We begin with the latest on the global race to develop an effective vaccine against the coronavirus.
和文
新型コロナウイルスに効くワクチンの開発に向けた国際競争の最新情報から始めましょう。
解説
ここでのthe latestは「最新情報」という意味で、the latest on ...は「~についての最新情報」です。
effectiveは「期待どおりの効果(effect)を上げる」で、effective vaccineは「有効なワクチン」です。ちなみに、effectiveとefficientは両方とも「効果的な」を意味する混同しやすい形容詞ですが、efficientは「無駄なく、てきぱきと働く、効率よく稼働する」です。He's not a very efficient assistant.「彼はあまり手際のよい助手ではない」や、The country's postal service is very efficient.「その国の郵便サービスはとても効率的だ」のように使えます。
Nine leading drugmakers around the world have issued a joint statement vowing to put safety first as their clinical trials move forward.
和文
世界各地の製薬大手9社が、臨床試験を進める中で、安全性を最優先することを誓う共同宣言を発表しました。
解説
「大手の」に相当する英語のひとつが、leadingです。
drugmakerは「製薬会社」です。「製薬会社」は、pharmaceutical companyとも言います。
joint statementは「共同声明」です。共同声明を「出す」と言うときの動詞としては、ここでのissueやreleaseが代表的です。
vow to ...は「~することを誓う」です。
put A firstは「Aを第一にする、Aを最優先する」です。本文ではAにあたるのがsafety「安全性」で、put safety firstは「安全性を最優先する」です。
clinical trialは「臨床試験」です。

The companies include Britain-based AstraZeneca and U.S.-based Pfizer.
和文
それらの会社には、イギリスのアストラゼネカやアメリカのファイザーが含まれています。
解説
-basedは「~に拠点を置く」です。企業などの組織だけではなく個人についても使えます。Tokyo-based organizationなら「東京を拠点とする団体」、London-based musicianなら「ロンドン在住の音楽家」です。
新型コロナウイルスのワクチン開発は中国やアメリカなど各国で続けられていますが、アストラゼネカが開発中のワクチンはその中でも、このニュースの時点で最も進んでいるものの1つです。
The declaration was issued on Tuesday. The companies promise to make the safety and well-being of vaccinated people their top priority.
和文
宣言は火曜日に発表されました。参加企業は、ワクチンを接種される人たちの安全と健康を最優先すると約束しました。
解説
the declaration「その宣言」は、センテンス2のjoint statement「共同宣言」を指しています。
promise to ...は「~することを約束する」です。センテンス2のvow to ...を言い換えています。
make A one's top priorityは「Aを最優先する」で、本文でAにあたるのは、the safety and well-being of vaccinated people「ワクチンを接種された人たちの安全と健康」です。センテンス2のput A firstの言い換えになっています。ちなみに、give (top) priority to Aなら「Aを(最)優先する」という表現です。
They say they'll only seek approval or emergency-use authorization after safety and effectiveness are demonstrated through a phase 3 clinical study.
和文
参加企業は、第3相試験を終えて安全性と効果が証明されてからでないと認可や緊急使用の承認を申請しないと述べました。
解説
seek approvalは「承認を求める」、seek authorizationは「許可を求める」です。
emergency-useは「緊急使用の、非常用の」です。センテンス7では、emergency use「緊急使用、非常時の使用」として名詞で出てきます。
demonstrateは「明確に示す、証明する、実証する」です。
人を対象にした臨床試験(治験)はphase1「第1相」からphase 3「第3相」の3つの段階に分かれていて、第3相試験は、多数の患者を対象に安全性と有効性を調べる最終段階です。第3相を経て薬事申請へと進むという普通のことを声明の中であえて明確にしているのは、センテンス7にあるように、先走りしそうな政府があるからです。

Coronavirus vaccines currently under development haven't yet passed the final phase of clinical trials.
和文
現在開発中の新型コロナウイルスのワクチンは、まだ臨床試験の最終段階を通っていません。
解説
(be) under developmentは「開発中」です。
the final phase of clinical trialsは、前のセンテンスのphase 3 clinical studyを言い換えています。
vaccineは、ラテン語vaccinusを語源とする言葉です。vaccinusはcow「牛」を意味するvaccaに由来します。イギリスの医学者エドワード・ジェンナー(1749-1823)は、cowpox「牛痘」にかかった人は天然痘にかからないことを知りました。そこで、牛痘にかかった人の皮膚にできる水疱から採取した膿を使って天然痘の抗体をつくる手法を開発しました。それが、vaccineという名詞の由来です。
But China and Russia have already authorized the use of some vaccines. And U.S. authorities have suggested they too will approve some vaccines for emergency use.
和文
しかし中国とロシアは、いくつかのワクチンの使用をすでに承認しています。そしてアメリカの規制当局も、いくつかのワクチンの緊急使用を許可することを示唆しています。
解説
センテンス5で使われていたauthorizationの動詞形がauthorize「認可する」、approvalの動詞形が approve「承認する」です。
意思決定権を持つ公共機関・政府部門を、authorityと言い、多くの場合、authoritiesと複数形にして使います。例えばhealth authoritiesなら「保健当局」、customs authoritiesなら「関税当局」、transport authoritiesなら「交通当局」です。

The race for a vaccine has become highly competitive, as governments see it as a way to boost their own standing.
和文
ワクチン開発の競争は、各国政府がワクチンを自国の(国際的)立場を強化する手段とみなす中、しれつになってきました。
解説
the race for ...は「~をめぐる競争、~獲得競争、~争奪戦」です。
highly competitiveは「競争の激しい、競争率の高い」です。例えばhighly competitive exam「競争率の高い試験」、highly competitive field「競争の激しい分野」、highly competitive industry「競争の激しい業界」のように使えます。
itは、vaccine「ワクチン」を指しています。
boost one's standingは「自分の立場を高める」です。ほかにも、boost one's profile「自分の知名度を高める」、boost one's stature「自分の名声を高める」のように使えます。
新型コロナウイルスのワクチン開発は、各国が実用化を急ぐ中、過去に例のないスピードで進められていて、専門家からは安全性を十分検証するよう求める声が出ています。
新型コロナウイルスに効果があるワクチンの開発に向けた国際競争に関する最新ニュースからお伝えします。世界各国の製薬大手9社は共同で宣言を発表し、安全性を最優先に臨床試験を進めると誓いました。
宣言を発表したのは、イギリスのアストラゼネカやアメリカのファイザーなどの製薬会社です。火曜日(9月8日)に発表された宣言では、ワクチンの安全性と接種する人たちの健康を最優先させることや、第3段階までの臨床試験を経て安全性と効果が証明されたうえで、ワクチンの許可や緊急使用の承認に向けた申請を行うことを約束しています。
現在開発中のワクチンは、いずれも最終段階の臨床試験を終えていませんが、中国とロシアはすでに数種類のワクチンの使用を承認しているほか、アメリカの規制当局も、緊急で使用を許可する可能性を明らかにしています。
各国政府がワクチンを(国際社会における)自国の存在感を増す手段とみなす中、ワクチン開発をめぐる競争はますます激しくなっています。