記事一覧

11月16日 第49回 「ガラス端材に命を 林孝子さん(岐阜市在住)」

11月のぎふカルチャーは、飯沼が担当しました。
ご紹介したのは、使われなくなったガラスの端材を使って作品を生み出すアーティスト・林孝子さん、80歳です。

林 孝子さん


岐南町のガラス加工会社で生まれ育った林さんは、49歳のときに外回りの仕事をやめたことをきっかけに、ガラス作品の制作をはじめました。

制作風景〜 ガラスの端材


「事務所で座っていても仕事がないので、工場の中をあちこち歩いていたら片隅にたまっているガラスを見てこれは何かできることがないかなと」(話:林孝子さん)

 

加工の際に出た端材や、廃番になった商品など使われなくなったものはどんどん捨てられてしまいます。

少しのキズも商品にはできない


少しの傷があるだけで、商品としては納められません。


捨てられてしまうものを生かして新たなものを生み出したい、そんな思いから最初に手がけたのはテーブルでした。

ガラスのテーブル 2000のパーツをつないで固める


窓ガラスなどに使用される板ガラスを、3センチ幅にカットして、およそ2000のパーツをつないで窯で焼き固めました。

小さな欠片も捨てずにとっておく


どんな小さなかけらも捨てずにとっておきます。

ピアスやブローチなども 食器やインテリアのものまで


ほかにも、ピアスやブローチ、色鮮やかな食器にインテリアまで。
30年で生み出した作品は数えきれないほどです。

 

秋から冬にかけて開かれる個展を前に制作に取り組む林さん。
自分の原点ともいえる板ガラスを円状に切り抜き、オブジェを制作します。

円状に切り抜き、オブジェを制作


実は、林さんは去年転んだ際のけがで上手く右腕に力が入りません。
左手で支えながら作業を進めます。

左手で支えながら作業をすすめる


けがをしても制作への意欲が途絶えることはありませんでした。

ミリ単位の作品 32枚重ねたオブジェの原型


ミリ単位で大きさの違う円状のガラスを32枚重ねたオブジェの原型が現れました。

窯で焼くこと10時間


これを800度の窯で焼くこと10時間。
冷まして、1週間後に取り出します。

 

展会場で指示を出す林さん


10月には、池田町の美術館に作品の運び込みが行われました。

ひとつとして同じ形のものはない


できあがった作品はどれも個性的。
ひとつとして同じ形のものはありません。

極小美術館館長 長澤知明さん


個展で声をかけた長澤知明さんは、
「林さんはガラスに対して何もかもわかっていながら、ガラスの新たな可能性を世に問うている」と話していました。

テーマ「マイライフ」


オブジェを丸と三角に配置した空間作品。
テーマは「マイライフ」です。
ガラスとこれまでの人生とを重ねました。

ガラスアーティスト 林孝子さん


「心の中にもしゃもしゃしているものもあって、トゲトゲ角ばっている子とか、いろいろなものを抱えながら、それでも最後には丸くなってやわらかくなって。
熱を加えることで人間も愛情で丸くやわらかくなるので、ガラスと同じように変化していくことを見ていただけたらいいし、死ぬまで板ガラスと関わり合っていきたいと思います。」(話:林孝子さん)

12/3まで極小美術館で個展開催


番組でご紹介した孝子さんの作品「マイライフ」は、池田町の極小美術館で12月3日まで展示が行われています。
入館は無料です。訪れる際には、電話での予約が必要です。
(090−5853−3766)までお問い合わせください。

▲ ページの先頭へ