We start with the United States and China, and a tense back-and-forth from their top diplomats at their first face-to-face meeting under a new U.S. administration.
和文
アメリカと中国、そしてアメリカ新政権下で初めての米中対面会議における両国の外交トップによる緊迫した応酬から始めましょう。
解説
副詞句back and forthは「行ったり来たり」という表現です。例えば、a bus running back and forth between the two citiesなら「その2都市を行き来しているバス」です。本文では、この3語をハイフンでつないで名詞として使っています。a back-and-forthは「堂々巡りの議論、結論の出ないやり取り」として使われています。
face-to-faceは「対面による、対面の」です。ちなみに学校の「対面授業」ならface-to-face classesで表せますが、in-person classesと言うことも多くあります。
The fiery on-camera exchange lasted over an hour – an unusual display that casts doubt on their ability to find common ground.
和文
カメラに収録されたその激しいやり取りは、1時間以上に及びました。(両者が)妥協点を見つけることができるのか、疑問を抱かせる異例の披露でした。
解説
fieryはfire「火」からきている形容詞で、「炎のような、燃えるような、激しい」という意味です。
on-cameraは「撮影中の、カメラに撮られた」です。ハイフンを取って副詞として使うこともでき、例えばShe made the comment on camera.なら「彼女はカメラの前でそのコメントをした」です。on-cameraの反対はoff-camera「撮影しない」で、例えばoff-camera interviewなら「カメラで撮らないインタビュー」です。
exchangeは「やり取り」ですが、本文のように「口論」という意味でもたびたび使われます。また、短時間の「交戦、撃ち合い」という意味もあります。
ここでのlastは、動詞で「続く、継続する」です。
cast doubt on ...は「~に疑問を投げかける」という表現です。
commonは「共通の」、groundは「基盤、立場」で、find common groundは「落としどころを見つける、妥協点を見いだす」という表現です。

U.S. Secretary of State Antony Blinken and White House National Security Advisor Jake Sullivan are meeting with China's top diplomat Yang Jiechi and Foreign Minister Wang Yi in Alaska.
和文
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官と国家の安全保障政策を担当するジェイク・サリバン大統領補佐官は、中国外交のトップの楊潔チ※政治局委員と王毅外相と、アラスカで会談しています。
※チは竹かんむりに褫のつくり
解説
secretary of stateはアメリカの「国務長官」で、Department of State「国務省」の長官です。諸外国の外務大臣に相当します。
meet with ...は「(話し合いなどの目的を持って)~と会う」です。これに対してmeet ...は、この意味の他に、「~に(偶然)出くわす」としても使います。
英語での肩書と人名の語順は、日本語と反対になります。「日本の菅義偉総理大臣」を英語にすると、Japanese Prime Minister Suga Yoshihideです。ちなみに日本政府は、2020年から公式文書などで日本人の名前をローマ字で表記する際、原則として姓-名の順にすることを決めています。

The administration of President Joe Biden has said it wants to assess the Chinese reaction on human rights issues, national security concerns, and regional tensions.
和文
ジョー・バイデン大統領の政権は、人権問題、国の安全保障上の懸念、そして地域の緊張についての中国側の反応を見極めたいと述べています。
解説
administrationは「政権」で、the administration of President Joe Bidenは「ジョー・バイデン大統領の政権」です。the Biden administration「バイデン政権」のように言うこともあります。
human rights issueは「人権問題」です。新疆ウイグル自治区で起きているとされる人権侵害を念頭に置いています。「人権侵害」なら、human rights abuseで表せます。なお、他の名詞の前について形容詞的に使われるとき、ほとんどの名詞は複数形にしません(例えばthree-story building「3階建てのビル」)が、rights「権利」は例外です。形容詞的に使うときも、human rights activist「人権活動家」、animal rights group「動物愛護団体」のように、rightにsが付きます。
regional tension「地域の緊張」は香港や台湾に対する中国の行動や、中国の海洋進出がもたらす緊張に言及したものと思われます。


(Antony Blinken / U.S. Secretary of State)
"Each of these actions threaten the rules-based order that maintains global stability."
和文
「こうした行動の一つ一つが、世界の安定を維持するルールに基づいた秩序を脅かしている」
解説
ブリンケン国務長官の発言です。
ブリンケン国務長官がthese actions「こうした行動」として言及しているのは、中国政府による新疆ウイグル自治区や香港、台湾に対する行動、アメリカに対するサイバー攻撃、同盟国への経済的威圧などのことです。文法的にはeach of these actions threatens ...のようにthreatenにsが付きますが、each of+複数名詞を受ける動詞が直前にある複数名詞にひきずられて複数形になり、三単現のsを付けずに使われることがあります。
ここでのorderは「秩序」です。
形容詞stable「安定した」の名詞形が、stability「安定」です。global stabilityは「世界の安定」です。


The comment gained a sharp and lengthy rebuke from Yang, who says the United States is not qualified to speak "from a position of strength."
和文
この発言は、激しく長々とした楊政治局委員からの非難を招きました。楊政治局委員は、アメリカには「強い立場から」語る資格はないと述べました。
解説
sharpは、人の物言いや反応を修飾するときには「厳しい、強い、辛らつな」として使われます。日本語の「~に強く反発する」を英訳するときの選択肢のひとつとして、react sharply to ...を覚えておくといいでしょう。
lengthyは「長い、長々とした」です。楊政治局委員の反論は20分近くに及びました。
rebukeは「非難、叱責」です。
be qualified to ...は「~する資格がある」です。


(Yang Jiechi / Chinese foreign policy chief)
"The U.S. does not represent the world, it only represents the government of the United States."
和文
「アメリカ(側)は世界を代表しているわけではなく、アメリカ政府を代表しているだけだ」
解説
楊政治局委員の発言を英訳したものです。
the U.S.とありますが、これはこの会議のアメリカ側の出席者を指していて、the U.S. sideの意味です。
ここでのrepresentは「~を代表する、~の代表となる」という意味です。例えば、スポーツの国際大会で競技を行う選手が入場するときに、選手名に続けてrepresenting Japan「日本代表」やrepresenting China「中国代表」のような会場アナウンスが入りますが、このrepresentも同じ意味です。名詞の「代表者」なら、representativeで表せます。
最初は、アメリカと中国のニュースです。アメリカに新政権が誕生して初めて行われた両国の外交当局のトップによる会談は、緊迫したやり取りとなりました。カメラの前での激しい応酬は1時間以上に及び、両者の間で一致点が見いだせるかどうか疑わしい異例の事態となりました。
アメリカ側からは、アントニー・ブリンケン国務長官とホワイトハウスで安全保障政策を担当するジェイク・サリバン大統領補佐官が、中国側からは外交を統括する楊潔チ※政治局委員と王毅外相が出席して、アラスカで会談を行っています。
ジョー・バイデン政権は、人権問題や国家安全保障に関する懸念、地域的な緊張について、中国の反応を見定めたいとしています。
ブリンケン国務長官は、「(中国による)こうした行動の一つ一つが、世界の安定を維持するためのルールに基づく秩序を脅かしている」と述べました。
この発言に対して楊政治局委員は、アメリカは「強い立場から」ものを言う資格はないと、長時間にわたる激しい非難を展開し、「アメリカ側はアメリカ政府を代表しているだけで、世界を代表しているわけではない」と反論しました。
※チは竹かんむりに褫のつくり