Genome-edited food has been approved for sale for the first time in Japan.
和文
ゲノム編集された食品が、日本で初めて販売を許可されました。
解説
genomeは、gene「遺伝子」と「集合」を表す-omeを組み合わせた造語で、染色体上の遺伝子が持つ情報の総称です。日本語では「ゲノム」と呼ばれますが、英語は発音が違いますので辞書などで確認してください。
editは「編集する」ですから、genome-editedは「ゲノム編集された」です。
approveは「(公的な機関などが)承認する、認可する」という意味で、be approved for saleは「販売が認められた、許可された、承認された」です。
ゲノム編集食品については、厚生労働省の専門家会議が安全性審査の必要がないと判断すれば、国に届け出を行ったうえで販売できる制度が運用されています。
A modified tomato that produces a key amino acid got the green light from a health ministry panel of experts on Friday.
和文
要となるアミノ酸を作り出すようゲノム編集されたトマトが金曜日、厚生労働省の専門家会議から承認を受けました。
解説
modifyは「変更する、修正する」、とりわけ「改良するための変更」を表す動詞です。ここではgenomeが省略されていますが、genome-modified tomato「ゲノム編集されたトマト」のことです。
ここでのkeyは「要となる、重要な」という意味で、amino acid「アミノ酸」を修飾しています。その内容は、次のセンテンスで紹介されます。
green lightは「青信号」ですが、get a/the green lightは「承認を得る、許可を得る」という定型表現です。get approval、あるいはbe approvedと同義です。
health ministryは「厚生労働省」を指しています。「厚生労働省」の正式名称は、the Ministry of Health, Labour and Welfareです。
panelは、日本語でも「パネル」と呼ばれますが、「(会議における)識者の集団」といった意味です。panel of expertsは「専門家会議」です。
厚生労働省の専門家会議はこのトマトについて、本来トマトが持たない遺伝子が入っていないことや、アレルギーの原因物質や毒性がある物質が増えていないことなどが確認されたとして、国内初のゲノム編集食品として販売の届け出を認めました。
The substance, known as GABA, helps lower blood pressure.
和文
GABAとして知られるこの物質は、血圧を下げるのを助けます。
解説
the substance「この物質」は、前述のa key amino acid「要となるアミノ酸」を言い換えたもので、具体的には、血圧を下げるとされるGABAと呼ばれるアミノ酸を指しています。GABAとは、gamma-aminobutyric acid「γ-アミノ酪酸」から4文字をとった略称です。
help+動詞の原形で「~するのを助ける」を表します。help+A+動詞の原形「Aが~するのを助ける」という形をとる場合もあります。
ここでのlowerは「下げる、低下させる」という動詞で、blood pressureは「血圧」です。

Researchers at the University of Tsukuba and a biotech firm collaborated on the new tomato.
和文
筑波大学の研究者とバイオテクノロジー企業が、この新しいトマトに共同で取り組みました。
解説
the University of Tsukubaは「筑波大学」です。大学の英語名はuniversityが前に来るもの(例えばthe University of Tokyo「東京大学」など)がある一方で、Kyoto University「京都大学」のようにUniversityが後ろに来るものもあり、個々の正式な名称はさまざまです。
biotechは、biotechnology「生命工学、バイオテクノロジー」を略した単語です。
collaborateは「共同で取り組む、協力する、協働する」という動詞です。ここでは、新しいトマトの開発が大学と企業との共同研究であることを説明しています。
They say tomatoes generally contain more GABA than other produce.
和文
彼らによれば、トマトは一般的に他の作物より多くのGABAを含むとのことです。
解説
tomatoの複数形は、-esが付いたtomatoesです。同じような形をとる名詞に、potato(es)「芋」や、hero(es)「英雄、ヒーロー」などがあります。
ここでのcontainは「含む」という意味です。その他に「封じ込める」という意味もあり、Public health authorities around the world are racing to contain the spread of COVID-19.「世界中の公衆衛生当局が、新型コロナウイルス感染症の拡大を封じ込めようと必死になっています」のように使えます。
ここでのproduceは名詞で、集合的に「農作物」を意味します。動詞のproduceなら、第2音節[du]を強めますが、名詞の場合は第1音節[pro]を強めて発音します。なお、製品や商品にはproductが使われますので、留意して使い分けましょう。

