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“24時間戦闘が続いている”【激戦地・アブジイフカ市軍事行政府トップ】

4月18日、ゼレンスキー大統領は「東部ドンバス地域での戦いが始まった」と宣言。その翌日、東部の激戦地で軍事行政府のトップを務めるビタリー・バラバシさんに話を聞くと、「戦闘は最も激しいフェーズに突入した」と証言しました。街には避難できない人が数多く残され、ロシア軍は住宅を徹底的に破壊しにかかっているといいます。それでも、なぜかビタリーさんは微笑を絶やしませんでした。

“ウクライナ軍はなんとか持ちこたえている”

東部ドネツク州にあるアブジイフカ市は、2014年にウクライナ東部で親ロシア派武装勢力が一方的に独立を宣言して以来、8年にわたって激しい軍事衝突の最前線となってきました。

その街で2020年から軍事行政府を率いるビタリーさんにとっても、目の前の状況はかつてないほど緊迫の度合いを高めているといいます。

〈国際報道2022 4月19日放送より〉
ビタリーさん

「街から前線までは3キロも離れていません。30分ほど前にも空爆がありましたが、ロシア軍の大規模な部隊が集結し、この8年で緊張は最も高まっています。
戦闘は最も激しいフェーズに突入しています。前線では文字通り24時間休むことなく戦闘が続き、時折、空爆や砲撃が住民の暮らす住宅を直撃しています。昨夜も女性がひとり砲撃によって亡くなりました」

激しさを増すミサイルの攻撃や航空機による空爆を防ぐ手立ては、ウクライナ側にはありません。
それでもロシア軍が街へ侵入するのは許していないとビタリーさんは強く主張しました。

〈国際報道2022 4月19日放送より〉
ビタリーさん

「ロシア軍は何度も私たちを包囲しようとしていますが、わが軍は何とか持ちこたえています。きのうは2度にわたって一気に攻勢を強めてきたのをしのぎました。大砲による砲撃、空爆、戦車、あらゆる手段で攻撃をしかけてきます。我々を包囲しようという作戦がうまくいかないため、ロシア軍は住宅を徹底的に破壊する方策に出ています」

“行くあてのない住民が大勢残されている”

激しい攻撃にさらされても、まだ多くの住民が現地に残っているとビタリーさんは言います。
安全のために「正確な数字は言えない」としながらも、残された人々の過酷な暮らしを明かしてくれました。

ビタリーさん

「街にある60を超えるシェルターには大勢の住民が身を寄せています。この2か月、街には水もありませんし暖房も止まっていて、電気もひんぱんに止まるので修理さえもできません。私たちは住民に食べ物や水など支援物資を届けています。
人々が避難しない理由はさまざまですが、だいたい同じような答えが返ってきます。どこへも行くところがないというのです。自分たちの家はここにあり、どこにも行く場所はないのです」

ビタリーさんは私たちのインタビューに対し、過酷な状況を話しながらも時おり笑みを浮かべていました。
最後に「過酷な状況でなぜ笑みを絶やさないのか」と聞くと、やはり笑顔を見せて答えました。

ビタリーさん

「私にも分かりません。ただ、ずっと笑っている気がします。人間は心の持ちよう次第で、ネガティブにもポジティブにもなれるのです。私は楽観的です。私たちが勝つということに1ミリも疑いを抱いていないのですから。困難な時こそ笑っている方がずっと楽です。
軍人の世界にはこんな表現があるのをご存じでしょうか。攻撃を受けて奇跡的に一命をとりとめたとすると、私たちは『(新たに命をもらって)誕生日が1日増えたな』と冗談を言い合うのです。もっとも現在のような状況では、あと8回も9回も誕生日が増えるかもしれませんが」