A U.S. cryptocurrency exchange has made a strong stock market debut, highlighting the spectacular growth of the digital currency business.
和文
アメリカの暗号資産の取引仲介会社が鮮烈な株式市場デビューを果たし、デジタル通貨関連事業の目覚ましい成長ぶりを見せつけました。
解説
cryptocurrencyは、直訳では「暗号通貨」ですが、日本では法定通貨との混同を避けて「暗号資産」や「仮想通貨」と呼ばれます。crypto-は「隠された」を意味するギリシャ語kruptosに由来する連結形(複合語・派生語の構成要素)で、ほかの要素と結びついて単語を作ります。crypto-が使われている名詞としては、cryptogram「暗号(文)」、cryptography「暗号作成(解読)法、(コンピューターでの)暗号の使用」、cryptographer「暗号の専門家、暗号の作成者(解読者)」などがあります。なお、関連語の動詞encryptは「暗号化する」、decryptは「暗号解読する」です。
名詞exchangeは、株式などの「取引所」として知られる単語ですが、ここでは企業としての「(仮想通貨=暗号資産の)取引仲介会社、交換業者」を指しています。
debutは、日本語の中でも定着している「デビュー(する)」です。本文のように名詞としてmake a debutや、make one's debutという形でも使えますし、そのまま動詞としても使えます。
ここでのhighlightは「際立たせる、目立たせる」という動詞です。

Coinbase Global listed its shares on the tech-heavy Nasdaq on Wednesday.
和文
「コインベース」は水曜日、ハイテク企業の多いナスダックに株式を上場しました。
解説
最初のセンテンスに出てきたa U.S. cryptocurrency exchange「暗号資産の取引仲介会社」の名称が、Coinbase Global「コインベース(コインベース・グローバル)です。
ここでのlistは「上場する」で、list one's sharesは「(株式を)上場する」です。go publicで表すこともできます。なお「上場企業」なら、listed companyや、public companyと言います。
tech-heavyは「ハイテク企業(IT系企業)の比重が大きい」という意味です。Nasdaq「ナスダック」は、全米証券業協会が運営している株式市場の名称で、National Association of Securities Dealers Automated Quotationsのacronym(頭文字をとって1語として発音する略語)です。取り引きの立会場を持たない電子取引所として1971年に創設され、アメリカのApple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)など、IT系の巨大企業も上場しています。
Its stock opened 50 percent higher than the reference price set before trading. It closed at 328 dollars, putting Coinbase's market capitalization at 65.3 billion dollars.
和文
コインベースの株は、取り引き開始前の参考価格より50%高く取り引きが始まりました。328ドルで取り引きを終え、コインベースの時価総額は653億ドルとなりました。
解説
株式の上場には、新株の発行を伴うIPO(initial public offering)「新規株式公開」と、新株を発行せず既存の株式だけを上場するdirect listing「直接上場」があります。一般的なのはIPOで、この場合は証券会社が投資家のニーズを見極めて公開価格を決定します。一方、コインベースが選択した直接上場では、未公開株式取引市場での取引状況などを参考に、reference price「参考価格」が設定されます。
it closed at 328 dollarsは「終値が328ドルだった」です。
market capitalizationは「時価総額」で、株価の当日の終値に発行済み株式数をかけたものです。

The firm was founded in 2012, and today has 56 million customers in more than 100 countries. It handles transactions of bitcoin and other cryptocurrencies.
和文
この会社は2012年に設立され、今日では100か国以上に5,600万人の顧客がいます。同社は、ビットコインやその他の暗号資産の取り引きを扱っています。
解説
ここでの動詞foundは「設立する、創設する」という意味です。findの過去形・過去分詞形のfoundと混同しないようにしましょう。
millionは「100万」ですから、56 millionは「5,600万」です。今回のニュースには大きい数字がいくつも出てきますが、1 millionが「100万」、100 millionが「1億」、1 billionが「10億」と頭に入れておくことが、数字の感覚をつかむポイントになります。
Revenue in the January-to-March period stood at 1.8 billion dollars, more than triple the figure of the previous quarter.
和文
1月から3月期の売り上げは18億ドルで、直前の四半期の価格の3倍以上となりました。
解説
ここでのrevenueは企業の「収益、売り上げ」ですが、文脈によっては国家の「歳入」という意味にもなります。
stand at ...のあとに数字を続けて、「(値段が)~である、(計器が)~を示している」を表します。変動するものの、ある一時点での値を伝えるときによく使う表現です。
tripleは「3倍」です。doubleなら「2倍」、quadrupleなら「4倍」です。
quarterは「4分の1」です。1年を4つに分けて、the first quarter「第1四半期(1月~3月)」、the second quarter「第2四半期(4月~6月)」、the third quarter「第3四半期(7月~9月)、the fourth quarter「第4四半期(10月~12月)」です。本文のthe previous quarterは、2020年の第4四半期を指しています。なお、会社が作成する「四半期報告書」は、quarterly reportと言います。日本企業の多くは3月が決算月であるため、事業年度のquarterと暦年のquarterが一致せず、欧米からは分かりにくい点となっています。

Some people are demanding more transparency in the cryptocurrency business. Yet investors are pouring large amounts of funds into the market, as stepped-up monetary stimulus has been generating high levels of liquidity.
和文
暗号資産の業界に、より透明性を求める人たちもいます。しかし投資家たちは、増強された金融刺激策が高い流動性を生む中、この市場に巨額の資金をつぎ込んでいます。
解説
transparency「透明性」は、transparent「透明な」の名詞形で、外部からの見えやすさや分かりやすさのことです。
pour A into Bは「AをBにつぎ込む」です。
句動詞step upは「拡充する、増強する」です。step up efforts to ...「~することに一層努力する」、step up production「増産する」のように使います。このstep upをハイフンでつないで形容詞にした stepped-upは「拡充された、増強された」です。
the marketは、暗号資産の市場を指しています。
monetaryは「通貨の、貨幣の、金融の」で、money「金」の形容詞形です。monetary stimulusは「金融刺激策」です。
liquidityは「流動性、流通性」で、liquid「液体(の)」から派生した単語です。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた大規模な金融緩和策が取られていることで、投資に回る資金も増えました。一方で、量的緩和と低金利が一段と進むと、投資家の間に将来のインフレや通貨下落を見越して、ヘッジ目的(投資先を分散してリスクを回避・軽減すること)から暗号資産へ投資する動きが広まります。資金が流れ込めば、それだけ暗号資産のliquidityが増し、そうするとさらに投資資金をつぎ込みやすくなります。
アメリカの仮想通貨=暗号資産の取り引きを仲介する会社が鮮烈な株式市場デビューを果たし、デジタル通貨に関係する事業の目覚ましい成長ぶりを見せつけました。
「コインベース」は水曜日(4月14日)、ハイテク企業が多く名を連ねるナスダックに株式を上場し、事前に示された参考価格の50%高い価格で取り引きが始まりました。終値は328ドルで、コインベースの時価総額は653億ドル(7兆円余り)となりました。
コインベースは2012年に設立され、今日では100か国以上で5,600万人が、ビットコインなどの暗号資産の取り引きに利用しています。1月から3月期の売り上げは18億ドル(およそ2,000億円)で、直前の四半期に比べて3倍以上となっています。
暗号資産に対してはより高い透明性を求める声がある中で、金融刺激策の強化によって資金の流通量が増えていることから、投資家たちは巨額の金をこの市場に注ぎ込んでいます。