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AI界の名司会「ぼのちゃん」
夫婦の会話を徹底分析

AI界の名司会「ぼのちゃん」
夫婦の会話を徹底分析

2019年6月28日
  • AI
  • 夫婦
  • 人生100年時代


認知症予防のための会話トレーニングに活用されるAI会話支援ロボット「ぼのちゃん」。会話量の測定をおこない、聞き手と話し手が互いにバランスよく会話をしていないと割り込んで発話量が少ない方に話をするよう促します。今回、6組の「夫婦の会話」をぼのちゃんに聞いてもらうと、夫婦の会話を改善するヒントが見つかりました。
(ぼのちゃんの紹介VTRは↓)。





この実験で、ぼのちゃんが「会話のバランスが悪い」と判断して割り込んだ回数は、満足度の高い夫婦では1回なのに対し、満足度が低い夫婦の会話では、6回。夫婦それぞれの発話量を詳細に分析してもらったところ、会話の満足度が高い夫婦とそうでない夫婦には、聞き手の発話量に大きな差があることがわかりました。
(会話の満足度が高い夫婦と低い夫婦の発話量を比較したグラフは↓)

(理化学研究所 認知行動支援技術チーム作成)


会話に満足している夫婦では、夫も妻も相手の話に重なるように発話量が均等に伸びていました。一方、会話がうまくいっていないという夫婦では、妻の発言に対して、夫が黙って聞くことが多く、夫婦で発話量に大きく開きが出ていました。



さらに、愚痴を聞く側の発言数を比べると、満足度の高い夫婦は、6分ほどの会話で39回なのに対し、満足度の低い夫婦では13回。実に、3倍もの差が生まれていました。
さらに、聞き手が発言していない“無言”の時間の長さを比べると、その差は2倍近く。
満足度が高い夫婦と低い夫婦の会話には、聞き手の姿勢に大きな違いがあることが分かったのです。

ぼのちゃんの開発者、理化学研究所の大武美保子博士は、この結果から、話の聞き手が、「合いの手」や次の発言を促す「質問」などをどれほどリズム良く出しているかで、夫婦の会話の満足度が変わってくるのではないかと見ています。


学校の授業などではよく、「相手の話を黙って聞きましょう」と言われますが、夫婦の会話では違います。
互いに相手の発言に重なるように盛り上げ合う発言を増やし、夫婦二人で1つの話を作っていくことができれば、満足度の高い「夫婦の会話」につながるのではないでしょうか。


そうは言っても、相手の話をどう盛り上げたらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、延べ1万人以上の高齢者の会話を分析してきた大武さんに、会話を互いに盛り上げていくためのヒントを聞きました。



会話を互いに盛り上げるために、大武さんが、注目した夫婦の会話がありました。


それは、「いまこの車両空いてますっていうのを出してくれたら」や「(私だったら)満員電車ほんと無理」というようなたとえ話の表現「もしも話」です。大武さんはこの「もしも話」が互いに会話を盛り上げるために重要な役割を果たすと指摘します。


大武さんが研究を続けてきたのは、長寿として知られる蟹江ぎんさんの娘、4姉妹の会話分析です。笑いが絶えない、4姉妹の会話に長寿につながる会話の法則があるのではないかと考えた大武さんは、5年間で10回以上、姉妹の元を訪れ、その会話を録音し分析しました。
すると、笑いにつながった会話の中には、高い割合で、この「もしも話」が含まれていたことを突き止めたのです。

なぜ「もしも話」は会話を盛り上げるのか。それは、お互いが相手の話を自分事と捉えて聞いていないと、「もしも話」を思いつくことは難しいからであり、「もしも話」をできるということは、相手のことを考えながら話を聞けているということだと、大武さんは言います。


もしもっていうのを考える時に、人ごとだと思って聞いてると、なかなかその話に入り込めないが、自分に起こったことのように想像しながら話を聞くと、自分だったらこうするとか、もしもこうなったら面白いとかいうことが思いつきやすい。
新しいアイディアを2人で出していけるのが夫婦の会話の醍醐味であり、一緒に何か考えていくことになるので、話した甲斐があったという満足度につながる。


まずは相手の話を自分事として想像しながら話を聞くこと。
そして、「もしも自分だったらつらい」という共感を伝えるたとえ話や、「もしもこうなったら面白い」というアイデアの出し合いを心がけてみるのも、夫婦の会話をよりよくするヒントになりそうです。

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