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危機迫るルハンシク州“生きていたら、また”【ビクトルさん・ルハンシク州警察】

「祖国への愛、独立への思い、この土地を守りたいという気持ちが恐怖に勝るのです」

ロシア軍は首都キーウ近郊などから兵力を撤退させ、ウクライナ東部で大規模な攻撃を近く行うのではと伝えられています。4月13日、東部ルハンシク州の警察に勤めるビクトル・レフチェンコさんは、攻撃が日に日に激しくなっていることを肌で感じていました。ビクトルさんはすでに死を覚悟しているかのような口調で「私たちを助けてください」と訴えました。

“困難な時でも人々を助ける”

〈国際報道2022 4月13日放送より〉

ルハンシク州の警察で警備・パトロール部門を統括するビクトルさん。
警察官になる時に誓った言葉が 「どんな困難な時でも人々を助ける義務がある」 でした。
ロシアの軍事侵攻後も、このことばを胸にルハンシク州全域をパトロールし、住民の避難を手助け、残された人々への支援を行ってきたといいます。

<避難のために集まる住民(ビクトルさん提供)>
<避難のためのバスに乗る住民(ビクトルさん提供)>
ビクトルさん

「多くの女性や子どもを避難させることができました。ただ年配の方々は今も現地に残っている人がいます。自分たちの家が唯一のよりどころなので、残していきたくはないのです。
人々は攻撃を恐れ地下シェルターから出てこれません。そのため食料や水にとても困窮しています。パトロールするのも危険ですが、できる限り食料や水、薬を配って回りサポートしています」

生きていたら、またインタビューに応じます”

攻撃にさらされて1か月以上。
ロシア軍が作戦の重点を東部に移したと伝えられるようになってから、ルハンシク州への攻撃は目に見えて激化していると感じています。

〈国際報道2022 4月13日放送より〉
ビクトルさん

「ロシア軍は最大限の兵力をルハンシク州・ドネツク州のドンバス地域に集結させ、さらに増強を続けています。私たちの軍も抵抗を続けていますが、敵は非常に多くの武器があり、相手が誰であろうが無差別的に攻撃してくるのです。
今この瞬間にも恐ろしいことが起きています。重火器で破壊された民家に行くと、私たちはばらばらになった子どもや妊婦の遺体を目にします。正直に言うと、私は強い憎しみを感じています」

「またぜひ取材に協力してほしい」と告げると、ビクトルさんは「もしも私が生きているならば喜んで」と答えました。

警察官という立場でロシア軍と立ち向かう覚悟。

最後に伝えてほしいと口にしたのは、悲痛なメッセージでした。

ビクトルさん

「アジアの皆さん、日本の皆さん、私の話を聞いてくれているすべての人たち、どうか私たちを助けてください。どうか私たちに武器を提供してください。私たちは独立を守るために戦っています。平和に暮らしたいのです。みなさんと同じように、ごく普通の人間的な暮らしを送りたいだけなのです」

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