Fujitsu is embracing the new normal for working conditions in Japan prompted by the pandemic.
和文
富士通は、(新型コロナウイルス)感染症の世界的なまん延によって引き起こされた、日本における働き方の新たな常識を取り入れつつあります。
解説
動詞のembraceは一義的には「抱擁する」という意味で知られる単語ですが、ある考え方を受容するということから、ここでは「取り入れる、採用する」という意味で使われています。
new normalは新型コロナウイルスの感染拡大で広く知られるようになった表現で、「新常態、新たな日常」などと訳されます。従来は当たり前とされていたnormal「通常、常識」が、大きな変化によって新たな段階へと移行したことを示す表現で、もともとは2008年のリーマンショックに端を発する世界金融危機の頃から使われ始めたものです。
working conditionsには具体的な「労働条件」の意味もありますが、ここでは広く「働き方」を指しています。
pandemicは、日本語でも「パンデミック」と呼ばれるようになりましたが、「(感染症の)世界的なまん延」を表します。
The tech firm says "work from home" will become standard practice for about 80,000 domestic employees.
和文
この技術系企業によると、在宅勤務が、およそ8万人の国内従業員の標準的な働き方になるということです。
解説
富士通はさまざまな先端技術を開発する電機メーカーなので、ここではtech firm「技術系企業」と言い換えています。
work from homeは、文字どおりには「家から働く」ですが、「在宅勤務」を指す代表的な表現です。最近ではworking from homeに代わる名詞として使われることが増えていますが、特殊な用法なので、多くの主要メデイアでは引用符に入れて使っています。日本でよく言う「テレワーク」もteleworkという正しい英語ですが、アメリカではwork from homeやwork remotely「遠隔で働く」という表現のほうが好んで使われます。また、work remotelyを名詞にしたremote workもよく使われ、このニュースでもセンテンス6に登場します。
standard practiceは「標準的な行為、習慣」ですが、ここでは「標準的な働き方」のことです。

Fujitsu will also stop the practice of job transfers that can result in employees living away from their family.
和文
富士通はまた、従業員が家族から離れて暮らすことになりうるような転勤を廃止するとしています。
解説
ここでのpracticeも、前のセンテンスと同様に「行為、習慣」という意味です。社員の家庭生活を顧みない転勤、典型的には単身赴任が多くの日本企業で慣習として行われてきたことを示す単語と言えるでしょう。
job transferは「転勤」です。transferには「移動、移転、譲渡」などの意味がありますが、労働の話題では「(人の)異動、配置転換」としてよく使われます。
result in ...は「~につながる、~に終わる」という表現です。ここでは転勤がもたらす最終的な結果、つまりemployees living away from their family「家族と離れて暮らす従業員」を生むことを示しています。
The changes will go into effect later this month.
和文
これらの変更は、今月中に実施されます。
解説
go into effectは「効力を持つ、実施される」という定型的な表現です。同じ意味を持つほかの表現として、take effectやcome into force、go into forceなどもよく使われます。
later this monthは「今月のこの報道よりあとに」で、報道の時点から今月末(7月末)までの間の時点を指します。必ずしも今月「下旬」ではないので注意が必要です。同様に、earlier this monthにも今月「上旬」という意味はありません。「今月上旬」と言う場合は、early this monthとします。
The company says it will no longer give out allowances for commuter passes.
和文
同社は、通勤定期手当はもう支給しないとしています。
解説
no longerは「もはや~しない」という否定を含む表現です。
give outは「配る、支給する」という句動詞です。
allowanceには、一般的に「お小遣い」という意味もありますが、企業の話題では「手当」です。housing allowanceなら「住宅手当」です。
Instead, employees will receive about 46 dollars a month to set up a remote work environment.
和文
その代わり、従業員は在宅勤務の環境を整えるため、毎月およそ46ドルを受け取ることになります。
解説
insteadは、前段の内容を受けて代わりとなる事柄を導く副詞です。
a month「ひと月あたり、毎月」が一見して意味をとりにくい位置にありますが、per monthと考えると理解しやすくなります。perを使わない数値表現+期間単位の形に慣れておくといいでしょう。例えば、three days a weekなら「週に3日」ですし、twice a yearなら「年に2回」です。
remote work environment「在宅勤務の環境」とは、業務に必要なコンピューター機器や通信環境を整えることを指しています。
富士通は、通勤の定期券代の支給を廃止する代わりに、月額で5,000円を新たに支給します。
The new policies do not apply to factory employees.
和文
これらの新たな方針は、工場従業員には適用されません。
解説
policyは「政策、方針」で、the new policiesはここまで述べられてきた「在宅勤務」に関する諸制度の変更を指しています。製造現場の工場従業員は在宅勤務ができないことから対象外とされています。
apply to ...は「(規則などが)~に適用される、あてはまる」です。

Fujitsu plans to slash office space in Japan by half over the next three years.
和文
富士通は、今後3年をかけて日本国内の事業所スペースを半分に減らす計画です。
解説
slashは、もともと「(刃物で)さっと切る、ざっくり切る」という意味で、そこから経済の話題では「(コストや予算などを)大幅に削減する、大なたを振るう」としてよく使われる動詞です。似たパターンとして、ax「斧で切る」という動詞も「(人員を)削減する、解雇する」という意味で使われます。ただ、今回の富士通の方針は人員削減ではなく、在宅勤務を原則とする働き方改革で、結果として事業所に要するスペースを減らすというものです。
ここでの前置詞overは「~の期間をかけて」という意味です。
It will also increase its satellite offices throughout the country.
和文
同社はまた、全国で出張所を増やすことにしています。
解説
satellite officeは、日本語でも「サテライトオフィス」と呼ばれることがありますが、「出張所」にあたります。
increaseは「増やす」という目的語をとる他動詞で、反義語はdecrease「減らす」です。
throughoutは「すみからすみまで」という意味で、throughout the countryは「全国で」です。

Corporate Executive Officer Hiramatsu Hiroki says the company wants to implement a way of working that doesn't burden the lives of employees.
和文
平松浩樹常務は、同社は従業員の生活に負担をかけないような働き方を実施していきたいと述べています。
解説
企業における役職の英語名と日本語名の対応については定訳どおりにいかない場合があり、各社での呼び方はそれぞれです。corporate executive officerはたいてい「執行役員」と訳されますが、富士通の平松氏は「執行役員常務」という肩書です。
implementは計画や政策などを「実施する、実行する、履行する」で、公式な文書でよく使われる単語です。
a way of ...は「ひとつの~のやり方」ですので、a way of workingは「ひとつの働き方」です。
ここでのburdenは「~に負担をかける、重い責任を負わせる」という意味の動詞です。
富士通は、新型コロナウイルスの世界的な流行によって新しい常識となった日本での働き方を採用することになりました。富士通は、日本国内で働くおよそ8万人の従業員について、テレワークを標準の形にするということです。
富士通はまた、従業員が家族と離れて生活することになる転勤(単身赴任)もやめる方針で、こうした変更は今月中(7月中)に実施されます。
さらに富士通では、今後は通勤の定期代を支給しない代わりに、従業員が在宅勤務の環境を整えるため、毎月およそ46ドル(5,000円)を受け取ることになるということです。ただし、こうした新しい方針は工場で働く従業員には適用されません。
富士通は、日本国内のオフィスのスペースを今後3年間で半分に減らす一方、サテライトオフィスを全国に増やす計画です。
平松浩樹常務は、会社としては従業員の生活に負担をかけないような働き方を実現していきたいと話しています。