As winter nears, people in central Japan's Gifu Prefecture have moved some local residents to more comfortable accommodation before the chill sets in.
和文
冬が近づくにつれ、日本の中部にある岐阜県の人々は一部の「地元住民」を、寒さが始まる前により居心地の良い宿泊先に移動させました。
解説
文頭のasは時の同時性を示す接続詞で、「~するにつれ、~すると同時に」などの意味です。
ここでのnearは「近づく」という動詞です。
local residentsは「地元住民」ですが、このニュースを読み進んでいけば、residentsが1,000匹の「コイ」であることが分かるでしょう。コイが地元で愛されている存在であることを伝える、ユーモラスな表現になっています。
accommodationは「(ホテルなどの)宿泊施設や住宅、収容設備」です。普通は人間を念頭に使う単語ですが、ここでは「住民であるコイ」のニュースなので、あえて使っています。なお、イギリス英語ではaccommodationと単数形で、アメリカ英語では通常accommodationsと複数形で使います。
the chillは、冬の厳しい「寒さ」を表します。「凍りつくような寒さ」や、文脈によっては「不快感、悪寒」などを指します。
句動詞set inは、季節や悪天候、概して好ましくないことが「始まる」です。

Some 30 people in Hida City participated in an annual event in which about 1,000 ornamental carp were moved from a water channel to a pond on Sunday.
和文
30人ほどの飛騨市民が毎年恒例の行事に参加し、およそ1,000匹の観賞用のコイが日曜日、用水路から池に移されました。
解説
この恒例行事が行われたのは、Hida City「(岐阜県)飛騨市」です。
participate in ...は「~に参加する」で、take part in ...で言い換えることもできます。
ornamentalは「飾りの、装飾用の」ですが、ここではコイを形容しているので「観賞用の」と訳せます。
carp「コイ」は、本文のように複数形のsを付けずに、集合的に捉える用法が一般的です。fish「魚」に準じた扱いです。
water channelは「用水路」ですが、次のセンテンスに出てくるように、地元では「瀬戸川」と呼ばれています。このニュースのchannelは「用水路」ですが、channel自体はさまざまに使われるもので、大きくは「道筋」や「経路」という意味があります。テレビの「チャンネル」や、sales channel「販売経路」にも使われる単語です。
瀬戸川は400年以上前、新田開発のために作られました。コイたちは、もともと瀬戸川へのごみの不法投棄を防ぐ目的で1968年に放流され、それが今では1,000匹にまでなったということです。

Locals usually dump snow from rooftops and roads into the Seto River, as the channel is called.
和文
地元住民は大抵、雪を屋根の上や道路から、瀬戸川と呼ばれるこの用水路に投げ捨てています。
解説
localsは、ここでは人間としての「地元住民」です。センテンス1では「コイ」のことでしたが、読み分けが必要です。
usually「普通は、大抵は」は、この行事が毎年行われていることから、習慣的にこうした雪の処理がなされていることを示すために使われています。
dumpは「捨てる」です。ちなみに、日本語の「ダンプカー」は和製英語で、実際にはdump truckと呼ばれます。大量の土砂を積み降ろすことから、このように呼ばれています。
This means the fish have to be transferred to more suitable quarters before snow begins to fall.
和文
これは、雪が降り始める前に、コイをより適した住まいに移動させなければならないということなのです。
解説
thisは、前のセンテンスに出てきた「地元住民が屋根や道路に積もった雪を用水路(瀬戸川)に投げ捨てる」という内容を指しています。
the fishは、carp「コイ」を言い換えています。
transferは「移動する」で、ここでは主語をコイにして、be transferred「移動させられる」と受身形になっています。
suitableは「適した」です。
ここでのquartersは「地区、区画」を意味するquarter(単数形)ではなく、「住居、住宅、(軍人や使用人の)部屋、宿舎」を意味するquarters(複数形)です。センテンス1のaccommodationとほぼ同じ意味で使われています。

Some of the older carp are 80 centimeters long and weigh over 10 kilograms.
和文
成長したコイの中には、体長80センチ、体重10キロを超えるものもいます。
解説
ここでのoldは「成長した、年長の」という意味合いです。
weighは動詞で、後ろに数値を続けて「~の体重がある」という使い方をします。
The fish are released into a nearby pond where they will spend the colder months in relative comfort.
和文
コイは近くの池に放され、そこで比較的快適に、より寒くなる数か月を過ごします。
解説
ここでのthe fishも、コイを指しています。
ここでのreleaseは、コイを「放つ」という意味です。
the colder monthsと、coldが比較級になっていますが、現時点よりも冬の厳しさが増す日々をこれから迎えるためです。
ここでのrelative は「比較的、比べれば」という意味で、in relative comfortは「比較的快適に」です。


(Citizen)
"After seeing this, I feel like winter is on its way."
和文
「これを見たら、冬がやってくるんだという気持ちになります」
解説
地元住民の言葉を英訳したものです。
feel like ...は「~という気持ちになる、気分になる」という表現です。
be on one's wayは、人・物・事象などが「その途上にある」で、「もうすぐやってくる」といった意味合いになります。例えば、Your pizza is on its way.なら「(あなたが注文した)ピザはもうすぐ届きますよ」です。


Come April, the carp will be moved back to the channel to add color to the townscape.
和文
4月になるとコイは用水路に戻され、街の景色に彩りを加えることになります。
解説
come Aprilは少し特殊な用法で、説明的に書けばwhen April comes「4月が来ると」ですが、簡潔でリズムを重視した省略表現といえます。
add colorは文字どおり「彩りを加える」で、観賞用のコイが持つ美しい色が街中に戻ることを示しています。
townscapeは「街の景色」で、飛騨市の街並みを示しています。
冬が近づく日本中部の岐阜県では、厳しい寒さが始まる前に、人々が一部の「地元住民」をより快適な滞在場所へと移動させました。
飛騨市では日曜日(11月29日)、30人ほどの人々が参加して、およそ1,000匹の鑑賞用のコイを用水路から池に移すという毎年恒例の行事を行いました。
地元の人々は、屋根や道路の雪をいつも瀬戸川と呼ばれるこの用水路に捨てるため、雪が降り始める前に、コイをより適切な住みかに移動させる必要があるというわけです。
成長したコイの中には、体長80センチ、重さ10キロを超えるものもいます。コイは近くの池に放され、より寒くなる数か月間を比較的快適に過ごします。
市民の1人は、「これを見ると、もうすぐ冬だという気持ちになります」と話していました。
4月になるとコイは用水路に戻され、街の景観に彩りを添えることになります。