The new year brings a new relationship for the U.K. and Europe. A deal that defines post-Brexit trade takes effect January 1, and a decades-long relationship comes to an end.
和文
新年は、英国とヨーロッパに新たな関係をもたらします。ブレグジット(英国のEU離脱)後の貿易を規定する協定が1月1日に発効し、数十年にわたる両者の関係が終わります。
解説
new yearは「新しい1年」です。頭文字が大文字のNew Yearは「年始」で、日本でいう三が日を指します。
bringは、本文のように物事を主語にして「~を(付随的に)もたらす、~を(結果的に)引き起こす」として使えます。例えば、Summer brings hordes of tourists.と言えば「夏は大勢の観光客をもたらす、夏になると大勢の観光客がやって来る」です。
the U.K.はthe United Kingdom「連合王国」の略で、the UKと表記することもあります。
post-は「~後の」という接頭辞です。post-war(postwar)なら「戦後の」、postscriptなら「追伸、追記」です。最近では「コロナ後」という意味で、post-coronaも使われます。
Brexitは、British「英国の」とexit「退出」を重ねた造語で、「英国のEU離脱」です。
take effectは「発効する」という表現です。agreement「協定」、law「法律」、regulation「規制」、rule「規則」などを主語にとることが多く、come into effectと言うこともあります。
decades-longは「数十年にわたる、何十年にも及んだ」です。英国が後のEUにつながるEC=欧州共同体に加盟した1973年から数えると50年近い年月がたっています。
come to an endは「終わる、終わりを迎える」という表現です。

The EU and U.K. finally agreed the terms for the split on Christmas Eve.
和文
EU=ヨーロッパ連合と英国は、ようやくクリスマスイブに離脱の条件について合意に至りました。
解説
agree the terms「条件について合意する」はイギリス英語の用法で、アメリカ英語ではagree on the termsが使われます。termsは「(契約などの)条件」です。
splitは「分裂」です。「(人と人との)亀裂、決裂、仲間割れ」という意味もあります。
The U.K. parliament endorsed the agreement Wednesday and Queen Elizabeth gave it the royal seal of approval, averting a no-deal Brexit with just one day to spare.
和文
英国議会は水曜日に合意を承認し、エリザベス女王が裁可しました。こうしてわずか1日を残して、「合意なき離脱」を回避することができました。
解説
endorseは「承認する、支持する」です。
seal of approvalは「承認印、認可印」です。give it the royal seal of approvalは「それに王室の承認印を与える」ですが、ここでは「裁可する(君主が提出された議案を裁決し許可する)」という意味です。
avertは「回避する」です。
no-deal Brexitは「合意なき離脱」のことです。
ここでのspareは「(時間などを)割く」という意味で、with just one day to spareは「割ける時間がわずか1日しかない状況で」です。
英国が2020年1月にEUを離脱したことを受けて、双方は離脱協定で定められた移行期間が終わる年明け以降の関係を決めるため、自由貿易協定などの交渉を続けていましたが、交渉は難航し、最終的に協定の締結期限が1週間後に迫る土壇場で合意に達しました。これによって、年明けから関税がかかる事態は避けられることになりました。

British Prime Minister Boris Johnson told the House of Commons that it ushers in an era of new possibilities.
和文
英国のボリス・ジョンソン首相は下院に向けて、合意は新たな可能性の時代を導くと述べました。
解説
usher in ...は「~を導く、~の先駆けとなる」です。
英国のparliament「議会」は、House of Lords「上院、貴族院」とHouse of Commons「下院、庶民院」の二院制です。


(Boris Johnson / British Prime Minister)
"Brexit is not an end but a beginning. And the responsibility now rests with all of us to make the best use of the powers that we regain."
和文
「離脱は終わりではなく始まりです。そして今、我々は皆、取り戻した権限を最大限に活用する責任を負っています」
解説
ジョンソン首相の言葉です。
A rest with Bは「A(責任、権力など)がBにある、かかっている、委ねられている」です。文法的にはThe responsibility to make the best use of the powers that we regain now rests with all of us.とすることもできますが、主語が相対的に長くなり間延びしたようになるので、the responsibility now rests with all of usを先に出しています。
make the best use of ...は「~を最大限に活用する」という表現です。
powerが複数形になっているのは、単に「力」という意味ではなく、「権限」を示しているからです。EUの一員である間、英国は国家としての権限の一部をEUに委ねてきたわけですが、その権限を取り戻したと述べています。


The agreement will take effect on a provisional basis before the European Parliament debates the package early in the new year.
和文
合意は、新年になってヨーロッパ議会が審議する前に、暫定的に効力を発することになります。
解説
provisionalは「暫定的な、仮の」です。
on a ... basisは「~方式で、~ベースで」という表現です。on an individual basis「個別に」、on a weekly basis「週1回のペースで」、on a case-by-case basis「ケース・バイ・ケースで」など、広く応用できます。
ここでのpackageは「包括(一括)契約、包括協定」です。英国とEUが合意した自由貿易協定などを指していて、文頭のthe agreementの言い換えです。
EUでは、年内の議会審議が間に合わないことから特例として議会承認を後回しにし、合意を2021年の年明けから暫定的に適用することにしました。
The full implications of the new relationship are far from clear. But one immediate change will be the end of visa-free travel between Europe and the U.K.
和文
関係が新しくなってどんな影響が出るか、その全体像はまだまだ明らかではありません。しかし即座に起こる変化の1つは、ヨーロッパと英国との間のビザなし渡航の終わりです。
解説
implicationsは「何らかの行動や決定がもたらしうる影響や結果」で、通例は本文のように複数形で使います。
far from ...は「決して~でない、~どころではない」です。
ここでのimmediateは「即座の、即刻の」という意味です。
visa-freeは「ビザなしの」です。名詞にfreeを付けて「~なしの」を意味する形容詞を作ることができます。例えば、duty-freeなら「免税の」、rent-freeなら「家賃無料の」、smoke-freeなら「煙の出ない、禁煙の」です。
新しい年を迎え、イギリスとヨーロッパの関係は新たなものになります。イギリスがEU=ヨーロッパ連合を離脱したあとの貿易のあり方を定める協定が1月1日に発効し、数十年に及んだ両者の関係は終わりを迎えます。
EUとイギリスは、離脱の条件について、クリスマスイブにようやく合意に達しました。イギリス議会が水曜日(12月30日)に合意(についての法案)を承認し、エリザベス女王がそれを裁可したことによって、わずか1日を残して「合意なき離脱」を回避することができました。
イギリスのボリス・ジョンソン首相は下院に対して、合意は新たな可能性を切り開くものだとして、「EUからの離脱は終わりではなく始まりです。そして今、取り戻した権限を最大限に活用する責任を私たち全員が負っています」と述べました。
この合意は、新年になってから行われるEUのヨーロッパ議会の審議を前に、暫定的に適用されることになります。
新しい関係になってどんな影響が出るか、その全体像はまだ定かではありませんが、直ちに起こる変化の1つは、ヨーロッパ諸国とイギリス間をビザなしで行き来することができなくなることです。