみんなへ。あなたのせいじゃない。悪いのは加害者と、わかろうとせず知らないふりをする残酷な人々の態度だ。(南檸檬さん)

被害者の方に伝えたい。決して貴方は何も悪くない。自分の事を責めないでくださいね。辛くて怖くて嫌な思いさせた人だけが悪いのです。(ちゃむさん)

自分が気持ち悪い、無価値だと思えてしまうことが辛かったです。
傷ついた人へ。あなたは汚くない!大切な人です!絶対!!絶対!!絶対!!(たったのさん)

画像(番組の映像から スタジオで話す出演者たち)

ここでご紹介したのは、寄せられた声のほんの一部です。短い言葉の中に凝縮された声のひとつひとつ。その裏にある、まだ声になっていない声の数々を想像すると、どれだけ多くの人が心の奥に被害の記憶を押し込め、苦しんできたのか、愕然とします。
一方で、番組で中継したフラワーデモを始め、性暴力にNOをつきつける多くの声が、いま町に溢れ始めています。その声が大きなうねりとなって、社会を変えていくのを目撃できる、そんな2020年になってほしいと思わずにはいられません。ハートネットTVでは、これからも性暴力の問題に向き合っていきたいと思います。

【特集】性暴力はいま
(1)デジタル性被害 終わりのない苦しみ
(2)未成年が陥るデジタル性被害
(3)声を上げはじめた被害者たち
(4)みんなに知ってほしいこと
(5)みんなに“もっと”知ってほしいこと ←今回の記事

※この記事はハートネットTV 2019年12月11日放送「性暴力2 生放送 みんなに知ってほしいこと」に寄せられた反響をもとに作成しました。情報は放送時点でのものです。

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