The coronavirus pandemic has brought record losses to one of Japan's major airline operators.
和文
新型コロナウイルスの世界的な流行が、日本の主要航空会社の一社に記録的な損失をもたらしました。
解説
これまでも繰り返し報じられていますが、the coronavirusは「新型コロナウイルス」で、「新型」を表すnewやnovelをつけない場合が増えています。
pandemicは「(感染症などの)世界的な流行」です。
recordは「記録」という名詞ですが、ここでは、後ろに続く名詞を修飾する形で「記録的な」という意味になります。
lossは「損失、赤字」です。反対に、profitなら「利益、黒字」となります。
operatorは「運営する人、企業」ですが、ここでは「運航会社」を表しています。airline operatorは「航空会社」です。

ANA Holdings has announced it expects a group net loss of 4.8 billion dollars for the year ending next March.
和文
ANAホールディングスは、来年3月までの1年間で、48億ドルの連結最終赤字を予測していると発表しました。
解説
holdingsは、持株会社の社名によく使われます。「持株会社」は、holding companyと呼ばれます。
持株会社は傘下に複数の子会社を有し、決算は連結ベースで発表されるのが通例です。ここでのgroupは、この「連結ベース」という意味です。
netは文字どおりには「正味の、掛値のない」ですが、企業の業績のニュースでは「純」や「最終」を表しますので、group net lossは「連結最終赤字」あるいは「連結純損失」となります。ANAホールディングスは、グループ全体の最終的な損益が、過去最大の5,100億円の赤字に陥る見通しを明らかにしました。
the year ending next Marchは、企業決算によく使われるフレーズで、the yearは1月1日から12月31日までの1年を指すわけではなく、その企業にとっての1年の決算期を指します。日本企業の決算期は年度に合わせて4月に始まり翌年の3月に終わることが多く、ANAホールディングスの会計年度も同様のため、ここではthe year ending next March「来年3月までの1年間」と説明的に書かれています。
The company says net loss for the half year through September amounted to a record 1.8 billion dollars.
和文
同社は、9月までの半年間の最終赤字が記録的な18億ドルに達したとしています。
解説
half yearは「半年、6か月」ですが、センテンス2と同様に、1月から6月という意味ではなく決算の「半期」という意味で、開始月は企業によって異なります。ANAの場合は、half year through Septemberですから、4月に始まって「9月までの半年間」ということになります。
amount to ...に数値が続くと、「~(数値)に達する」です。
ここでのrecordはセンテンス1と同じ使い方で、a record 1.8 billion dollars「記録的な18億ドル」です。1.8 billion dollarsと複数形にもかかわらず単数の不定冠詞aが付いているのは、18億ドルを1つのまとまりとして捉えているためです。発表によると、この損失は1,884億円に上ります。
It says the number of passengers on international routes dropped 96 percent and on domestic flights by 79 percent.
和文
同社によれば、国際線の乗客数が96%、国内線が79%落ち込んだとのことです。
解説
文後半の国内線については、前段との重複を避けるために簡略化された表現になっています。[the number of passengers] on domestic flights [dropped] by 79 percentと考えれば分かりやすくなります。

The head of the holding company says the forecast is serious.
和文
持株会社の社長は、この予測は深刻なものだと述べています。
解説
headには身体の部位としての「頭」から、組織の「長」、あるいは動詞として「~に向かう、~の方向を向く」など、さまざまな意味があります。ここではANAホールディングスの「社長」を指しています。
forecastは「予測」ですが、ここでは「業績予測、業績見通し」という意味で使われています。ちなみに、weather forecastなら「天気予報」です。
ここでのseriousは「深刻な、重大な、手に負えない」という形容詞で、人の性格を表す場合の「真剣な、真面目な」とは意味が異なります。

ANA Holdings will seek voluntary retirement, implement an annual pay cut of 30 percent on average, and get rid of more than 30 planes as part of restructuring plans.
和文
ANAホールディングスは再建計画の一環として、自主退職を求め、年収の平均30%減額を実施し、30機以上の航空機を削減することにしています。
解説
voluntaryは「自主的な、自発的な」で、voluntary retirementは「自主退職」や「自己都合退職」と訳されることもありますが、ここでは会社側が募る「希望退職」を指しています。
implementは「実行する、実施する」という動詞で、carry outで言い換えることもできます。
get rid of ...は「~を取り除く、処分する」という、よく使われる熟語表現です。
restructuringは「リストラ」として知られていますが、本来の語義は「再建、再編、改革」で、日本語の「リストラ」が与える「人員削減」のニュアンスとは必ずしも一致しません。
It plans to launch a new international low-cost carrier and promote tourism and product sales by tapping into customer data from its frequent flyer program in order to boost revenues.
和文
同社は新たな国際格安航空会社(のブランド)を立ち上げ、収益を拡大するために、同社のマイレージサービスから顧客の情報を利用することで、観光や物販を促進する計画です。
解説
ここでのlaunchは「始める、立ち上げる」という意味の動詞です。ロケットを「打ち上げる」という場合にも使われます。
low-cost carrier「格安航空会社」は、頭文字からLCCとして知られる航空会社の業態です。
tap into ...は「~を利用する、活用する」という句動詞です。
frequent flyer programは直訳すると「頻繁に航空機を利用する乗客向けのプログラム」ですが、分かりやすく「マイレージサービス」と訳しています。英語では、mileage serviceよりもfrequent flyer programを使うほうが一般的です。頭文字をとってFFPと表記することもあります。同じように「マイレージポイント」なら、frequent flyer pointsで表すことができます。
新型コロナウイルスの世界的な流行が、日本の大手航空会社のひとつに記録的な損失をもたらしました。
ANAホールディングスは、来年3月までの1年間で、グループ全体の最終的な損益が48億ドル(5,100億円)になるという見通しを明らかにしました。ANAホールディングスによりますと、9月までの半年間の最終的な損益は過去最大の18億ドル(1,884億円)に上り、その理由として、利用客が国際線で96%、国内線で79%減ったことを挙げています。
ANAホールディングスの(片野坂真哉)社長は、この予測を深刻に受け止めていると述べ、再建計画の一環として、希望退職を募るほか、社員の年収を平均で30%減額し、航空機の数を30機余り減らす方針です。また、国際線で新しい格安航空のブランドを立ち上げたり、自社のマイレージサービスで集めた顧客データを活用して旅行事業や物販事業を促進したりして、収益の拡大を図ることにしています。