The researchers used new genome-editing technology to up the tomato's ability to make GABA. They edited its genetic material to precisely alter their tomato.
和文
研究者たちは新たなゲノム編集技術を使い、トマトが持つGABA生成能力を高めました。トマトを正確に変更するため、遺伝物質を編集したのです。
解説
通常、upは「上に、上へ」という副詞として使われますが、ここでは「高める」という動詞の用法です。
genome-editingは「ゲノム編集の」という形容詞として、technology「技術」を修飾しています。
abilityは「能力」です。
geneticは「遺伝の」、materialは「物質」です。
preciselyは「正確に」という副詞です。
ここでのalterは「変更する、改造する」という意味です。alterは、否定的なニュアンスで「改ざんする」としても使われます。
Technological advances enabled the researchers to develop the tomato in just 18 months. The same result might have taken over 10 years using older methods.
和文
技術の進歩のおかげで、研究者たちはたった18か月でこのトマトを開発することができました。従来の方法では、同じ結果を得るには10年以上を要していたでしょう。
解説
ここでのadvanceは「進歩、前進」です。可算名詞であることに留意しましょう。カジュアルな用法では「口説き、言い寄り」という意味もあり、文脈にもよりますが、make advancesなら「(人に)言い寄る、口説こうとする」となります。
enable A to ...は「Aが~することを可能にする」です。多くの場合、「~(主語)のおかげでAが~することが可能になる」と訳すことができます。
2文目は仮定法です。using older methods「従来の方法を使って」が仮定の部分で、if older methods were usedとすれば、より理解しやすくなるでしょう。might have taken over 10 yearsは、この仮定につながる部分で、実際には起こらなかったこと、つまり「10年以上かかっていたであろう」という状況を示しています。
今回届け出が認められたトマトは、ゲノム編集の技術を使うことで、これまで10年以上かかっていた品種改良の期間をおよそ1年半にまで大幅に短縮することができたということです。

The biotech firm says it plans to start distributing free seedlings for kitchen gardens in the first half of next year, with the aim of selling tomatoes as early as 2022.
和文
このバイオテクノロジー企業によれば、来年の前半に無料の苗を家庭菜園向けに提供開始する予定で、早ければ2022年にもトマトの販売を目指しているとのことです。
解説
plan to ...は「~する予定である」です。
distributeは「提供する」や「流通させる」などの意味の動詞です。
seedlingは「苗、苗木」です。
kitchen gardenは「家庭菜園」ですが、kitchen「台所、キッチン」で栽培するわけではありません。庭の一部を使って自家製の野菜や果物を栽培するエリアを、kitchen gardenと呼びます。
with the aim of ...ingは「~する目的で、ねらいで」です。
as early as ...は「早ければ~にも」という表現です。
ゲノム編集の技術を使って開発された食品の販売が、日本で初めて承認されました。厚生労働省の専門家会議が金曜日(12月11日)に(販売の届け出を)認めたのは、重要な効用があるアミノ酸を多く含むように改良したトマトで、GABAとして知られるこのアミノ酸は血圧を下げる働きがあるとされます。
筑波大学の研究者とバイオテクノロジー企業が、この新しいトマトを共同で開発しました。研究者たちによりますと、トマトは一般的に他の農作物より多くのGABAを含むということです。
研究者たちは、ゲノム編集の技術を使って正確に遺伝子を操作することでトマトを改良し、トマトに含まれているGABAの生成能力を高めました。技術の進歩によって、これまでなら(品種改良に)10年以上かかっていたところを、研究者たちはわずか18か月でこのトマトを開発することができました。
企業は、来年前半には家庭菜園向けに苗の無料提供を始めるとしていて、早ければ2022年にもトマトの販売を目指しているということです。