We begin with the world of sports. Golfer Matsuyama Hideki has made history, winning the 2021 Masters Tournament.
和文
スポーツの世界から始めましょう。ゴルファーの松山英樹選手が2021年の「マスターズ・トーナメント」を制し、歴史的な快挙を成し遂げました。
解説
make historyは「歴史を作る、歴史に残る業績を成し遂げる」という表現です。「とてつもない偉業をやってのけた」と相手をたたえるときには、"You've made history."と言うことがあります。historyは形容詞をつけてさまざまに応用でき、例えばmake political historyなら「政治家として歴史に残る業績を果たす」ですし、make baseball historyなら「野球史に残る偉業を達成する」です。
winは「勝利する」で、win a tournamentは「トーナメントで優勝する」です。
1934年から始まったMasters Tournament「マスターズ・トーナメント」は、メジャー大会の優勝者や世界各地のツアーの賞金ランキング上位者など限られた選手のみが招待される大会で、優勝者がはおるグリーンジャケットは全てのゴルファーの憧れとも言われています。
He is the first Japanese to capture a major golf title on the men's tour and the first man from an Asian country to win the tournament.
和文
松山選手は男子ゴルフツアーのメジャー大会で優勝した初の日本人であり、このトーナメントで優勝した初のアジア人男性です。
解説
capture「つかむ、獲得する」は、最初のセンテンスに出てきたwin「勝利する」の言い換えになっていて、capture a major golf titleは、win a major golf titleと言うこともできます。
「初めて~した~、~として初めて~した人」と言うときに、本文のthe first ... to ...の形が使えます。「彼はその賞を受賞した初の日本人監督です」なら、He's the first Japanese director to win the award.のように表せます。
男子ゴルフの海外メジャー大会は、マスターズ・トーナメント、全米オープン、全英オープン、それに全米プロ選手権の4つで、出場条件の厳しさや賞金額、それに歴史と伝統などから世界で最も注目を集める大会です。日本の男子選手はこれまで、この4つのメジャー大会で優勝の経験はなく、青木功選手が1980年に全米オープンで2位に入ったのが最高でした。

The 29-year-old claimed victory in Sunday's final round at Augusta National Golf Club in the U.S. state of Georgia.
和文
29歳の松山選手は、アメリカ・ジョージア州のオーガスタ・ナショナルゴルフクラブで日曜日に行われた最終ラウンドで、優勝を勝ち取りました。
解説
the 29-year-old「その29歳」は松山選手を指しています。このように、X-year-oldは「~歳の人」という意味の名詞で使うことができ、Matsuyama, who is 29 years old, claimed victory in ...とするより簡潔に表現できます。松山選手は愛媛県出身の29歳。力強く正確なショットと巧みなテクニック、そして勝負強いパットが持ち味です。
claimは「主張する」として使われることもありますが、ここでは「獲得する」という意味で、winと同じように使われています。claim victoryは「勝利(優勝)を勝ち取る」です。ただし、選挙の報道では「勝利を主張する(自分が勝ったと主張する)、勝利宣言する」という意味になることもあります。
Augusta National Golf Club「オーガスタ・ナショナルゴルフクラブ」はアメリカ・ジョージア州にあるマスターズ・トーナメントの会場で、ガラスのグリーンと呼ばれるほど速くボールが転がるグリーンが特徴で、難易度の高いコースです。

