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『追憶のかたつむり』撮影舞台裏

涼次(間宮祥太朗)が尊敬する映画監督・元住吉祥平(斎藤工)の代表作『追憶のかたつむり』。ドラマの中に登場する映像は、斎藤さん自身が元住吉祥平として監督になり、実際に撮影を行ったものです。その撮影舞台裏に密着!

『追憶のかたつむり』本編映像

『追憶のかたつむり』カタツムリパートの完成映像がこちら。

『追憶のかたつむり2』も、カタツムリパートのみ、撮影が行われました。

【撮影スタッフ】
CG:渡部佳宣
編集:土屋 貴聖
制作:野村 梓二、加藤 富久、井上 章一、金川 紗希子
演出補 兼 プロデューサー:清水 康彦
プロデューサー:小林 有衣子
監督:元住吉祥平(斎藤工)
制作協力:小林 有衣子

「いつか映画全体を完成させて各映画祭に出品したい」

『追憶のかたつむり』を自身で撮影することに至った経緯やその内容について、斎藤工さんにお話を伺いました。

どういった経緯で『追憶のかたつむり』を撮影することになったのですか?

台本に書かれた情報から僕なりの簡単なプロットを勝手に作り、プロデューサーと北川(悦吏子)さんにお送りしたところ、「撮ってみますか」という言葉をいただけました。そうした経緯で、『追憶のかたつむり』と『追憶のかたつむり2』の冒頭にあるカタツムリパートを、元住吉祥平として撮らせていただいた次第です。

完全に僕のわがままだったのですが、この作品を実際に僕の成分が入ったものにできれば、祥平と涼次の関係性をさらに太く築ける……という思いもありました。この祥平の出世作を見て、涼次は彼にあこがれを持ったはずなので。

事情が許すならば、いつか映画全体を完成させて各映画祭に出品したい、という野望もあります。朝ドラ『半分、青い。』から派生して、色々とできたら面白いと思いました。

台本には「ピーター・グリーナウェイの影響を受けている(映画)」と書かれていたのですが、作品名や時代背景が近いことから、雰囲気としては『追悼のざわめき』(松井良彦監督・1988年)をイメージしつつ、プロットを書かせていただきました。

『追憶のかたつむり』は、カタツムリパートと人間パートで構成しています。雌雄同体でもある「カタツムリ」は、生物として進化の果てにあるのでは、という発想が下敷きです。同時に、カタツムリの速度感や、甲羅を構成する「円」、通ったあとにできる「線」の意味を自分なりに追求しました。

人間である自分たちには、人間としての時間感覚しかありません。ですが、カタツムリにはカタツムリ特有の速度があるように、人間とは違った寿命の捉え方や、それを見越した生き方があるはず。人間が忘れているものを、カタツムリは感じ取っているのではないか、と考えていきました。

この作品に登場するカタツムリは、前世では一人の男、人間でした。それがいま、カタツムリになって何を感じるのか。そして、彼が再び人間に戻ったならば――というお話です。

▲斎藤さんが実際に書いたプロット

『追憶のかたつむり』撮影舞台裏

まずは、大事な主演キャストとなるカタツムリ選びからスタート。
用意された数匹のカタツムリの中から、斎藤さん自身が「やる気を見せている」と感じた一匹を選び、スタンバイ。
カタツムリには水分が必要不可欠なため、セットに水を吹きかけて、撮影が始まりました。

『追憶のかたつむり』がコート・ダジュール国際映画祭で「その視点部門」のグランプリを受賞したのは、1995年という設定。そのため、当時最先端だったカメラ(制作スタッフの私物)を使って、撮影は行われました。
「(機材の)トーンとカタツムリの相性がいい」と、斎藤さんも大絶賛!

水分を欲してさまよう、カタツムリ。その動きの速度や、4本ある触角の角度、水滴を吸収する様子に、終始「面白いなぁ。ずっと見ていられる」とつぶやいていた、斎藤さん。主演のカタツムリがしっかり自らをアピールし、キャスト選びも大成功です。

途中からは他のカタツムリも加えた、4匹のグループショットにスイッチ。
これによって、斎藤さんいわく「オーケストラ感が出た」そう。変幻自在に動くカタツムリたちに合わせ、良い画角を探りながら、撮影を進めていきます。

その後はカタツムリを1匹に戻し、殻の渦を撮影。
キレイな螺旋(らせん)を描いている渦を見て、斎藤さんからは「美しい」と、感嘆の声が! 殻の表面の質感については「戦いの後の傷跡のよう」と、表現していました。

続いて、カタツムリの目線から水滴を映すカット。「右目と左目をマルチ画面で見せる」という演出補のアイデアが採用され、それぞれの目線で撮影が行われました。

最後に鉛筆で螺旋を描くカットを撮影し、パート1の撮影は終了しました。

パート1終了後、斎藤さんは何やらスタッフと相談し、隣にある『あさイチ』のスタジオへと移動。パート2の撮影に向けて、何かを探している様子。
そこでゴソゴソとあさり始めたのは、なんと「ネジ」。「パート2ではネジの渦とカタツムリの殻の渦を対比で見せたい」という斎藤さん発案のもと、急きょネジを探しました。

ネジを手にスタジオへ戻ってきたところで、『追憶のかたつむり2』の撮影がスタート。
背景を白から黒、ライティングにもコントラストを加えることで、パート1との変化をつけました。

パート1に続き、「(カタツムリ自身が)アングルが分かっている」と、斎藤さん、再び感動。

続いて、先ほど集めてきたネジの撮影。ネジがネジだと分かるよう、側面のアングルから。

その後はバネやナメクジの動き、女性スタッフの手にカタツムリをのせてみたりと、様々な試みが行われ、『追憶のかたつむり2』の撮影も無事に終了。
最後は斎藤さん自身の声で、ナレーションを収録しました。

カタツムリパートの撮影にかかった時間は、およそ4時間。長時間カタツムリと向き合い続けた、斎藤さんをはじめ、スタッフのみなさん、お疲れ様でした!

メイキング映像

撮影中のメイキング映像です。

撮影後の斎藤工さんコメント

終了後、斎藤工さんからコメントをいただきました。

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