He ran into trouble with a bogey at the par-four start, where his tee shot sailed into the trees. But he birdied at the par-five second, and later at the eighth and ninth holes.
和文
松山選手は、出だし(1番)パー4でティーショットが林の中に飛び込み、ボギーとなってつまずきました。しかし2番パー5と、その後の8番、9番ホールではバーディーを取りました。
解説
run into troubleは「困難に陥る、問題にぶつかる」という表現です。
bogey「ボギー」は、par「パー」を基準にして、それより1打多いスコアのことです。各ホールには、カップに入れるまでの打数基準として3打・4打・5打いずれかの標準打数があり、この打数と同じ打数でカップに入れるのがpar「パー」です。par four「パー4」は、4打で入れるのが基準として設定されているホール(hole)ということです。
tee shot「ティーショット」は、各ホールのティーグラウンドからの1打目です。打ち始めるときにボールを載せる台座は、teeと呼ばれます。
birdie「バーディー」は、parを基準にして、それより1打少なく上がることです。本文では動詞として使っていますが、「バーディーを取る」としてhave a birdieやtake a birdie、make a birdieのように名詞として使うこともできます。ちなみに、birdieは「小鳥」ですが、標準打数より2打少ないスコアならeagle「イーグル(鷹)」、3打少ないスコアならalbatross「アルバトロス(アホウドリ)」というように鳥の名前が使われていて、成績がいいほど大きな鳥になっていきます。
動詞sailは「どこかへ(ある方向に)勢いよくすっと飛んでいく」で、ここでのsail into ...は「(ボールが)飛んで~に入る」という意味です。
Matsuyama finished the tournament at 10 under par, one shot better than Masters rookie Will Zalatoris, who finished second.
和文
松山選手は(通算)10アンダーでトーナメントを終えました。2位になったマスターズ初出場のウィル・ザラトリス選手と1打差でした。
解説
松山選手はこの日行われた最終ラウンドをバーディー4つ、ボギー5つでスコアを1つ落としたものの、通算10アンダーで初めてのマスターズ優勝を果たしました。
rookieは「(プロスポーツチームの)新人選手」で、recruitから転化した言葉と考えられています。ここでのMasters rookieは「マスターズ初出場」という意味です。
着順を伝える表現は何通りかありますが、本文のように、finishの後ろに序数(first, second, thirdなど)を持ってくるのが簡単な形です。
松山選手の快挙が伝えられる中で、海外ではキャディーを務めた早藤将太さんの行動にも称賛が集まりました。スポーツ専門チャンネルのESPNは、松山選手が最終18番ホールのグリーンで優勝を決めるパットを沈めた直後、早藤さんがピンをカップに戻して帽子を取り、コースに一礼したシーンの動画をツイッターに投稿し、「美しい光景だ」などと称賛のコメントが集まっています。帽子を取って頭を下げる行為は日本のスポーツ界では珍しくない行動ですが、海外メディアから日本の礼儀正しさに改めて注目が集まる形となりました。

Before grabbing the prestigious green jacket, Matsuyama had claimed five wins on the PGA Tour.
和文
松山選手は、権威あるグリーンジャケット(緑の上着)を獲得するまでに、PGAツアーで5度優勝していました。
解説
prestigiousは「権威ある、名門の、一流の」という形容詞です。名詞形は、prestige「名誉、威信」です。
マスターズの優勝者には、ゴルフ界最高の栄誉とされる「グリーンジャケット」(緑の上着)が贈られます。つまり、before grabbing the prestigious green jacketは「マスターズ・トーナメントで優勝する前に」という意味です。
ここでのclaimも、前に出てきたclaim victoryで使われているのと同じ意味で、「獲得する」です。
ここでのwinは「勝利」という名詞として使われています。
Even though this was his 10th Masters Tournament, he says he was battling his nerves through to the 18th hole.
和文
今回は松山選手にとって10回目のマスターズ・トーナメント出場でしたが、松山選手は18番ホールまで緊張の連続だったといいます。
解説
nerveは「神経」ですが、複数形のnervesは「神経過敏、神経質」という意味になります。calm one's nerves「神経を静める、気持ちを落ち着ける」、get on one's nerves「かんに障る、神経に障る、イライラさせる」、a battle of nerves「神経戦」など、さまざまな慣用表現があり、ここでのbattle one's nerves through to ...は「~までずっと緊張状態で戦い抜いた」といった感じです。
記者会見で松山選手は、1番ホールから最終ホールまで緊張しっぱなしだったけれど、ピンチに陥りしんどかった際も、自分を鼓舞するような気持ちで、良いプレーをすることだけ考えていたと語りました。
最初は、スポーツ界のニュースです。ゴルファーの松山英樹選手が2021年の「マスターズ・トーナメント」を制し、歴史的な快挙を成し遂げました。日本の選手が男子ゴルフの(海外)メジャー大会で優勝したのは初めてで、アジア出身の選手としても初のマスターズ・トーナメント制覇を果たしました。
29歳の松山選手は、アメリカ・ジョージア州のオーガスタ・ナショナルゴルフクラブで日曜日(4月11日)に行われた最終ラウンドで、優勝を勝ち取りました。
松山選手は、1番パー4で放ったティーショットが林に入り、ボギーになってスタートでつまずきますが、続く2番のパー5をバーディーとし、その後の8番と9番でも連続バーディーを奪い、最終的に、マスターズ初出場で2位になったウィル・ザラトリス選手と1打差の通算10アンダーでトーナメントを終えました。
松山選手は、(マスターズで優勝して)権威あるグリーンジャケットを獲得するまでに、PGAツアーで5勝を挙げています。今回で10回目のマスターズ出場でしたが、松山選手は18番ホールまで緊張の連続だったと話していました。